小さな優しさが呼んだ奇跡…ワタクシは花のチカラを信じます

斑目茂美 開運花師
更新日:2019-08-17 06:00
投稿日:2019-08-17 06:00

孤独な人生の最期に幸せの花束を

 ワタクシには作戦がございました。それは、たくさんのお花でAさんのお部屋に「小さなお花屋さん」を作ることでした。

 モルヒネで視界も意識も朦朧としているであろうAさんが認識できるお花。ヒマワリは絶対に持っていこう。見るだけで元気になるヒマワリが、パワーをくれるように。バラの香りも届けよう。目を開けられなくても抜群に素敵な香りが、彼女を癒してくれるように。

 初めてお会いするAさんは、出血は止まっていたものの意識がはっきりとはしておりませんでした。

 軽くご挨拶をして施設スタッフがお花をお部屋に運び始めると、Aさんは突然、「わ~!」と歓声をあげたのでございます。

 施設スタッフ一同、びっくり。「こんなに大きな声が出るの?」と。

 そして、次々とAさんから言葉が溢れます。

「キレイ」「すごい」「いい匂い」「ヒマワリだ!」

 ワタクシの作戦は成功でした。

 Aさんは腕を上げてお花の柔らかい感触を確かめ、顔を近づけて香りを楽しみ、小さな歓声を上げ続けたのでございます。

 そして、彼女の大好きな施設の友人たちがアレンジメントを作ってお部屋に飾ると、Aさんの白かった顔色がうっすらとピンク色に染まり、笑顔がこぼれたのでございます。

「あーお腹が空いた」まさかのAさんの発言に、みんなが驚きました。

 数日ぶりのお食事をしっかり取ってデザートまで食べ、安心したのでしょう。それからAさんは、眠りについたのでございます。

「花」と「人」のチカラ

 Aさんが施設のスタッフや友人たちに見守られながら旅立ったとの連絡が入ったのは、「小さなお花屋さん」から5日後のことでした。

「大好きな人たちと一緒にいたい」というAさんの願い。そして、人生の最期にしたいことであった「花に触りたい」という望みを叶えてあげられたこと。なにより、「花」が人を元気づけ、励まし、慰めたということ。

 彼女を取り巻く人たちの小さな優しさが奇跡を呼んで、孤独な人生の最期に幸せの花束を受け取り、彼女は旅立ったのでございます。

花の美しさと生命力に癒され励まされ

 ここ数年、いわゆる「生花」が消えた病院が増えてまいりました。確かに、世の中には花粉症やアレルギーの方もいらっしゃいます。

 その反面、生花を飾った病室では患者の心が癒され、ポジティブな思考に変化し、生花を飾らない病室に比べて病気の予後に良い変化が見られる、という研究結果も報告されております。

 今回、ワタクシは確かに「花」と「人」のチカラを目の当たりにしました。おそらく人は、生きた美しいものを見ることで癒され、励まされるのでございます。

 いろいろな考えもございましょう。人の数だけたくさんの思いもございます。ですが、体いっぱい健気に咲く花を見て、幸せに導かれた多くの人をワタクシは見てまいりました。

 路傍の花からあふれる生命力の強さに、花屋で売られる花に込められた生産農家やかかわる者たちの思いに、人は知らず知らずのうちに共鳴しているのかもしれません。

 幸せになれるきっかけは、人それぞれでございます。それが一体何なのか……あなたにとって、例えばそれが「花」ならば素敵。生きた花があなたの傍らで、きっと励ましてくれるはず。

 お花をきっかけにして一人でも運が開く方がいらっしゃれば、それはワタクシ、開運花師冥利に尽きるというものでございます。

 ワタクシは「花のチカラを信じます」。

 あなたの毎日が幸せに穏やかに過ごせますように。遠いお空の向こうから、お祈りしておりますよ~。

斑目茂美
記事一覧
開運花師
半導体エンジニアを経て花業界に転身。イベント・ホテルなどの装飾も手がける生花店を営む傍ら、コンテストで優勝・入賞を重ね、雑誌・新聞等に作品を発表する。神奈川各所にて花教室を開催。障害者支援も花で実践。悩ましくも素敵なお客様を「花」で幸せへと導く道先案内人。ブサかわ猫店長「さぶ」ともに奮闘中。Facebookやってます。

