夫が求めても無理!倦怠感をなくす更年期の心得~専門家監修

コクハク編集部
更新日:2023-01-26 19:01
投稿日:2022-09-22 06:00

4. 漢方薬で体質改善をめざす!

 プレ更年期・更年期は女性ホルモンの影響を受けやすく、自律神経のバランスが崩れやすい時期です。

 漢方医学の考え方では、血流や水分バランスの乱れによって、内臓や自律神経の働きが悪くなり、倦怠感やイライラ、ホットフラッシュ、動悸などの更年期症状に強く影響するといわれています。

 更年期のケアでは、気流を改善し、胃腸の働きを回復させて消化・吸収をよくし、栄養を全身に届けることで疲労感を軽減します。

 また、水の巡りをよくして自律神経を整え、精神状態を安定させることで、ストレスが原因となる疲労を軽減させる漢方薬を選びます。

 婦人科などの医療機関でも、更年期の不調に対して漢方薬が頻繁に処方されています。

 また、血流や水分のバランスが整うと睡眠の質も上がり、さらに疲労を回復する効果が見込めます。

 忙しい現代女性が、バランスの取れた食事や運動などを毎日続けるのは大変です。漢方薬なら症状や体質に合ったものを毎日続けて飲むだけなので、手間なく気軽に継続できます。

 更年期の倦怠感に悩む女性におすすめの漢方薬をご紹介します。

<更年期の倦怠感に悩む女性へおすすめの漢方薬>

・加味逍遙散(かみしょうようさん):体質が虚弱で疲れやすく、精神不安などがある方の更年期障害などに用います。

・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):冷え性で、貧血傾向がある方の倦怠感に用いられます。

・帰脾湯(きひとう):胃腸が弱って倦怠感がひどく、よく眠れないような方に用いられます。

 漢方薬選びには、自分の体質に合ったものを見極めることが欠かせません。体質に合った漢方薬を選ばないと十分な効果が出ないだけでなく、副作用が起こる場合もあるので注意しましょう。

 購入時は、できるだけ漢方に精通した医師、薬剤師等に相談することをおすすめします。自分にぴったりな漢方を提案してくれるオンラインサービスも話題です。

 お手頃価格で不調を改善したいという方は、医薬品の漢方をチェックしてみてくださいね。

5. 生活習慣を見直して更年期の倦怠感を改善!

「えりのさん、ありがとうございました。基本的な生活習慣を整えて、無理せず過ごしていこうと思います」

 穏やかな表情でサロンを出ていく、れい子さん。サロンに来たときの疲れきった表情とは、まるで別人のようです。

「今までずっと、やる気の湧かない自分を責めていました……。責めることがかえって症状を悪くさせていたかもしれないなんて、考えたこともありませんでした」

「長い目で見て、できるだけ気楽に考えましょう。大丈夫よ、更年期は一時的なものだから。自分をいたわるような生活を心がけてね。気になることがあったら、いつでもサロンに来てちょうだい」

「はい!」

 深々と頭を下げてから、れい子さんは帰っていきました。

「……更年期って、本当につらいわよね。困ることがあったら、ひとりで抱え込まないで、いつでもいらっしゃいね」

 独り言をつぶやいて、優しくほほえむ、えりのボスでした。

★サロン「コクハク」のオーナー えりの

 顔と口調は若いものの、年齢不詳。タヌキか妖怪の噂も囁かれる謎めいた主人だが、ココロやカラダ、健康に関する知識はズバ抜けており、何気にハイスペック。ムスメ時代に苦労してるため、自分より“後輩”の女にはしあわせになって欲しいと願っている。愛称は、えりのボス。

(漫画/腹肉ツヤ子

  ◇  ◇  ◇

<この記事の監修者>

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 竹田由子

 元漢方・生薬認定薬剤師。大学院で臨床薬学を専攻、日米で病院研修を受ける。病院薬剤師として10年間入院患者を担当しながら、化学療法・医薬品情報担当としても活動する。患者さんから「本音を話しやすい」と言われ関わるうちに、日常のセルフケアの大切さを痛感。転居後は薬局に勤務する傍ら、ライターとしても活動する。病院時代の上司が漢方好きで、漢方の凄さを体感し魅了され「日常の不調はまず漢方」と生活している。現在は、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選びお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」でも情報発信をしている。

