「ゆで鶏のマーラーソース」やさしく火を入れて鶏肉ふっくら

コクハク編集部
更新日:2023-01-17 06:00
投稿日:2023-01-17 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・学芸大学の「farm studio #203」の濵田利彦さんに、ピリッと辛い「ゆで鶏のマーラーソース」のレシピを教えていただきました。

紹興酒がなくても大丈夫

 ふっくらと軟らかなもも肉に、ピリッとした辛さとしびれる辛さが混ざりあったソースがアクセント。本格中華のエッセンスを身にまとった一皿です。

「ポイントは鶏肉の火入れです。沸騰したお湯にずっと入れていると、どんどん硬くなってしまいます。茹ですぎは肉の味を落とすだけ。70~80度ぐらいを保てる環境に置いて、やさしく火を入れるのがコツですね」

 最近は家庭で使える低温調理器が売られていますが、短時間の火入れであれば鍋でも十分に対応できます。

 下味に使う白醤油や紹興酒がなければ、普通の醤油や日本酒で代用しても大丈夫。中華らしさは減じられますが、味がぼやけてしまうわけではないようです。粘度が高い甜麺醤も、醤油とラー油でのばすと、さらりと仕上がります。このソースが鶏肉の味をぎゅっと引き締めるんですね。

 添えられているのは“もぎりきゅうり”。成長段階で間引きされたもので、ぐにゃりと曲がって小さいですが、えぐみや青臭さがなくておいしい! ビールやレモンサワーなど、炭酸が効いた酒と一緒にどうぞ。

【材料】

・鶏もも肉 80グラム
・塩 0.5グラム
・こしょう 0.5グラム
・白醤油 0.2グラム
・紹興酒 0.2グラム
・きゅうり 適量
・粉山椒 少々

〈ソース〉
・甜麺醤 20グラム
・醤油 3グラム
・ラー油 2グラム
・黒酢 0.5グラム

【レシピ】

(1)鶏もも肉に塩、こしょう、白醤油、紹興酒で下味をつけ、10分置く。

(2)甜麺醤、醤油、ラー油、黒酢を混ぜてソースを作る。

(3)鍋に水を入れて火にかけ、沸騰したら鶏肉を入れる。表面が白くなったら火を止め、10分したら取り出す。

(4)3の鶏肉を切り、手でつぶして割いたきゅうりの上に盛り付けて2のソースをかけ、最後に山椒を振る。

本日のダンツマ達人…濵田利彦さん

▽濵田利彦(はまだ・としひこ)
 1977年、徳島県生まれ。高校卒業後に中華料理の老舗「銀座アスター」に入り、関西や首都圏の店舗で10年間、料理人として修業を積む。伊豆のオーベルジュなどでソムリエやサービスを経験したのち独立。2019年5月、学芸大学に同店をオープン。

▽ファーム・スタジオ・ニーマルサン
 誰もがオーダーする「阿波牛の四川麻婆豆腐」は、自家製豆板醤のうま味と鮮烈な山椒の刺激がクセになる一品。白子やシマチョウが入ったオリジナルメニューも外せない。もうひとつの看板メニュー「デトックス・サラダ」は、40種類以上の野菜を混ぜ合わせたもの。香りのチョイスで「山椒」を選べば、しびれる辛さが口いっぱいに広がる。阿波尾鶏、阿波匠豚と、シェフの出身地・徳島のブランド肉を使った料理も人気。

 東京都目黒区鷹番2-20-4 学大十字街ビル203

(日刊ゲンダイ2020年9月25日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

フード 新着一覧


“かえし醤油”の風味がお酒にピッタリ「そば屋のお新香」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・築地のそば屋「そば処 築地長生庵」の松本憲...
おもてなし料理にもなる「コンビーフのリエット仕立て」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・浅草のフレンチ「ガンゲット・ラ・シェーブル...
冷凍でもOK! 網で焼くだけで美味しく簡単な「焼き甘エビ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は福井市の寿司屋「昌冨ずし」の楠さんにエビが主役の...
「焼きなすとアボカドのタルタル」夏バテ防止にも効果アリ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座のフランス料理店「サロン・ド・テ アン...
お酢を使わないから野菜が甘い「トマトとタマネギのサラダ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・赤坂のアフリカ料理店「SAFARI」のワン...
いつもの冷ややっこが焼き肉のタレで大変身「辛いやっこ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は横浜の焼肉店「そうる肉食堂 承」の三原承達さんに...
生青唐辛子の風味でお酒が進む 中国・湖南料理「咸鮮辣」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・三軒茶屋の「香辣里 (シャンラーリー)」の...
余り野菜がごちそうに「季節の野菜とベーコンのキッシュ風」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は北海道・札幌の居酒屋「澤」の西澤一暢さんに、野菜...
まるでフォアグラのようなコクとうまみの「半生鶏レバー」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新宿の海鮮居酒屋「よしだ海岸」村瀬文吾さん...
「アスパラの肉巻き」今が旬の食材でおいしく疲労回復を
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・千駄ヶ谷の和食店「台楽おおた」の今井恵子さ...
薄切りだから駄菓子感覚でサクサク食べられる「レバカツ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・祐天寺のもつ焼き店「ばん」の小杉潔さんに、...
ヨーグルトと酒粕で優しい味に「イワシの味噌粕漬け焼き」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・学芸大学の居酒屋「件」の川辺輝明さんに、味...
塩気とコクで日本酒が止まらない「空豆のアンチョビー和え」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の老舗和食店「はち巻岡田」の岡田幸造さ...
酸味と香りを楽しむ「ナスと豚しゃぶの梅干しカレー」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・千駄ヶ谷のカレーバー「ヘンドリクス 」の...
揚げ焼きで野菜の食感を残す「シュリンプ・ラタトゥイユ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は横浜・野毛のビストロ「ジィーロ 」の市川路朗さん...
白子の美味しさを最大限に味わえる「タチ入りキンチャク」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は北海道・旭川の老舗居酒屋「独酌・三四郎 」の西岡...