別れた娘への見栄のために、なぜ俺が? 妻の「もっと稼げ」アピに鼻白む40歳男性

並木まき ライター・エディター
更新日:2024-10-26 06:00
投稿日:2024-10-26 06:00

妻の劣等感はわかるけど

「でもね俺、今の生活が気に入っているんですよ! だから奈緒が不満を持っていたとしても、生活を変える気なんて、これっぽっちもありません。

 バリバリ働くのは俺の性分には合わないし、貧乏でも普通に暮らせていれば、それで満足なんですよ!

 奈緒はバツイチで、前の旦那さんのところに娘がいるんですけど、彼らは結構いい暮らしをしているっぽいですね。

 だから奈緒が娘の生活と自分を比べて、惨めな気持ちになっているんだろうな〜っていうのは想像できます。

 でも、だからといって俺らも裕福になるために頑張ろうぜ! というのは、別の話ですよね。だって他人の家庭だし」

 奈緒さんが娘に抱いている劣等感を「理解はしている」と強調するヒデキさん。

 しかし奈緒さんがよその家庭と自分の家を比べて落ち込む姿に、同情よりも不快感が湧いてきます。

今の生活に満足なのに

「被害者ヅラって感じ? ですかね?

 嘆いたって仕方ないのに、奈緒は夢見過ぎなんですよ。それで勝手に落ち込んでいるように見えるから、イラっとするんです。

 俺らは似たもの同士。20代からロクに仕事もしてこなかったからキャリアもない。今さら頑張ったってタカが知れているでしょ。

 だから俺は今の生活に満足なんです。な〜んの不満もありません。

 奈緒が娘に対して恥ずかしいって思うなら、もう娘と会わないようにすればいいだけじゃないですか? 娘だってもう中学生になるし、あっちには新しいママだっているんだから。

 もう割り切って、あちらの家庭に子育ては任せればいいんですよ。

 自分で育てていないくせに娘には“ちゃんとした母親”に見られたいんでしょう。とんだ見栄っ張りですよね。そんなくだらない欲があるから落ち込むんじゃないですかね?

 少なくとも俺は、奈緒の見栄のために、仕事を増やす気はありません」

  ◇  ◇  ◇

 恋人同士であれ、夫婦であれ100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。

 まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。

並木まき
記事一覧
ライター・エディター
元市議会議員・時短美容家(一般社団法人 時短美容協会・代表理事)の肩書きを有する。20代から見聞きしてきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様への分析を活かし、美容や恋愛に関するコラムを中心に、さまざまな媒体に寄稿。
Instagram公式HP

日刊ゲンダイ掲載「あの人は今」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/277865

関連キーワード

ラブ 新着一覧


結婚相談所に初登録!“婚活スイッチ”が入ったまさかの一言
「何歳からでも夫婦になるのは遅くない」とお伝えする本連載。インタビュアー・内埜(うちの)さくらが、40歳以上で結婚した男...
内埜さくら 2021-06-15 09:11 ラブ
スメハラは恋人しか気づけない? 100年の恋も冷めるニオイ話
 どんなに顔が好きでも、性格が合っていても。そのすべてを凌駕して恋愛関係を終わらせるものがあります。100年の恋も冷める...
ミクニシオリ 2021-06-08 06:00 ラブ
冷たい態度をとる男性に秘められた5つの心理&対処方法
 好意を抱いている男性から冷たくされると、ショックですよね。勇気を出してアプローチしたのにそっけない態度をとられたら、「...
恋バナ調査隊 2021-06-07 06:00 ラブ
腐れ縁からの結婚ってあり…?見極めておくべき7つのポイント
 長く交際している彼氏がいる人の中には、別れては復縁を繰り返している人もいれば、“長い春”のように交際が続いている人もい...
恋バナ調査隊 2021-06-06 06:00 ラブ
よりを戻してほしいのに…元恋人のために離婚した女性の焦燥
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2021-06-05 06:10 ラブ
こんなことになるとは…元カノの離婚に頭を抱える男性の弁明
「冷酷と激情のあいだvol.41〜女性編〜」では、元カレへの気持ちが再燃し離婚をした女性・Jさんの困惑をご紹介しました。...
並木まき 2021-06-05 06:14 ラブ
「ご飯は簡単でいいよ」…夫の無神経発言にイラ立つ妻の本音
 男女問題研究家の山崎世美子(せみこ)です。コロナ渦の緊急事態宣言や蔓延防止措置などにより、「自宅で毎日食事をとることで...
山崎世美子 2021-06-05 06:00 ラブ
学歴なんて関係ない! 東大卒男性が1年追い求めた奥様の魅力
 言わずもがな日本一の秀才が集結している東京大学出身の男性は、どんな女性と結婚したいと考え、どんな女性を伴侶として迎える...
田中絵音 2021-06-04 06:00 ラブ
他人事じゃない!?不倫をする女性の7つの特徴&始める心理
 ドロドロした不倫なんて、小説やドラマの中の出来事……そう思う人もいるかもしれませんね。でも、昨今、不倫報道で賑わう芸能...
リタ・トーコ 2021-06-04 06:00 ラブ
コロナ禍で明暗クッキリ…結婚できる人と別れる人の違いとは
 長引くコロナ禍、そして緊急事態宣言やまん延防止措置。そんな苦難を乗り越えて見事ゴールインを決めたカップルと、残念ながら...
内藤みか 2021-06-03 06:00 ラブ
勘違い? 恋愛で“脈あり”と思ってしまいがちな男性の行動5つ
 好きな人との距離が縮まると、「もしかして彼も私に気があるのかも?」と嬉しくなるものです。でも、中には「勘違いだった」と...
恋バナ調査隊 2021-06-03 06:00 ラブ
いい男を逃したくない人必見! “男を見る目”を養う方法とは
 職場や合コン、友人の紹介やネットを通して、私たちはさまざまな人に出会います。その中で、絶対にゼッタイにぜったいに逃して...
若林杏樹 2021-06-02 06:00 ラブ
彼は運命の相手かも?“ソウルメイト”の6つの特徴&出会う方法
 みなさんは、“ソウルメイト”をご存知ですか? あなたの周りにいる「前にも会ったような気がする……」と思う人は、もしかし...
恋バナ調査隊 2021-06-02 06:00 ラブ
仕事か結婚か…23歳の私は外堀りを埋められて別れを選んだ
「結婚できるとは思っていなかった」「結婚願望がなかった」。そんな40歳オーバーの男女が結婚に至った経緯とは――。「40代...
内埜さくら 2021-06-15 09:18 ラブ
長続きするカップルや夫婦は「一緒にお風呂に入らない」理由
 恋人と過ごすバスタイムは、なんだか幸せなイメージがありますね。流行する恋愛映画で、カップルで一緒にお風呂に入っているシ...
ミクニシオリ 2021-06-01 06:00 ラブ
結婚する気がないのはなぜ? 男性の本音&気持ちを変える方法
 カップルの付き合いが長くなってくると、意識し始めるのが「結婚」でしょう。特に女性は、出産のリミットがあることから、焦る...
恋バナ調査隊 2021-05-31 06:00 ラブ