サバ缶が華麗に変身
インド料理店なのは分かるけど、普通のインド料理店では出てこない料理ばかり。
「僕が食べたい料理をそのまま出してるの。僕が飲んべえだからね、お酒に合って、飲んべえが健康になれるつまみ」
さすが365日休肝日なしのハサンさん。お酒好きな人は、彼とも、彼の料理とも、絶対に気が合います。
ハサンさんのサバ缶とは長いお付き合い。1989年、留学生として来日したハサンさんはある時、スーパーで缶詰を手に取ったそう。
日本語は読めないけれど、缶詰の絵から「魚」ということは分かる。缶詰は未体験だけど、魚は好物だし…。悩みながらも試しに購入。唐辛子と塩と一緒にフライパンで炒めたら、あらイケる。次はスパイスとチリパウダーで炒めたら、もっとイケる。
一度間違ってサバの味噌缶を買ってしまったら、駄目だったそうです。それ以降はサバの水煮の缶詰の色を覚え、加える野菜やスパイスの量を増やし、サバ缶メニューのレパートリーを増やしていったとのこと。
「saba―can」は、ガラムマサラ開店初期からのメニュー。こう来たか、と意表を突かれる逸品です。
合わせるお酒はビールが定番ですが、日本酒も合うのでは、と密かに思う今日このごろ。手軽なのにいろいろ想像が広がるのもこの料理の魅力です。
【材料】
A(オクラみじん切り3本、ゴーヤーみじん切り10グラム、玉ネギ薄切り10グラム)
B(クミンパウダー小さじ1、コリアンダーパウダー小さじ1、黒コショウ小さじ4分の1、塩ひとつまみ)
・サバの水煮 缶2分の1
・クミンシード 小さじ2分の1
・パクチーざく切り 1~2株
・ショウガ千切り 適量
【作り方】
1. フライパンに油を敷きクミンシードを加熱。パチパチという音がしてきたらAを入れる。
2. Aに油がなじんだらBを加えざっと炒める。
3. サバを汁ごと入れ、崩すようにして炒める。ねっとりしてきたらパクチーを加えて混ぜる。
4. 缶に盛り、パクチー、ショウガ千切りをトッピング。
本日のダンツマ達人…ハサン・メハディさん
▽はさん・めはでぃ
インド・ムンバイ出身。日本留学を経てインドへ戻り、再来日。会社員をしていたが、カレーが食べたくても本格インド料理店が少なく、自分で店を開いた。母親直伝の家庭の味に、ハサンさんが世界中を旅して食べ、おいしいと思った料理のエッセンスをプラス。「インド料理店というよりスパイス料理店」とハサンさん。今は中華料理にハマっており、しばしば上海へ。新たなメニュー考案へ生かす予定。
▼「ガラムマサラ」
小田急線・経堂駅から徒歩2分。バター、生クリーム不使用。ハサンさんの趣向を凝らした料理を楽しむなら「おまかせ」でお願いするのもいい。記者のおすすめは「タンドリー・砂肝」「梅チキンカレー」「納豆カレー」「ドライマトン」。17時半~22時半。木曜定休。
東京都世田谷区経堂1―22―18 2階 ℡03・3427・1985
(日刊ゲンダイ2017年10月3日付記事を再編集)
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