「あんしん漢方」を詳しく見てみる

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

ビューティー 新着一覧


ノーブラで外出しちまった! 周囲バレを防ぐ対処法とグッズ
 朝寝坊した日や、忙しい日々を送っている時など、ついうっかりノーブラで外出してしまったことはありませんか? 出勤中や外出...
寝癖ヤバッ!ごまかす方法&防止策をマスターして優雅な朝を
 朝起きてひどい寝癖がついていると焦りますよね。ギリギリまで寝ていたら、寝癖直しに時間がかかって大ピンチに! そんなとき...
2023-02-28 06:00 ビューティー
40代の体はまだ軽くなる! 脱プチ不調・お守りアイテム3選
 アラフォーをすぎると、仕事を休むほどの不調ではなくても、なんとなくやる気が出なかったり頭が働かなかったり……と、ちょっ...
天然パーマを直すのは無理?頑固な癖毛を扱いやすくする3TEP
 地毛がくるんとカールしてしまう天然パーマに悩んでいる人は多いのではないでしょうか? 実際に、天然パーマだと「髪の毛がま...
在宅ワークで眉毛迷子に…流行りのアイブロウアイテムに刷新
 在宅ワークで、人に合わない日々を過ごして3年弱。オシャレの手を抜いて、服や化粧品を購入する機会も減っていました。が、こ...
世にいうおしゃれ更年期!? 去年の服が似合わない原因&5つの対処法
 衣替えをするのは大変ですが、「そうだ、これ買ったんだ!」なんて忘れていた洋服と再会することもあり、ちょっぴり楽しい時間...
不安定な生理や閉経前こそ月経カップ!基本的な使い方【専門家監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
非モテ認定待ったなし! 男に誤解されやすい地雷系メイク3選
「地雷系女子」とは、見た目は可愛いのに、性格が自分勝手で自己中心的だったり、情緒が不安定で感情をコントロールできなかった...
お腹がすいた、我慢無理!おすすめの「太りにくい夜食」4選
 仕事が遅くなってしまった時や、夜中に資格取得の勉強などをしている時、どうしても夜食が食べたくなってしまう時ってあります...
冬に毎日シャンプーするのはNG? 寒い季節の正しいヘアケア
 汗をかきやすい夏は、毎日シャンプーをしている人がほとんどでしょう。でも、「汗をかかず、乾燥しやすい冬にも毎日シャンプー...
尻のおできは踊り子の職業病?穴開きクッションの世話になる
 書店員として本を売りながら、踊り子として舞台に立つ。エッセイも書く。“三足の草鞋をガチで履く”新井見枝香さんの月イチ連...
40代の疲れ顔を解消!ケバくならない「お呼ばれメイク」ポイント7つ
 結婚式やお祝いなどお呼ばれの席では、服装や雰囲気に負けない華やかな「お呼ばれメイク」をしていきたいですよね。でも「お呼...
更年期予防&若さを保つにはホルモンの一種「ビタミンD」【専門家監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
実はカロリーお化け!意外に高カロリーな食材&食べすぎ時の対処法
 ダイエットの大敵といえば、「おいしい食べ物」ですよね。でも、完全に我慢するのは逆にストレス……。多くの人はできるだけ低...
シリコン製グッズを制する者がしっとり肌に!手持ちの化粧品も使える
 しっとりとした肌を育むために、どんなことをしていますか? 乾燥が気になる秋冬シーズンには、普段より高保湿のコスメに変え...
毛穴詰まりが怖くて躊躇…ナイトパウダーってどうなのよ?
 みなさんは、ナイトパウダーを使っていますか? ネットでも話題になっているので、気になっている人も多いはず。でも中には「...