毒親育ちの彼と鏡の前でした甘美なセックスと驚愕の動画!#5

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2022-03-03 22:46
投稿日:2022-02-18 06:00
「毒親育ちの会」で長身美青年の素敵な男性と知り合い、付き合いが始まったC子さん(28歳公務員/独身)。幸せな日々が続いていたと思っていたところ、彼はある日C子さんに予想外の「ルール」を提案してきた。
「君が心配だから、僕と一緒じゃない時はミニスカートは禁止。なるべく地味な格好をするように」との言葉に、C子さんは反論。その時は彼が「ごめん、言いすぎた」と謝り解決したものの、その夜、C子さん宅に泊った彼が、あろうことかキッチンでリストカットをし……。

 前回までの話はコチラ→第1話第2話第3話第4話

彼のリストカット姿に体が動かず

ーーそんな……リストカットですか?

「はい……彼Gさん(34歳カメラマン助手/独身)は、キッチンのシンクにもたれ掛かって床に座り、手首にカッターの刃を当てて、スーッ、スーッと切っていたんです。

 私は息を呑み、言葉を失いました。

 普通なら駆け寄って『やめて! 』とカッターを取りあげるのでしょうが、いざ、その光景を目の当たりにすると、まったく体が動かないんです……。

 どれくらい経ったか分かりません。数分だったのか、30分以上だったのかーー。ただ、私の意識は徐々に回復していきました。

 彼を観察する余裕も出てきたんです。

 彼は間違いなくリストカットをしていましたが、一つ一つの傷は浅いんです。もちろん、血は流れていますが、命にかかわるようなものではありません」

彼が語った子供の頃のつらい記憶

ーーなるほど、続けてください。

「ただ、怖かったのは、彼が、『ちくしょう……ちくしょう』と押し殺すような声で泣きながら、カッターで自分の皮膚を傷つけていることです。手首から上腕に向かって、いくどもいくども……。

 きっと、私のミニスカートの件に納得していないんでしょうね。

 その怒りや嫉妬、やるせなさが、自分を傷つけることに向かっているのだと感じました。

 いくぶんか落ち着くと、私は彼に歩み寄りました。

 彼は相変わらずカッターで手首を切っていましたが、私があえて普通に『……心配だから、ちょっと話そうか』と言うと、彼は無言のままカッターを床に置いたんです。

 そして、『言いたいこと、全部私に言ってほしいな。なんでもいいから……二人で話し合おうよ』と、ゆったりとした口調で伝えたんです。

 すると、『ごめんな……こういう風にしか生きれなくて』とひとこと。

 私は彼を抱きしめました。

『大丈夫だよ。私がついているから。ずっと味方だから』と言うと、彼はポツリ、ポツリと話し始めました。

 以前も話したように、彼には二つ上のお兄さんがいます。

 子供の頃から優秀で、有名医大を卒業し、今は医師をしているお兄さんです。

 そんな優秀な兄と比較されるたび、Gさんは心を痛め、一人でクローゼットにこもって、顔の頬骨を殴っていたそうです」

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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