子どもを比べない子育てを 「いつかできる」の視点を持って

孔井嘉乃 作詞作曲家・ライター
更新日:2019-06-05 06:00
投稿日:2019-06-05 06:00
 今も昔も、「親」は自分の子どもと他の子どもの成長をつい比べてしまいがち。でも、結論を言うと、できるできないを比べても何も得られません。「いつかできること?」という視点を持つ大切さについて、今回は考えてみました。

他の子どもと比べてしまうのは愛ゆえの行動

 同い年の子どもが、「もうしゃべれた」「もうお箸を持てた」「もう平仮名が書けた」ということを聞くと、つい「うちの子にもさせなきゃ」って思ってしまう気持ち、とても分かります。

 なぜ「させなきゃ」と思うのか?それは、わが子が少しでも恥ずかしくないように、生きやすくなるように、と願っての愛ゆえの行動だったりするんですよね。これは、大前提として。

現時点ではどうにもならないことがある

 子どもは生まれ月や性別によっても「できること、できないこと」が顕著に表れます。体格だけではなく、体力や理解力、判断力、忍耐力など、1人1人得意なことと苦手なことがある。ようは、現時点ではどうにもならないことがたくさんあると思うのです。

 それなのに、同い年の子供と比べて「なぜ、できないの?」と、言われたらどうでしょうか。自信がなくなり、この先、チャレンジをすることすら避けてしまう可能性も考えられますね。そもそも、誰かと比べられるのは大人でも嫌ではないですか?

気にしているのは親だけなのかも?

 つい先日、幼稚園の保護者説明会で「まだ、オムツが取れていない」と心配しているママがいました。でも、周りの子どもたちもオムツが外れていないその子も、全くそんなことを気にせず楽しく一緒に遊んでいます。

 子どもたちは大人と違って、フラットな見方をします。オムツが外れる外れない関係なく、「ありのままのその子」を見ているのです。つまり、気にしているのは親だけなのかもしれないということ。

「いつかできることか否か?」の視点を持つ

 私は現在、乳児・幼児心理を勉強中なのですが、その中で「いつかできることか否か?の視点を持つこと」が大切だと、あらためて感じています。

「いつかできること」とは、例えば、1人でご飯を食べる、1人で着替える、1人で歯磨きをする、1人でトイレに行くなど、例を挙げるとキリがありませんが、つまりは、急いでやらせなくてもいつか1人でできるようになる事柄です。

「促したとしても、強制はしない。絶対に焦らない。」と決めておくと、自分自身も楽だったり。

 でも、母子手帳にある質問項目、例えば、立つ、話す、笑う、体重◯kg、身長◯cm、など、「だいたい◯歳までにクリアしていないと、成長に何らかの問題があるかもしれない」という事柄については、少し注意深く見守った方が良い気がします。早期に動くことで、解決する場合もありますから。

他の子どもとではなく、過去のわが子と比べる

 それでも比べてしまうなら。他の子どもとではなく、過去のわが子と比べるようにしてはいかがでしょうか?

 お箸をうまく持てなかったら、手づかみで食べていた2年前のわが子と。イヤイヤをして駄々をこねたら、寝返りができなかった3年前のわが子と。

 そうしてみると、生まれてからの短期間で、なんて多くのことができるようになっているのか!と驚きます。そして、気づいたことを言葉に出して褒めると子どもは素直に喜び、「できるようになったこと」に目を向け、自信を持つようになると思うのです。

 今は、動画や画像を手軽に残せる時代です。過去のわが子の映像を、今のわが子と振り返るのも楽しい時間になるのでおすすめですよ。

孔井嘉乃
記事一覧
作詞作曲家・ライター
3歳からピアノを始め、現在は作詞作曲家&シンガーソングライターとして活動中。2014年からウェブライターとしての活動を開始。得意ジャンルは美容、恋愛、ライフスタイル。コスメコンシェルジュ、日本化粧品検定1級、ベビーマッサージ資格、乳児心理+児童心理資格取得。
2016年、ママユニット「mamakanon」を結成。活動5年目にして、YouTube再生回数1,200万回達成。2020年、フレンチシンガーバイオリニストソングライターとのDuo「ellipsis」を結成。両者の絶対音感を活かしてカバー演奏などを行う。
1児のママ。特技は早起き。ウィスキーが好き。