ライフスタイル 新着一覧


姿勢よく尻尾をピン! 男前“にゃんたま”君の向かう先は?
 きょうは、折り目正しいにゃんたまωにロックオン!  シッポはピンと天高く、膝をしっかり上げて草むらを前進。カッコ...
子育てと仕事の両立どうする? 疲れた時に試すべき方法4つ
 筆者も現在、保育園児を2人養育しています。常々思うのは、子育てをしつつ仕事をすることは大変だということ。きっと筆者と同...
真面目はソン!頼むハードルを下げて早く仕事を終わらせよう
 毎日、仕事に終われる日々。 真面目にやっているのに新しい業務を押し付けられて残業……みたいな状況になっちゃいますよね?...
いざ卵子凍結するため病院へ…施術が始まるまでの長い道のり
 日本は不妊治療の件数は世界一なのに、体外受精で赤ちゃんが産まれる確率は最下位。そんな状況を変えるために、ミレニアル世代...
おいとましてほしい女友達とは? 実は嫌われているその一言
「あの子の言葉、なんか鼻につくのよね~」  女同士が集まって女子トークが盛り上がるときのネタは大抵、彼氏や旦那の悪口で...
宇宙と秩序の花「コスモス」 お部屋に飾って女子力アップも
 夏の夕暮れにトンボが飛び始めると、だんだんと日が短くなり夏の終わりを感じてなんだか物寂しく、ちょっぴりセンチメンタルな...
子どもと電車の長距離移動! 飽きさせない&騒ぐ時の対処法
 電車やバスなどの公共機関で小さな子どもと出かける時、楽しさ反面、「イヤイヤしたら?騒いだらどうしよう……」と親は心配で...
絶妙なポロリ感…ひょうきん茶トラの“にゃんたま”をパチリ
 きょうは、「茶トラ白」君のにゃんたまωにロックオン。  茶トラの中でも、白い靴を履いているみたいでかっこいいだろ...
介護はやっぱり家族が? 貧困家庭はどう切り抜ければいい
「親の介護をしてあげたい」と思っても、大きな問題になるのがズバリ、お金のことでしょう。  介護をしてあげたいと思っ...
今すぐマネしたい! 職場で好かれる女性の10個の共通点♪
 職場で憧れの女性っていませんか?その場の雰囲気を和ませたり、気配り上手だったり、仕事にも一生懸命に取り組んでいたり。そ...
入院初夜に襲われた“下剤地獄”からがん患者と仲良くなる問題
 私は42歳で子宮頸部腺がんステージ1Bを宣告された未婚女性、がんサバイバー2年生です(進級しました!)。がん告知はひと...
人間の言葉を理解? パワーあふれる“にゃんたま”に開運祈願
 今回は、待ち受け画面にすると開運しそうなにゃんたま様です。  あふれるような“ありがたいパワー”を感じるのは気の...
女子ウケしない女性の理由…やってしまいがちな行動に注意!
「男子ウケは悪くない。 でも全く女子ウケしない!」――。とあるSNS数万フォロワーの友人が悩んでいました。確かにカワイイ...
オトナ女子のSNSの使い方 “自己ブランディング”でモテ力向上
 大人の女はSNSなんてやらないもの。あんなものは学生の道楽……そんな風に思っていませんか? しかし、今やSNSは日本人...
肌のゴールデンタイム説は間違い!?美肌を作る睡眠の取り方
「お肌のゴールデンタイムを逃さないように、早く寝ないと!」なんて、キレイ女子の間で定説化している22時〜2時の肌のゴール...
高貴で厳かな「菊」を解説…重陽の節句に花びら浮かべ菊酒を
 いつの世も“目に見えない不思議”が大好きな方がいらっしゃいます。  ワタクシの友人にスピリチュアル大好きBさんが...