何の負担もないはず
全ての画像を見る「まぁ、夜の夫婦生活は、もう10年くらいご無沙汰ですけどね。
そこは今回の件とは関係なく、お互いに子づくりに興味がなかったからっていうだけの話です。
ウチは食事も基本的には別々だし、夫婦で何かをするっていう感じでもないから、結婚を続けていても、朋花にとっては特に負担はないはずなんですけどね。
それなのに、今になって『離婚したい』ってさかんに言うものだから、面食らっていますよ」
ヒデユキさんは、今回の朋花さんからの離婚の申し出は、できれば波風を立てずに穏便に収めたいと考えているとのこと。
ですが、朋花さんがなかなか折れてくれないために、だんだんと苛立ちも募っているそうです。
老後の独り身は不便だから
「いったい何が不満なんだと、怒鳴ってやりたい気分ですよ。
家のこともしないでいいし、食事だって作らなくていい。夜の生活だってしなくていいんだから、普通に考えて妻になんの負担もないでしょう？
同じ屋根の下で暮らしているだけで、まるで独身のような生活を楽しめる環境にいるのに『離婚したい』だなんて、バチが当たりますよ！
世の中には、もっと大変な結婚生活を送っている女性がたくさんいるのに、朋花は自分が恵まれている環境にいるってことが、全くわかっていないんじゃないですかね？
俺は絶対に、こんなことでは離婚をしませんよ。ここで離婚をしてしまったら、そのあとまた別の人と再婚をするのも大変じゃないですか。
俺は、独り身で老後を迎えるつもりはないですから。朋花の要求は、断固として突っぱねなくてはいけないって覚悟を決めています。
え？なんで老後の独り身を避けたいかって？ …そりゃあ自分の世話をしてくれる人がいないと、不便だからに決まっているじゃないですか」
恋人同士であれ、夫婦であれ、100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。
まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。
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コクハク編集部 