◇孔井嘉乃公式サイトmamakanon公式 YouTubeチャンネルellipsis公式 YouTubeチャンネル

ライフスタイル 新着一覧


都会にいて幸せになれるの? 「田舎の女」が幸せな理由4選
 格差社会といわれる日本ですが、年収や学歴のみならず、都会と田舎の格差も広がっています。都会を生きる女と田舎を生きる女は...
「そっちに行っちゃダメ!」をなくす廊下のない保育園の魅力
 保育園の現場では、「廊下に出ちゃダメよ!」とスタッフが子どもに声をかけているところをよく見ます。しかし、すんなり戻って...
急ぎ足の隙間から…チラリズム“にゃんたま”は魅力たっぷり
 「にゃんたま」に、ひたすらロックオン! 猫フェチカメラマンの芳澤です。  正々堂々、見せつけてくれるにゃんたまω...
おひとりさま老後には備えが大切 今から意識すべき2つのこと
 近ごろのニュースを見ていると、年金の支給も思わしくないようです。超高齢化社会に向かっているというのに、日本の未来が不安...
あれもこれも試した! がん治療に役立つ「情報収集」虎の巻
 私は42歳で子宮頸部腺がんステージ1Bを宣告された未婚女性、がんサバイバー1年生です。がん告知はひとりで受けました。誰...
汚れた毛並みは男の勲章 超貴重なワイルド三毛“にゃんたま”
 よ~く見てください。  恋のバトル真っ最中。にゃんたま君が最も忙しい季節に、少しカラダが汚れた三毛猫(柄が薄いタ...
部屋干しでもすぐ乾く!生乾きの臭いをさせない洗濯方法
 雨の多い梅雨時期には洗濯物が溜まりがち。重い腰を上げて部屋干しをしたのに、洗濯物から生乾きの臭いがしてうんざりしてしま...
花の蕾が秘めるエネルギー 恋愛運UPには暖色系を北に飾って
 これから日本も夏本番。  ここ数年、夏が来るたび思うのですが、ワタクシが中学生の頃になんだか必死に覚えた「ケッペ...
彼の家で“私の存在”を知らしめる神グッズは「洗剤」だった
 大好きな彼の自宅に、私物を置いて、他の女性へ“けん制”をしたいですか? モテる彼と付き合っている女性ほど、そんな心理に...
心が通じたかな? 肉球も一緒に披露してくれた“にゃんたま”
 にゃんたまωを見せてください!  いいよ~! オッケーにゃ~ん!  …と、なかなかすぐにいきませんが、どん...
京都のホストクラブにジャニ系よりエグザイル系が多い不思議
 ホストクラブといえば、髪を綺麗にセットした綺麗なお兄さんが女の人とお酒を飲んでくれる場所。最近はいろいろなタイプのホス...
女性の夏冷え対策はクーラーから!今年こそ冷えない体作りを
 猛暑が続く近年、熱中症対策としてクーラーをかけるのはもはや当たり前ですよね。でも、屋内ではどこもかしこもクーラーが効い...
さよなら子宮! 妊娠云々ではなく死ぬか生きるかを選択する
 私は42歳で子宮頸部腺がんステージ1Bを宣告された未婚女性、がんサバイバー1年生です。がん告知はひとりで受けました。誰...
星野源さんもNO! タレントの画像をSNSで無断使用する心理
 歌手で俳優の星野源さんが、ラジオ番組で、SNSのアイコンに自分の画像を使われることにはっきりNOを示しました。有名人で...
いずれはボス? 歴代五指ぷりぷり“にゃんたま”のイケ面公開
 世界一多くにゃんたまを撮影している私ですが、以前ご紹介した歴代5本指に入る魅力のにゃんたまの気になるイケ面を公開! ...
痛くないの? 床に頭を打ちつける子どもの主な理由と対処法
 保育園コンサルタントの小阪有花です。チャイルドカウンセラーのお仕事もさせてもらっている私のもとには、お子さんに関するさ...