DV夫と別れた女性が密かに傷ついている 周囲の心ない言葉3選

並木まき ライター・エディター
更新日:2019-05-27 06:00
投稿日:2019-05-27 06:00
 DV夫との離婚が成立し、前向きな気持ちで新しい人生を歩みだしている女性に、悪気がなくとも、傷つく言葉をかけてしまう人もいます。
 魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様分析を得意とする並木まきが、そんな残念すぎるフレーズを3選ご紹介します。

1:「いい人そうだったのに」

「DV夫と、半年以上の離婚調停の末に、無事に離婚が成立しました。

 ホッとした気持ちと、これからひとりで生きていかなくてはいけない気持ちとが入り混じっていたころ、近所の人と立ち話になり、離婚したことを伝えると『あら〜、残念ね。いい人そうだったのに!』と言われたのは、地味に傷つきましたね。

 子供の学区の関係で、私が結婚当時に住んでいた家に暮らし続けることになったので、近所から好奇の目を向けられるのは覚悟のうえでしたけど、それでも、そんな言い方をされたことで、なんだか私に離婚原因があるみたいじゃないの……ってイライラしました」(39歳女性/販売)

  ◇  ◇  ◇

 DV夫であっても、外ヅラのいいタイプも多いと聞きます。

 離婚の真相は当人にしかわからないだけに、離婚相手を褒めるような不用意な発言は控えたほうがスマートでしょう。

2:「でも暴力はなかったんでしょ?」

「殴る蹴るなどの肉体的暴力はないものの、経済的、精神的DVが激しかった元夫とやっとのことで離婚しました。

 友人たちに離婚を報告していたときに、ある人から『でも、暴力はなかったんでしょ? なら、踏ん張ればよかったのに』と言われたのには、正直、かなり傷つきましたね。

 そりゃあ、離婚せずに済むならそれに越したことはないですし、自分でも相当に悩んだ末の結論としての離婚だったんですから、安易にそういう言葉をかけてほしくなかったです。

 それ以来、その友人とはなんとなく疎遠になりました」(35歳女性/美容師)

  ◇  ◇  ◇

 ひと口に「DV」と言っても、肉体的に傷つける行為だけでなく、精神的・経済的に追い詰める行為など、その内容は多岐にわたります。

「暴力がないなら、我慢せよ」は、気楽に発するべき言葉ではありませんよね。

3:「でも、これからどうするの?」

「気に入らないことがあると、物置に閉じ込めたり頭から水をかけたりするサイコパスっぽいDV元夫と離婚が成立したときには、身も心もボロボロでした。

 とにかく、元夫から離れたい一心で離婚に向けて動き、なんとか結果を勝ち得た矢先、職場の人から『でも、これからどうするの?』と言われたのは、正直、かなりキツかったです。

 離婚するためにがんばってきて、まだ先のことも考えられないし、DV被害に遭っている人は、将来を考えるより前に、相手から逃げることが最優先なのに。

 心配してくれての言葉だったのかもしれないけれど、心身ともに疲れている身には、かなり堪える言葉でした」(41歳女性/翻訳)

  ◇  ◇  ◇

 DVの被害に遭っている女性の多くは、まずは相手から逃げることが先決。

 ようやくDV男から離れられた矢先に、現実を突きつけるような言葉を耳にすれば、不安を煽る引き金になっても無理はありません。

 夫からDVを受けていた女性の多くは、離婚が成立した直後には身も心も疲れ果てているケースが多いです。

 また「私はDV被害者です」と公言せずに、離婚の報告だけをする女性も少なくありません。

 そんなときに、周囲からの安易な言葉でさらに苦しめることのないよう、配慮のある態度を心がけるに越したことはないでしょう。

並木まき
記事一覧
ライター・エディター
元市議会議員・時短美容家(一般社団法人 時短美容協会・代表理事)の肩書きを有する。20代から見聞きしてきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様への分析を活かし、美容や恋愛に関するコラムを中心に、さまざまな媒体に寄稿。
Instagram公式HP

日刊ゲンダイ掲載「あの人は今」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/277865

関連キーワード

ラブ 新着一覧


やっぱり直接会わなきゃ!40代向けパーティーに潜入したら
 パソコンで婚活相手を探すのと違い、ジカ当たりできるパーティーは好感触だったので、今度は40代メーンのパーティーに参加し...
個性派気取り? パーティー会場にいた残念すぎる服の男性
 会員限定の大きなパーティーに行くと、ちょっと地味だけどマジメそうな男性がいっぱい。なぜか身長の低い人が目立ちます。 ...
会員制パーティー初参加も…アピールタイムはたったの3分
 せっかく結婚相談所に入会したのにまともな男性に会えないのでは意味がないと、今度は会員限定のパーティーにチャレンジです。...
街コンで一目惚れした福山似イケメンにドン引きした理由
 婚活中と公言すると、さまざまな経験談が耳に入るようになります。街コンに行った友人(美容業・34歳)からこんな話を聞きま...
趣味は「絵画鑑賞」 ハイソで知的なメンズだと思ったのに
 第1弾の紹介書にあった男性陣の容貌にゲンナリして、その後コンタクトを断念。新たなアクションは、会員サイトからの相手探し...
見た目が全てじゃないけど…ありのまますぎる男性陣に落胆
 16人分の紹介書が届きました。年齢は49歳6人、48歳4人、47歳2人、46歳1人、44歳2人、43歳1人。年齢50歳...
今度はどんな男性が…大手企業と契約している2社目に挑戦
 相手の写真を見るまでに時間をかけている余裕はないので、今回は、紹介資料が月に2回届くというB社に入会しました。ここは大...
“アラフォー女子”がネックなの? メール返信はまさかの1人
「会員数日本最大」の言葉に引かれて入会したA社。インターネットの会員専用画面から文字情報が気になった3人に早速アクセスし...
いざ、パートナー探し…初期投資は締めて「12万円」ナリ
 独身崖っぷち、アラフォー女性記者が果敢に(?)潜入取材した結婚相談所の生態をリポートしていきます。  1回目は...