“かえし醤油”の風味がお酒にピッタリ「そば屋のお新香」

コクハク編集部
更新日:2019-06-16 05:54
投稿日:2019-06-07 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・築地のそば屋「そば処 築地長生庵」の松本憲明さんに漬けるだけで手間いらずな「そば屋のお新香」のレシピを教えていただきました。

かえしで漬けたパンチ力

 その名もズバリ「そば屋のお新香(しんこ)」です。今回も「そば屋」とうたうからには使うのはもちろん……。

「そう、『かえし醤油』です。野菜を一口大に切ったら、かえしに漬けて1日置くだけ。今回はキュウリ、大根、カブ、ミョウガ、ナス、ニンジンを使いました。野菜は生で食べられるものなら、何でもいけます。長芋なんかもいいですね」

 塩もみなどの手間は一切必要ありません。松本さんが言うように、野菜を切ったら、漬けるだけ。ジップロックなどの密閉袋がオススメです。洗い物が減るし、出来上がったお新香をつまんだあとのオマケにも都合がいいのです。

「そうですね。野菜を取り出したら、残った汁を万能調味料として使えますので。かえし醤油に野菜から染み出した水分がうま味になる。例えば、野菜炒めを作る際、醤油代わりにこの漬け汁を使ってみてください。一味違った炒め物ができます」

 気を付けたいのは漬け込む時間だけ。松本さんは「丸1日までにしてください。それ以上だと塩味が強くなりすぎます」と言うが、塩分が気になる人はもう少し浅く漬けてもいいかも。

 ほんのり色づいたお新香は、ぬか漬けとも浅漬けとも違う、パンチの効いた酒のアテになります。

【材料】

・野菜(生で食べられるものなら何でもOK)
・かえし醤油   適量
※かえし醤油の作り方
・醤油 500㏄
・みりん 100㏄
・砂糖 150グラム

 鍋にみりんを入れて強火で沸騰させ、アルコール分を飛ばす。弱火にして砂糖を入れ、よく溶かしたら醤油を加えて1日寝かす。

【レシピ】

1. 野菜を写真のような一口大に切る。
2. 切った野菜をかえし醤油に漬け、冷蔵庫で1日置いたら完成。

本日のダンツマ達人…松本憲明さん

▽まつもと・のりあき
 築地生まれ築地育ち。大手レコード会社に所属した過去を持つ、ロックバンドの元ドラマー。メジャーデビューを約束されながら、そば職人に転身。初代であり父でもある故・好生さんの下で修業を始め、現在は母の照代さん、兄の聰一郎さんと店を切り盛りする。

▼そば処 築地長生庵
 築地場外市場の行列の絶えない人気そば店。初代が考案した店の看板メニューである「冷やし鴨南蛮」をはじめとするそばはもちろん、新鮮な素材と工夫を凝らしたツマミも豊富でファン多数。「ここの魚、特にマグロは銀座の高級寿司屋にも負けねえよ」とは常連の市場関係者である。
中央区築地4―14―1 モンテベルデ築地101
℡03・3541・8308

(日刊ゲンダイ2018年7月25日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

フード 新着一覧


「冷しゃぶのさっぱり野菜ソースがけ」簡単なのにひと手間感
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・八丁堀の「串粋」の吉田正則さんに、ソースが...
デニーズの新モーニング、気配りがニクい!味・ビジュ・コスパの三方良し
 一日の計は朝ごはんにあり! 3月5日に、メニューの改定が行われたデニーズでヘルシー&おしゃれなモーニングを見つけました...
ファミマのPBと「神の雫」が合体!“名ばかりワイン”か否か購入ルポ
 フリーアナウンサーの市野瀬瞳です。ワイン好きが高じて猛勉強の末、ワインエキスパートと世界共通のワインの国際資格である「...
市野瀬瞳 2024-04-10 06:00 フード
スープも絶品「3種の貝のビール蒸し」いろんな銘柄でお試しあれ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・茅場町の「ギョバー茅場町店」の菊地博さんと...
「パルミジャーノサブレ」おなじみの粉チーズが簡単おしゃれに変身!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は京都・梅小路京都西の「西洋茶屋 山本」の山本智弘...
「紫キャベツのアチャール」はスピードが命!クミンシードで酒が進む
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・茅場町の「ギョバー茅場町店」の菊地博さんと...
“パン賢者”木南晴夏さんイチ押しの「キャロットケーキ」にありつけた!
 パン好きな女優といえば、木南晴夏さん。木南さんイチ押しの“神奈川NO.1店のキャロットケーキ”にありつく日を虎視眈々と...
“おいしくない”ペットボトルワインが進化していた!アレンジもご紹介♡
 フリーアナウンサーの市野瀬瞳です。ワイン好きが高じて猛勉強の末、ワインエキスパートと世界共通のワインの国際資格である「...
市野瀬瞳 2024-03-27 06:00 フード
山形県民の常備ソウルフード「味染み玉こんにゃく」はあたりめがマスト!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・下北沢の「大衆酒場 こみじ」の天津真弓さん...
これぞ正真正銘のジンジャーライス! ショウガ好きも満足させる唯一のコツ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・芝大門の「都映」の水谷大輔さんに、This...
ベトナムの定番「茹でキャベツ×茹で卵のヌックマムだれ添え」はヘビロテ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・浅草の「ベトナム料理★ビストロ オーセンテ...
KALDIのいちごスイーツALL500円以下!春満喫、レジ前まで気が抜けん
 まだまだ寒い日もありますが、ふいに花の香りが漂ったり、日の長さにハッとしたりと、着々と春が近づいてきているのを実感しま...
春満喫!KALDIで発見♡“お花見”ロゼワイン、1000円以下のお手頃価格
 フリーアナウンサーの市野瀬瞳です。ワイン好きが高じて猛勉強の末、ワインエキスパートと世界共通のワインの国際資格である「...
市野瀬瞳 2024-03-18 18:14 フード
安いお肉が…!「鶏むね肉の酒蒸し」ぱさぱさ回避、しっとりのコツは余熱
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・下北沢の「大衆酒場 こみじ」の天津真弓さん...
「ファミマのPB赤」が高級すぎる、ローソンの爆バズりワインより凄い!
 フリーアナウンサーの市野瀬瞳です。ワイン好きが高じて猛勉強の末、ワインエキスパートと世界共通のワインの国際資格である「...
市野瀬瞳 2024-02-28 06:00 フード
うま味爆弾!のりの佃煮バターパスタ。ズボラ飯こそ最強!!
「爆速レシピクリエイター」およねさんが考案する《最小限の工程で》《最低限の洗い物で》作れる、まんぷく連載「およねの爆速!...
およね 2024-02-26 06:00 フード