近いのに遠い実家…娘が孫を連れて出戻ってきた時の親の心

孔井嘉乃 作詞作曲家・ライター
更新日:2021-10-27 16:12
投稿日:2021-10-26 06:00

シングルマザーが実家に出戻った時のメリット

 シングルマザーになって実家に帰ると、少なからず「出戻ってしまった」という罪悪感のようなものがあると思います。その気持ちが、お互いのギクシャクとした気まずさにつながるのかもしれません。

 でも、一度お嫁に行ったからといって、娘は娘です。それまでの関係性もあると思いますが、甘えられるところは甘えたほうが良いと思います。と、開き直りですね(笑)。

 ただ、独身の時とは違うのが、自分が「結婚」という経験をしていること。毎日当たり前のようにしていた家事は体に染み付いていて、料理や洗濯、食器洗いをすることが苦になりません。きちんと働いている今、金銭的にもすべてを頼らないでいられることは自分としても気軽です。

 現在、両親はすこぶる元気ですが、親だって歳を取っています。ちょっとしたサポートができることで、少しは役に立てているのではないかなと思ったりします。

 そして、孫である息子もいい働きを見せてくれています。無口であまり笑わない父に自分から擦り寄っていて抱っこをせがんだり、サイクリングに連れて行ってもらったり。時に怒られたりもしていますが、それでも懲りずに「ほっぺにちゅ!」としたり。

 また、母の料理が大好きな息子は、「うまっ!! これ、◯◯(ファミレス)のハンバーグなんかよりぜんぜん美味しいよ」と褒めまくっては、ニコニコメロメロにさせていたり。

 最近、真剣に母が言います。「コロナで自粛中、あなたたちがいなかったら夫婦会話なしで過ごしてたんじゃないかしら。ボケちゃってたかもしれないわ!」なんて。

“近くの他人”より、やっぱり“近くの親類”

「遠くの親類より近くの他人」という言葉がありますが、やっぱり近くに親類がいるのであれば、それがいちばん! それを痛感する今日このごろ。

 最初の気まずさなんてどこへやら、すっかり私は「ここの家の娘」に戻っています。

 仕事の息抜きで母とコーヒータイムでぺちゃくちゃとおしゃべりをしたり、「手抜きしよう!」と提案し、カップラーメンを半分ずつ食べたり。気が回らない父に「いち娘」として文句を言っては鬱陶しがられながらも、一緒に晩酌をしたり。

 でも、そんな毎日は、もっともっと遠いいつの日か、あたたかく思い出せるひとコマになるのかもしれません。

子供はママが幸せそうでいればどこだって良いのかもしれない

 ワンオペ状態だった離婚前は、ほとんど母子2人きりの生活。引越し当初、息子は一気に家族が5人に増えたことで、ストレスを感じていたようでした。自分の部屋にこもったり、「前のマンションに戻りたい」「早くお引っ越ししたい」と、何度も言っていました。

 でも、3年目の今、息子もすっかり実家に馴染んだ様子。それどころか、初孫で一人っ子なので我が天下! 傍若無人にふるまっています(笑)。

 いつだったか、息子がお友達に「今度、ボクのおうちに遊びにおいでよ!」と言っているのを聞き、「あぁ、いつの間にか“自分のおうち”だと認定したんだな」と、嬉しく思いました。

 でも、息子の心の変化は、きっと私の心の変化。子供はママがリラックスしてゲラゲラ笑って幸せそうでいれば、どこだって良いのかもしれません。

 そんなわけで、出戻って1年ほど経った頃、ぺたっとした敷きパッドを捨ててセミダブルの立派なベッドを新調した次第。まだ、お嫁に行っていない妹から「半年どころか、居座る気満々じゃん!」と、苦笑されましたが。

 まぁ、そんなわけで、なんだかんだ気楽に過ごしています。娘としても、ママとしても。

(文;孔井嘉乃/作詞作曲家 イラスト:こばやしまー/漫画家)

