閉店後にニョッ?
まだコロナが流行る前のこと、明日発売の雑誌を閉店後の店内に並べていると、横にいた上司の口元が「変なおじさん」みたいに変色していてギョッとしたことがある。
出勤前に剃った髭が徐々に伸びてきた、と頭では解(わか)るのだが、何らかのタイミング、たとえば閉店時間を迎えた途端、突然ニョッと生え揃ったかのように見えたのだ。
陰毛もつるつるから毛抜きで掴めるまでに
たった一日剃らないだけでも、髭の濃い男性は人相が大きく変わるが、それは私の陰毛も同じである。
ストリップの公演は基本的に1日4回で、1回目が正午だとしたら、4回目の出番は夜の8時を過ぎる。朝つるつるのパイパンでも、最終回の前にハッと見れば、毛抜きで掴めるほど伸びている。
男性用髭剃りで陰毛処理をしていたが…
肌に優しかろうと、男性用髭剃りで陰毛を剃っていたが、出番前に慌てて剃って出血したことを機に、思い切って「陰毛専用の電動シェイバー」を購入した。
ロコミで評価が高かったものを取り寄せたが、髭剃りよりだいぶヘッドが小さい。パイパンを想定したものではなく、あくまでもパンツからはみ出る毛を整えるためのものなのだろう。
私の用途では、歯全体を歯間ブラシで磨いているようで、非常に時間がかかる。しかも肌を傷付けないための優しい設計で、一度当てるだけでは剃り切れず、何度もコシコシとなでる必要があった。
ただ、仕上がりは剃刀の比ではない。濡らしたり、石鹸の泡を付けたりする必要もないので、部屋でじっくり、曇らない鏡に映して剃ることができる。しかしそうすると、気になって仕方がないことがあった。
剃った毛は一体どこへ行ったのだろう?
毛を溜め込む場所は「ない」
一昔前、図書カードはQRコードを読み取るのではなく、テレホンカードのように小さい穴が空く仕様だった。その胡麻より小さな丸は、どこへ行くのか。ある日その丸が、図書カードリーダーの脇から大量にこぼれ落ちていて、小さな引き出しを引くと、色とりどりのつぶつぶで満タンになっていた。
ここから適宜、粒を回収しなければならなかったのだ。しかしシェイバーはどこを探しても、毛を溜め込む場所がない。つまり陰毛はしれっと床にまき散らされている。自分の部屋ならまだしも、楽屋で使うのはマナー違反だろう。
そこで私は、最終回の出番前に、楽屋の風呂場でシェイバーを使うことにした。
新井さんは楽屋の風呂場でしているの?
ストリップでは時折、ショーとしてオナニーをすることがあり、楽屋にバイブレーターやピンクローターが転がっていても、ああ小道具か、と誰も驚かない。
しかし、それはステージの上でだけ使うものだ。長いこと風呂場に籠ってブーブー音を鳴らし、出てきたと思えば、股間が赤く腫れている。頭を逆さにして股間をのぞき込んでいたため、顔面は血が上って紅潮。これでは、あらぬ疑いをかけられる。
ストリップ歴3年ともなれば、銭湯でパイパンを晒すことなど屁でもないが、楽屋の風呂場でオナニーをしていると思われるのは死ぬほど耐え難いのである。(してません!!)
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