4. 膣のひきつれには漢方薬もおすすめ
膣のひきつれに伴う違和感や痛みといった症状には、漢方薬でからだの内側からアプローチするのもおすすめです。
更年期の不調は、漢方薬が得意とする分野で、婦人科などでも処方されています。
膣の痛みや違和感の原因は、ホルモンバランスの乱れや膣の粘膜への血流不足などと考えられています。
デリケートゾーンの痛みや違和感に対しては、
・女性ホルモンのバランスを整える
・水分の循環をよくして膣にうるおいを与える
・血流をよくして膣に栄養を届け、膣粘膜の働きを回復させる
といった働きのある生薬を含む漢方薬を選び、根本改善を目指します。
漢方薬は自然由来の生薬の組み合わせによって、血流を改善し、膣に栄養や酸素を運ぶことで機能を回復することを得意としています。
意識した食事や日々の膣ケアを毎日続けるのは苦手という方も、症状や体質に合った漢方薬を毎日飲むだけなので、手間なく気軽に継続できます。
それでは、膣のひきつれをはじめとする膣のトラブルに悩む女性におすすめの漢方薬をご紹介します。
<膣のトラブルに悩む女性におすすめの漢方薬>
・当帰飲子(とうきいんし):体力中等度以下で、冷え症の方にかゆみを抑える生薬や、うるおいを保つ生薬などの成分で構成され、更年期に不足しがちな「血(けつ)」(栄養)を補います。乾燥による湿疹や皮膚炎などにも使われます。
・八味地黄丸(はちみじおうがん):体力中等度以下で、疲れやすい方にからだを温め、うるおいを補う生薬で構成され、主に加齢による下半身の機能低下を改善します。冷えや泌尿器系のトラブルにも使われます。
・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):体力虚弱で、からだが冷えやすい方に「血(けつ)」の不足を補い、血行をよくして水分代謝を整えることで膣に栄養を届け、バランスを整えます。
ただし、漢方薬を選ぶ際には自分の体質に合ったものを選ぶことが大切です。体質に合っていない場合は、効果が出ないだけでなく、副作用が起きることもあります。
購入時には、できる限り漢方に精通した医師、薬剤師等にご相談ください。
5. 膣トラブルは我慢しない!
必死にメモを取るまどかさんを見つめながら、えりのボスはつけ加えます。
「不規則な生活、無理なダイエット、ストレスといった、乱れた生活習慣からでもホルモンバランスは影響を受けるのよ」
「そうなんですね……。年齢のせいにせず、セルフケアや日々の心がけで解決できることはありそうです」
「定期的に健診を受けることも忘れずに」
「はい!」
明るく頷き、笑顔でサロンを後にしたまどかさん。
「また気になることがあったら、サロンへいらっしゃい」
えりのボスは、笑顔のまどかさんに優しく手を振りました。
★サロン「コクハク」のオーナー えりの
顔と口調は若いものの、年齢不詳。タヌキか妖怪の噂も囁かれる謎めいた主人だが、ココロやカラダ、健康に関する知識はズバ抜けており、何気にハイスペック。ムスメ時代に苦労してるため、自分より“後輩”の女にはしあわせになって欲しいと願っている。愛称は、えりのボス。
(漫画/腹肉ツヤ子)
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<この記事の監修者>
あんしん漢方薬剤師 中田 早苗(なかだ・さなえ)
デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-youtubeチャンネルでは、お薬最適化薬剤師として「無駄な服薬はお財布と体の敵!」をモットーに薬の最適な選び方を解説する動画を公開中。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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