聞こえづらさの“元凶”はあのイヤホン!? 【薬剤師監修】老化以外に考えられる意外な原因の正体

コクハク編集部
更新日:2024-11-14 06:00
投稿日:2024-11-14 06:00

3. 聞こえにくさの改善はできるの?

 聞こえにくさを改善する主な方法を4つ、紹介します。

3-1. ストレスを解消する

 ストレスによって難聴になるケースは多いので、普段からストレスをためないように工夫しましょう。相談できる人を作ったり、趣味や気分転換の機会を作ったりすることが重要です。

 じっくりお風呂に入ることや、ウォーキングやストレッチを行うことで気分転換ができます。自分に合うストレス解消方法を見つけてくださいね。

3-2. ビタミンB12の摂取

 難聴を予防するためには、傷ついた末梢神経の修復を助けるビタミンB12を積極的に摂ることも大切です。ビタミンB12はレバーやあさり、さんまなどに多く含まれている栄養素ですよ。こういった食材を、日々の献立に取り入れてみてください。

 食事だけで十分な量のビタミンB12が摂取できない場合は、市販のサプリメントを服用するのもいいでしょう。ただし、普段から持病の薬を服用している人は、飲み合わせの問題があるので医師や薬剤師に相談してから服用してくださいね。

3-3. 耳を休ませる

 大きな音を聞いた場合や、イヤホン・ヘッドホンによって難聴になっている場合、耳にある有毛細胞(ゆうもうさいぼう)が破壊される前であれば、耳を安静にすることで難聴が回復します。

 ライブやコンサートに行く場合、大きな音が苦手な人は耳栓を持っていくようにしましょう。イヤホンやヘッドホンを使って音楽を聞いたり動画を見たりする場合は、周囲に音漏れしない程度の音量にすることや、1時間に10分程度の頻度で休憩時間を設けることがおすすめです。

3-4. 漢方薬の服用もおすすめ

 突発性難聴や中耳炎などの病気以外の原因で耳が聞こえにくい場合、漢方薬の服用によるアプローチも有効です。漢方薬のなかには「耳鳴り」や「聴力低下」に効果が認められているものもありますよ。

 聞こえにくさの悩みには、「血流をよくして内耳や神経の働きを改善する」「水分代謝を改善して内耳のむくみを取る」漢方薬を選び、根本改善を目指しましょう。

聞こえにくい場合におすすめの漢方薬

・真武湯(しんぶとう):余分な水分を取り去ることで、耳鳴り、難聴、内耳疾患などに働きかけます。

・七物降下湯(しちもつこうかとう):からだの熱を冷まして血流をよくすることで、高血圧に伴う耳鳴りに働きかけます。

 スマホで気軽に専門家に相談できるオンライン個別相談も話題です。スマホで完結できるので、対面では話しづらいことも気軽に相談が可能。お手頃価格で不調を改善したい人は、医薬品の漢方をチェックしてみましょう。

4. 聞こえにくさを感じたら生活の見直しを!

「耳掃除のしすぎやイヤホンの使いすぎ、ストレスをためる生活習慣とか、耳が聞こえにくくなっている心当りがたくさんありました」

「急激な痛みや熱を伴う場合や聞こえにくさが持続する場合、病気の可能性があるから耳鼻科を受診してみてね。でも、そういったケースじゃないなら、生活習慣の見直しで聴力が改善する可能性もあるわよ」

「ありがとうございます! 耳だけじゃなく、からだ全体に負担をかけない生活を心がけてみますね!」

「そうよ、無理のしすぎは禁物。からだが資本だから大切にしてあげてね。もしまた気になることがあったら、いつでもサロンへいらっしゃい」

 優しい表情でサロンを去っていくカオリさんを、えりのボスは笑顔で送り出しました。

★サロン「コクハク」のオーナー えりの

 顔と口調は若いものの、年齢不詳。タヌキか妖怪の噂も囁かれる謎めいた主人だが、ココロやカラダ、健康に関する知識はズバ抜けており、何気にハイスペック。ムスメ時代に苦労してるため、自分より“後輩”の女にはしあわせになって欲しいと願っている。愛称は、えりのボス。