孔井嘉乃
記事一覧
作詞作曲家・ライター
3歳からピアノを始め、現在は作詞作曲家&シンガーソングライターとして活動中。2014年からウェブライターとしての活動を開始。得意ジャンルは美容、恋愛、ライフスタイル。コスメコンシェルジュ、日本化粧品検定1級、ベビーマッサージ資格、乳児心理+児童心理資格取得。
2016年、ママユニット「mamakanon」を結成。活動5年目にして、YouTube再生回数1,200万回達成。2020年、フレンチシンガーバイオリニストソングライターとのDuo「ellipsis」を結成。両者の絶対音感を活かしてカバー演奏などを行う。
1児のママ。特技は早起き。ウィスキーが好き。

◇孔井嘉乃公式サイトmamakanon公式 YouTubeチャンネルellipsis公式 YouTubeチャンネル

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


「必勝!陶器市」“予習”でさらに楽しい 2022.10.28(金)
 秋も深まり、もうすぐ11月。今年の秋冬は例年よりも寒くなるとニュースで言っていましたが、しっかり着込めばまだまだお出か...
目の前を横切る“たまたま”をパチリ♪これで開運間違いなし!
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
没頭確定な趣味♡ 紙とペンでOK「ハンドレタリング」って?
 多趣味で好奇心旺盛のワタクシ、canちゃん。今回は「ハンドレタリング」をご紹介します。  お家でできて、気分転換にも...
口は禍の元でしかない 口が悪いのを直したい時のポイント4つ
 友人や家族から「いつも口が悪いよね」と指摘されると、正直ショックですよね。自覚がある人もいますが、多くはきつい印象を与...
もっこり紅葉!?コキアと畑のキャビア「とんぶり」の密な関係
 猫店長「さぶ」率いる我が花屋。神奈川のカントリー風情たっぷりな立地にてお商売をさせていただいているものですから、周囲に...
めちゃくちゃ体が丈夫な人の見ている世界 2022.10.26(水)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
実録!秘密のストレス解消「おじさんの咀嚼音に癒されて…」
 家庭や仕事でのストレス、みなさんはどのようにして発散していますか? 世の中には、買い物や食事といった「定番」とはかけ...
2022-10-26 06:00 ライフスタイル
女友達の年収自慢にモヤモヤ!不安を「稼ぐ力」に変える方法
「来月、昇進するんだよね。新卒から比べると年収倍になるのは嬉しいけど、これ以上働きたくないなあ」  女友達の、何気...
「善意の押し付け」はいりません!お節介な人をかわす対処法
 使いきれない量の食材を持ってくる義母や、上から目線のアドバイスばかりの友人……。こうしたお節介な人の言動に、日々ウンザ...
【ニトリ】話題の「重い毛布」買ってみた!2022.10.25(火)
 加重することで、包み込まれる安心感を与えるーー。ニトリの「重い毛布」を知っていますか? 本格的に寒くなる前に購入したの...
こんな時代だから「初心者向けの一人旅」メリット&楽しみ方
 気ままで自由な一人旅。憧れますよね! でも、実際には「会話する相手がいなくて寂しそう」「勇気がない」「一人だと不安」な...
チビッ子“たまたま”とピンク肉球のマリアージュにメロメロ♡
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
作り笑い以前に“笑顔が苦手な人”の原因と対策 どう接する?
 仕事やプライベートで人と接する時、なかなか笑顔を見せてくれない人がいると「嫌われているのかな?」と不安になってしまう時...
都会の雑踏で聞こえた地元の方言 2022.10.23(日)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
大凶作のドラフト会議でイケメン“ザックザック大豊作”のなぜ
 今年のプロ野球ドラフト会議は空前の大凶作といわれていた。目玉となる選手はゼロで、多くの球団が争奪戦を繰り広げるようなス...
2022-10-22 06:00 ライフスタイル