「セックスは心でするもの…」乳房、卵巣を失った人妻の甘美な気付き #5

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2024-03-01 06:00
投稿日:2024-03-01 06:00

セカンドパートナーを求める不動産会社の経営者

 私たちはテーブル席でL字に座りました。

――あの…私で大丈夫でしょうか?

 開口一番、私は彼に聞きました。むろん『異性として合格か?』どうかです。

――もちろん、僕にはもったいないくらいです。

――よかった。安心しました。お写真ナシでOKとのことでしたから、正直ドキドキだったんです。

――そうでしたか。実は女性は写真を加工している方も多いので、あえて写真ナシでお会いするようにしているんです。

 その口調から『写真と実物が違う』と残念な思いをしたのかな? とも感じたんです。

 その後、アフタヌーンティーを頼み、スイーツと紅茶をいただきながら、互いのことを話しました。

 彼は3代続く不動産会社の経営者。奥さまは歯科医で、子供を作ることを望まず、次第に夫婦の溝が深まって既婚者の出会い系サイトに登録したとのことでした。

 ハイスペックなご夫婦なのに、セカンドパートナーを求める現実に驚きましたね。

 私自身も『不倫7年の彼との別れをきっかけに、既婚者マッチングサイトに登録したこと。家庭を壊すつもりはないけれど、日々の生活に潤いと癒しが欲しい』と、プロフィール通り伝えると、

――香織さんも旦那さんと別居なんですよね?

 そう質問されたんです。

癒しあえるセカンドパートナーには出会えず…

――はい…別居です。息子も独立して完全に一人暮らしですね。家賃は主人が支払ってくれています。

――このサイトに登録して、どれくらいでしょうか?

――1カ月も経っていません。出会い系サイトは初めてです。

――どなたか、素敵な方は見つかりました?

 一瞬、答えに迷いましたが、

――いいえ…お会いしたのはタカさんが初めてです。

 純也さんの件は伏せました。すると、

――ありがとうございます。立ち入ったことを聞いてしまって申し訳ありません。

 タカさんは恐縮しました。そして、自身のことを語ってくれたんです。

 入会したのは3カ月前。4名の女性と初顔合わせをしたけれど、うち2人は『パパ活』目的で金銭的援助を持ちかけられ、もう1人は『セフレ』目的。

 最後の1人は『夫と離婚したいので、私をあなたの自宅に住まわせて欲しい。タカさんも奥さんと離婚して』と迫って来たそうで…。

 心地いい距離感で癒しあえるセカンドパートナーとは程遠かったと…図々しい女性もいるのだと驚きました。だからこそ、私にも確認したのでしょうね」

蒼井凜花
記事一覧
官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
オフィシャルサイトYouTube

関連キーワード

エロコク 新着一覧


男女に聞いた「女性のアンダーヘア事情」どこまで処理する?
 女性のみなさん、アンダーヘア、つまり陰毛の処理はどのようになさっているでしょうか。  10年くらい前まではみんな...
アブノーマルプレイ初心者へ…細いボディーが優秀な相棒に
 コスメブランドが1シーズンに数種類のカラーの口紅を出すように、ラブグッズの世界にもシリーズ展開しているブランドがありま...
桃子 2019-11-12 04:43 エロコク
3Aを求める他力本願な自己実現女が騙される救世主男子よ
 わたしとひろしの48歳差の激しすぎる恋――男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものなのか。ホットなイッ...
“ママ活”マンガ 男性用と女性用を読み比べたら全然違った
「ママ活」という言葉が盛んに使われるようになったのは、2018年後半頃から。そこから半年ほどを経て、いよいよ「ママ活」を...
内藤みか 2020-05-20 11:23 エロコク
女性器リノベに投資する女たち#2…小陰唇縮小術の費用と中身
 日々鏡で顔を見ない女性はほとんどいないと思いますが、「自分のアソコを毎日見てチェックしている」という女性もまたほとんど...
内蔵されている“舌”が高速で…あっという間に昇天してしまう
 今年一番、勢いのあるメーカーといわれているのが「P×P×P」。ポップなデザイン&パッケージとお手軽価格とで、ネットショ...
桃子 2019-11-12 04:43 エロコク
全SNS利用者が読むべき太宰治に学ぶ【恥】リスクヘッジとは?
 48歳差の激しすぎる恋――男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものなのか。ホットなイットボーイというよ...
女性器リノベに投資する女たち#1…最も多い“小陰唇”の悩み
 20~40代のOLのうち60%近くの女性が、自分の性器の形状にコンプレックスを感じている、という出版社の調査がありまし...
じんわり穏やかな快感…欧米で流行の“あてがう系”ローター
 一見するとPC用品? 昨今のラブグッズは“いかにも”なものがどんどん減っていますが、これはその中でも群を抜いてグッズら...
桃子 2019-11-12 04:42 エロコク
プラトンで分かる 2500年ぶりに令和に蘇った【エロス】とは
 わたしとひろしの48歳差の激しすぎる恋。男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものなのか。ホットなイット...
男心の大事なポイントは「アダルトビデオ」が教えてくれます
 映画観放題の動画配信サービスはいくつもありますが、実はアダルトビデオ観放題の配信サービスも存在しています。なかには月額...
内藤みか 2019-07-18 06:00 エロコク
“セックスをすると綺麗になる”は本当か? 理学療法士が検証
「セックスをすると綺麗になる」そんな話を耳にしたことはないでしょうか。実際のところどうなのか、なぜ綺麗になるといわれるの...
山本茜 2019-08-14 16:06 エロコク
気づけば奥にまで…初めての女性にもオススメな“植物的”形状
 ずっと以前に読んだ官能小説で、女性主人公が常夏の異国で出会った年下男性の“彼自身”について、「細長くて、植物のような」...
桃子 2019-11-12 04:42 エロコク
蜜月編<2>言いまつがい【滑舌悪いVS耳遠い】頂上決戦
 わたしとひろし(非仮名w)の48歳差の激しすぎる恋――男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものなのか。...
自意識を吹き飛ばす シャイな女性が目覚めた“見られる”快感
 あなたは、どういった性の願望を抱いていて、ひそかに何をしたい/されたいと願っていますか。自分の性癖の形を知れば、もっと...
大泉りか 2019-07-11 18:00 エロコク
彼を恋の虜に…男性を100%本気にさせる「スンドメ」の美学
 皆さん、今少し気になっている男性はいらっしゃいますか? 願わくば、気になっている男性に振り向いて欲しいと思うのが女心だ...