ドイツはワインの宝庫!カルディで1000円台前半で買える“神旨”ゼクト

市野瀬瞳 フリーアナウンサー
更新日:2023-12-13 06:00
投稿日:2023-12-13 06:00

ドイツは世界北限のブドウ産地!

 北海道よりも寒い世界北限のブドウ産地、ドイツ。今ここで造られるワインが、地球温暖化の中、ワインラバーたちに注目されています。

 実際にドイツワインの日本への輸出が伸びているのは品質の高さが知られるようになったから。

 今回は、10年先20年先と気候変動に対応しながら今後ますます高品質化が進み、世界から大注目されるであろうドイツワインの世界へ、「ドイツワインケナー」でもあるわたくし、市野瀬がご案内しましょう♪

甘口ワインが主流だったのは昔の話

「そもそもドイツワインは甘口ワインだけ!」

 な~んて思っていませんか!? たしかにかつては安価な甘口白ワインが一世を風靡し、世界中のワインビギナーに愛されていました(聖母マリアさまが描かれたエチケットのワイン「リープフラウミルヒ」を昔よく飲んだ! という方もいらっしゃるのでは…?)。

 ドイツワインの大半が甘口だった1980年代以降、世界市場の嗜好が甘口から辛口へとシフトし、大量生産のドイツの甘口ワインは「なんの風味もない砂糖水」なんてバカにされるまでに…。

 それからというもの、ドイツのワイン生産者の多くが高品質な辛口のワイン造りに精を出し、今では辛口と半辛口が生産量全体の約7割を占めています。

 さらに地球温暖化で以前より熟したブドウが収穫できるようになったので、辛口に仕立てても味のバランスが取りやすくなったことも影響しているかと。

 ビールのイメージが強いドイツですが、ワイン界でも超重要。ドイツは、世界に類のないワインの宝庫なんです!

 その理由はブドウ栽培可能地域の北限というだけではなく、

・ドイツ国内13の地域で造られるワインの種類が超多彩
・他国であまり行われていない高度な生産技術
・驚くほど急斜面のブドウ畑
・白ワインの女王である高貴品種・リースリングの一大産地 等

ドイツ人は世界一“泡”が好き

 他にもいくつか理由はあるのですが、今日は以下に注目していただきたい。

「ドイツ人は世界一“泡”好き!」

 なんとドイツは、一人あたりのスパークリングワイン(ドイツでは「ゼクト」と呼びます)の消費量が世界一なんです!

 ドイツは年間で4億本以上のゼクトが消費されていますが、これは全世界で生産される約20億本のスパークリングワインのうち、約5分の1の数(凄っ!)。ビール好きなドイツ人たちはワインの“泡”もこよなく愛しているんですね~。

カルディで購入したやや辛口の“神旨”ゼスト

 ということで今回のおすすめは、ドイツの泡『Riesling Extra Dry SPARKLING(ジョセフ・ドラーテン リースリング・スパークリング エクストラ・ドライ)』です。

 750mlをひとりで一晩で飲み切ってしまったくらい私好みのこちらは、KALDIで税込1276円で購入しました。

 ドイツで生産されている低価格帯のゼクトは、主に南欧から輸入したベースワインを使って造られます。大きなタンクの中で二次発酵させるので均一のゼクトが大量生産でき、コストが安くすみます。

 ちなみに…。

 今回の1本はリースリング種を使用していますが、通常ドイツのリースリング種を使うと高価格になってしまうので、外国から輸入のリースリング種を使っているハズ!

