口の中でじわ~っと広がる濃厚な肉のうま味
「『ダンツマ』っていう男らしいタイトルにぴったりだなと思って」
オーナーシェフの田口氏が目尻を下げながら教えてくれたのが、このレシピです。少ない材料をただ混ぜ合わせるだけ。疲れて帰宅したときも簡単に作れるのがありがたいですね。肉料理を得意とする田口シェフのアイデアにかかれば、瞬く間に本格派のリエットが出来ちゃうんです。
塩漬けした牛肉のうま味をギュッと詰め込んだコンビーフの缶詰。しかも、大手老舗メーカーのそれは味が完成されているため、新たに塩を加える必要もありません。他の調味料も必要最小限で済みます。
しいてコツをあげるとすれば、「マヨネーズはカロリーや糖質がオフされたものではないものを使うこと。それに、前日や朝に作り置きなどせず、食べる前に作るということぐらいかな」(田口シェフ)。
牛の生乳で作られたフロマージュブランは、やや硬めのヨーグルトのような見た目のフレッシュチーズのこと。少量カップ入りで近所のスーパーで売られているのを見かけても、実際に買い物かごに入れるのをちゅうちょした人も少なくないのでは。ですが、これほどコンビーフとマッチするなんて驚き。薄ピンク色で、見るからに食欲をそそります。口の中でじわ~っと広がる濃厚な肉のうま味と滑らかな舌触りに思わず頬が緩んでしまいますね。
【材料】
・ノザキのコンビーフ(缶詰) 1缶(100グラム)
・フロマージュブラン 大さじ2
・市販のマヨネーズ 大さじ1
・黒コショウ(粗びき) 大さじ1
【レシピ】
1. ボウルにコンビーフを入れ、フォークなどでほぐす。
2. 1に他の調味料をすべて入れ、空気を含ませないようにゴムベラなどで混ぜ合わせる。
3. 2を器に盛り、ピクルスとフレンチマスタードとパン(分量外)を添え、黒コショウを引いて出来上がり。
本日のダンツマ達人…田口昌徳さん
▽たぐち・まさのり
広島出身のカープファン。今はなき東京・本郷の一軒家フレンチ「ル・リス・ダン・ラ・バレ」などで修業したのち、31歳で独立。95年に同じ西浅草エリアでフランス料理店「ラ・シェーブル」を開業して以降、2000年には焼き鳥店「萬鳥」をオープン。当時は珍しかった焼き鳥にワインを合わせるスタイルを提供した先駆けだ。現在は一本化し、これまでの集大成ともいえる気軽でおいしいワインと料理を出す食堂スタイルで、オープンキッチンで熟練の腕前を振るう。特に鳥料理はシェフの真骨頂、「ひな鳥の半身揚げ」は必ずオーダーしたい。
▼ガンゲット・ラ・シェーブル
国際通りから一本入った下町情緒ある区画にあるワイン好きのグルマンたちが集う店。信頼するインポーターから仕入れるワインは充実のラインアップ。グラス、カラフェ、ボトルで楽しめる。
東京都台東区西浅草2―2―13
℡03・3845・4430
営業時間 昼飲み愛好者にはたまらない、14~23時まで通し営業 火曜・第2水曜休
(日刊ゲンダイ2018年7月18日付記事を再編集)
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