中はレアがポイント
普通はマグロを使いますが、今回、伊東さんはカツオをチョイス。そのワケを尋ねると、
「自宅でつくるわけだから、より手頃の方がいいでしょ。スーパーに行けば、100グラム200円前後で並んでますからね。皮目を焼いて、タタキの状態で売っているものを使ってもいい。香ばしさが味になります。もちろん、マグロやブリを使ってもうまいんですが、サッパリ食べるならカツオ。辛口の日本酒が進むでしょ?」
カツオと言えばやはり高知ですよね。女将さんが用意してくれた高知の地酒、司牡丹の船中八策が止まりません。身を口に入れると中はほんのり赤いきれいなレアの状態。これがポイントとのこと。
「そう、煮すぎないのがコツです。沸騰しただしにカツオとネギを入れ、再沸騰したら、すぐに火を止める。ここで、きれいにアクを取るのが2つ目のコツ。難しいことは何もありません」
火を入れすぎて身をパサパサにしてしまってはこのツマミの良さは半減してしまいます。さっと火を通した白ネギもまた美味しく、お酒がするすると進みます。
【材料】
・カツオ(刺し身用また はタタキ) 250グラム
・白ネギ 2本
・ユズの皮 適量
・だし 500㏄
・薄口醤油 100㏄
・酒 100㏄
【レシピ】
1. カツオの刺し身を1・5センチの厚さに、ネギを3センチ幅に切る。
2. 鍋に、だしと調味料を入れて沸かし、カツオとネギを入れる。
3. 再び沸いたら、火を止め、丁寧にアクを取る。
4. 盛り付けて、ユズの皮の千切りを散らして完成。
本日のダンツマ達人…伊東純司さん
▽いとう・じゅんじ
1968年、兵庫県神戸市生まれ。中学卒業後に16歳で神戸の老舗料亭「山三ツ輪」(閉店)で修業を始め、寿司職人に転じて関西で14年、関東で16年、有名店のツケ場に立って研さんを積んだ。2015年に独立。東西の寿司文化に精通し、各界著名人のファンも多い。
▼すしのぶ
15年にオープン。料理は1万8000円(おつまみ8品、握り10カン、巻き物1本)のおまかせのみだが、事前に相談すれば柔軟に対応してくれる。自慢の穴子の握りは、ツメの代わりに10年物の奈良漬をのせ、それを海苔でクルッと巻く。伊東さんのセンスとアイデアがあふれた、店のスペシャリテだ。
東京都中央区銀座8―7―20 belle銀座Ⅲ 5階
℡03・6254・5055
(日刊ゲンダイ2018年11月1日付記事を再編集)
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