スイスイ飲めちゃう危険なやつ(笑)

 グラスに注ぐと輝きのあるレモンイエロー色。シュワシュワと細かな気泡が立ち上り、花の蜜や熟した青リンゴ、洋梨、白桃など華やかで甘やかな香りを放ちます。

 やや辛口のはずですが、口当たりの柔らかさと酸味の穏やかさが重なって全体的に柔らかく丸い印象。繊細な泡は口中で主張しすぎずスムースに喉を通っていくので、スイスイ飲んじゃうくらい心地良い味わいです。

 この日の私みたくドイツ人たちは日々泡を楽しんでいるのでしょう♡

 温暖化の今では大変貴重な、清涼感ある本格的な辛口ワインを生み出せる大注目の産地。これまであまり興味がなかったアナタ様も、是非このおいしすぎる泡でドイツワインに興味を持っていただけるといいな♪

※本文内のワイン価格等は著者購入時のデータとなります。

市野瀬瞳
記事一覧
フリーアナウンサー
1984年12月25日新潟県生まれ。横浜国立大学在学中、女子大生リポーターとしてテレビデビュー。大学卒業後、NST新潟総合テレビの局アナになり、2012年に中京テレビに移籍。2020年にフリーアナウンサーになる。ラジオのレギュラー出演をはじめ、2021年には日本テレビ「踊る!さんま御殿!」に出演し話題となった。

2021年10月にJ.S.A.認定ワインエキスパートの資格を取得。2022年7月にはワイン国際資格であるWSET(Wine & Spirit Education Trust)Level 3に合格。2021年11月、日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会認定の「唎酒師」、2022年10月、ドイツワインケナー、日本酒と焼酎の知識に特化した「J.S.A.認定SAKE DIPLOMA」、2023年1月に「NAPA VALLEY WINE EXPERT」、2023年2月「J.S.A.ワイン検定認定講師」、2023年4月「日本ワインアドバイザー」を取得。

現在、東海ラジオ「Saturday Flavor」、MBSラジオ「クリス松村のザ・ヒットスタジオ」のレギュラー、テレビCM「みどり法務事務所」に出演中。

XInstagramYouTubeオフィシャルブログ事務所HP

関連キーワード

フード 新着一覧


5分炊くだけでほっこり「水ナスのぬか漬けと桜エビの煮物」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は埼玉県・浦和の懐石料理「日に日に新」の木下泰司さ...
「かすべのレモンソース」ひと手間で軟骨がぐっと柔らかく
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は北海道・小樽のロードレストラン「シルフィード」の...
朝仕込んでおけば夜は焼くだけ「鶏モモ肉のソテー香草風味」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は大阪・福島のフランス料理店「ミチノ・ル・トゥール...
コンビニのサラダチキンでお手軽ヘルシー「蒸し鶏のマリネ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・西荻窪の創作居酒屋「じんから」の堅谷博さん...
お手軽な「ムサカ」 クミンシードでエキゾチックな味わいに
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・外苑前のワインビストロ「アミニマ」の阿部真...
“かえし醤油”の風味がお酒にピッタリ「そば屋のお新香」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・築地のそば屋「そば処 築地長生庵」の松本憲...
おもてなし料理にもなる「コンビーフのリエット仕立て」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・浅草のフレンチ「ガンゲット・ラ・シェーブル...
冷凍でもOK! 網で焼くだけで美味しく簡単な「焼き甘エビ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は福井市の寿司屋「昌冨ずし」の楠さんにエビが主役の...
「焼きなすとアボカドのタルタル」夏バテ防止にも効果アリ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座のフランス料理店「サロン・ド・テ アン...
お酢を使わないから野菜が甘い「トマトとタマネギのサラダ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・赤坂のアフリカ料理店「SAFARI」のワン...
いつもの冷ややっこが焼き肉のタレで大変身「辛いやっこ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は横浜の焼肉店「そうる肉食堂 承」の三原承達さんに...
生青唐辛子の風味でお酒が進む 中国・湖南料理「咸鮮辣」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・三軒茶屋の「香辣里 (シャンラーリー)」の...
余り野菜がごちそうに「季節の野菜とベーコンのキッシュ風」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は北海道・札幌の居酒屋「澤」の西澤一暢さんに、野菜...
まるでフォアグラのようなコクとうまみの「半生鶏レバー」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新宿の海鮮居酒屋「よしだ海岸」村瀬文吾さん...
「アスパラの肉巻き」今が旬の食材でおいしく疲労回復を
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・千駄ヶ谷の和食店「台楽おおた」の今井恵子さ...
薄切りだから駄菓子感覚でサクサク食べられる「レバカツ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・祐天寺のもつ焼き店「ばん」の小杉潔さんに、...