(漫画/腹肉ツヤ子

  ◇  ◇  ◇

<この記事の監修者>

あんしん漢方薬剤師 中田 早苗(なかだ・さなえ)

 デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-youtubeチャンネルでは、お薬最適化薬剤師として「無駄な服薬はお財布と体の敵!」をモットーに薬の最適な選び方を解説する動画を公開中。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

「あんしん漢方」を詳しく見てみる

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

ビューティー 新着一覧


サウナは美の宝庫♡ 綺麗になりたい女性に嬉しいメリット5選
 近年大ブームが再到来している、サウナ。主に社会人の男性から人気のサウナですが、女性にとっても嬉しいメリットがたくさんあ...
秋はやっぱりチェック柄!40代でも痛見えしない4種類と着こなしルール
 猛暑から、一気に秋めいてきましたね! 秋になると気になるのがチェック柄の洋服。カジュアルにもクラシカルにも着こなせるチ...
声枯れからの声老け!?【専門家監修】今すぐできる簡単な対策法&漢方薬
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
黒髪が似合う人は永遠の憧れ…自分はムリ?しっくりこない時の処方箋
 黒髪が綺麗に映えるアンニュイな印象の女性、憧れてしまいますよね。そんな女性にはいくつか共通点があります。今回は黒髪が似...
40代寒さ対策に使える“下半身のあいつ”…レギンスとスパッツの違いは?
 肌寒くなってきたこの頃、足元も冷えてきますよね! 秋冬の冷たい足元に活躍するのが、レギンスとスパッツです。でも、「そも...
ネット通販たとえ安価でも1着だって失敗したくない! 守るべき5つの鉄則
 なかなか自分の時間がとれない40代女性に人気なのが、洋服のネット通販ですが、届いた洋服が紹介されていたものと違いすぎて...
ハードルは低く!40代から10年後に差がつく「ついで美容」ポイント3つ
 美容というと、エステに行ったり、高級なスキンケアアイテムを購入したりといったイメージがありますよね。でも、本当に美しい...
白髪、薄毛、パサつき…40代はショートヘア? デメリットをおさらい
 40代を過ぎると、白髪やパサつき、薄毛などいろいろな髪の悩みが出てきますよね。ケアやメンテナンスが楽な「ショートヘア」...
運動習慣がものをいう!40代からでも始めやすいスポーツ5つ
 若い時に比べて、筋力や代謝が落ちてくる40代。「いい加減健康やダイエットのために、運動でもはじめようかな」と考えている...
【節約】ホームケアで輝く髪へ!40代でもサロン級のツヤ髪に
 美容院に行くたびに、できるならトリートメントを追加でお願いしたいところです。  しかし最近は節約モードに入ってい...
今すぐできる糖質対策!【専門家監修】意外と知らない糖質のキと摂取法
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
ちょっとの油断で眉頭が大惨事に…こっそり笑われてるかも!? 眉メイク3選
 眉メイクは自由自在に雰囲気を変えることができる一方で、一歩間違えるとせっかくのメイクが台無しになってしまいますよね。 ...
うっわ…どこまでOK?男性がつけるアクセサリー“ありorなし”の境界線
 女性にとっては、おしゃれに欠かせないアクセサリーですが、男性がつけると賛否両論あるようです。やはりチャラいイメージを持...
不安定な「40代秋肌」は洗顔を見直す!美容家激推し“裏ワザ”グッズ3選
 夏から秋へと季節が変わる今は、40代の肌はどうしても不安定になりやすいもの。部分的に脂っぽかったり毛穴が気になったり、...
デリケートゾーンの改善策に辿り着かない叔母…保湿オイルを勧めてみた
「デリケートゾーンケア」や「フェムケア」というワードは、雑誌などのメディア上では当たり前のものとなったけれど、どれくらい...
最近“老けて見える”と嘆く40代女性! 避けたいNG眉色と若見えのコツ
「メイクをしたのになぜかげっそりして見える」「最近なんだか老けた?」と感じているアラフォー女性の皆さん。もしかしたらその...