生理前に限らず些細なことでイライラ!【医療従事者監修】アラフォーが注意したいPMSではない意外な理由

コクハク編集部
更新日:2025-03-20 06:00
投稿日:2025-03-20 06:00

3. 彼にイライラするときの対処法

 ホルモンの分泌量が減少するプレ更年期や更年期が原因で彼にイライラするとき、覚えておきたい対処法を4つ紹介します。

3-1. 婦人科の受診

 頭痛やほてり、めまいや食欲不振など、イライラに限らず不調があらわれた場合には、婦人科や更年期外来を受診しましょう。婦人科や更年期外来では血液検査によって卵胞ホルモンや卵胞刺激ホルモンの数値を計測し、更年期が始まっているかどうか診断してもらえますよ。

 更年期が始まっていない場合も、かかりつけの婦人科医を見つけておくことは重要です。更年期が始まってからは、骨密度の低下やコレステロール値の上昇、子宮体がんのリスクの上昇が考えられるので、不安なときに相談できるような相性のよいかかりつけ医を見つけておきましょう。

3-2. 生活習慣の改善

 生活習慣を改善することで、イライラなどの更年期症状を抑えられることがあります。

 食生活では、気持ちを安定させる効果が期待できるカルシウムや、ストレスによって消費されるビタミンCが多く含まれる食品を摂りましょう。カルシウムは乳製品、ビタミンCはアセロラやレモンに多く含まれていますよ。

 心身をリラックスさせるセロトニンの分泌量を増やすためには、原料となるトリプトファンを摂ることや、朝日を浴びることも重要です。バナナやアボカドでトリプトファンを摂取しつつ、朝日を浴びる習慣をつけてください。

3-3. 彼との話し合い

 更年期症状を乗り越えるためには、彼や家族、身近な人と話し合うことも大切です。家事がつらいときは代わってもらったり、イライラしているときはそっとしておいてもらったりするなど、自分や周りの人が生活しやすいように話し合いましょう。

3-4. 漢方薬の服用

 女性ホルモンの変動による不調には、自律神経やホルモンのバランスを整える効果が期待できる漢方薬の服用もおすすめです。婦人科や更年期外来では、更年期症状の根本改善を目的に漢方薬が処方されることもありますよ。

<更年期の不調におすすめの漢方薬>
・加味逍遙散(かみしょうようさん):ホルモンバランスの乱れに伴う気分の落ち込みやイライラなどの精神的な症状のほか、ホットフラッシュやのぼせに用いられます。
・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):からだの余分な熱を冷まして精神を安定させることで、動悸や不眠、更年期のイライラや抑うつを解消します。

 スマホで気軽に専門家に相談できるオンライン個別相談も話題です。スマホで完結できるので、対面では話しづらいことも気軽に相談が可能。お手頃価格で不調を改善したい人は、医薬品の漢方をチェックしてみましょう。

4. 更年期前の不調には早めに対処して!

「私、今まで生理や更年期とかのホルモンバランスの不調って、自分が我慢しないといけないと思っていました。病院に受診したり周りに協力を求めたりする解決策もあるんですね…」

 えりのボスの話を聞き、ミスズさんは驚きながらも晴ればれとした顔をしています。

「目には見えない不調だからこそ、周りの人に頼ることも大事よ。彼には八つ当たりしたことを謝りつつ、2人でこれからの生活について話し合うきっかけにしてみてもいいんじゃない?」

「はい、ありがとうございます…! 帰ったら、早速彼と話し合ってみます!」

「同じホルモンバランスの変動でも、不調によって対処法は異なるわ。また気になることがあったら、いつでもサロンへいらっしゃい」

 優しい表情でサロンを去っていくミスズさんを、えりのボスは笑顔で送り出しました。

★サロン「コクハク」のオーナー えりの

 顔と口調は若いものの、年齢不詳。タヌキか妖怪の噂も囁かれる謎めいた主人だが、ココロやカラダ、健康に関する知識はズバ抜けており、何気にハイスペック。ムスメ時代に苦労してるため、自分より“後輩”の女にはしあわせになって欲しいと願っている。愛称は、えりのボス。

(漫画/腹肉ツヤ子

  ◇  ◇  ◇

<この記事の監修者>

あんしん漢方薬剤師 中田 早苗(なかだ・さなえ)

 デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-youtubeチャンネルでは、お薬最適化薬剤師として「無駄な服薬はお財布と体の敵!」をモットーに薬の最適な選び方を解説する動画を公開中。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

「あんしん漢方」を詳しく見てみる

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

ビューティー 新着一覧


臭った足で部屋に入る彼…【専門家監修】臭いの原因は2つ!日頃のケアは
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
キャプスタイルの前髪のしまい方は? “張り付いた海苔”を回避するテク6選
 キャップをかぶるときに悩むのが、前髪のしまい方。「なんだかモサっとしてしまう…」「前髪がぺちゃんこにつぶれて張り付いた...
その定番アイメイク、やらかしてます…今すぐアプデしたいダサ見え5選
 定番アイメイクテクニックには、今の時代にそぐわず、古くさくてダサい印象になるアイメイクも…。目元を華やかに見せ...
一度でもいいから足首が細くなりたい…太くなる原因&簡単対策方法3つ
 細く引き締まった足首は、女性の憧れですよね。でも、時には足がむくんで象のような足首になる人も…。  今回は足首を細く...
「綺麗なおばさんになりたい」って変ですか? 今すぐ真似したい6つの習慣
 二十歳を過ぎたらあらゆることは自己責任ですが、それは「見た目の美しさ」に関しても同じ。実際に、自分の外見や内面を磨いて...
永久脱毛って本当にずーっと生えてこない? 気になる“その後”の体験談
 最近では、一般的になってきた永久脱毛ですが、中には「まだ自己処理をしている」「痛みや信頼性が不安で永久脱毛した経験がな...
座りっぱで気づけば、おしりの汗!女性向け3つの対策と便利グッズ
 暑い夏場や座りっぱなしで過ごしている時、おしりに汗をかいてしまい「臭いやムレが気になる」と悩んでいませんか?  洋服...
彼氏やペットとの生活が幸せすぎて怖い…要因はホルモン?【専門家監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
10回分191円の激安!SHEINの「眉毛ステッカー」張るだけで美眉なるか
 話題のコスメや、広告でよく見かける化粧品や日用品。「webでよく見るあの商品、本当にイイの?」「買ってみたいけれど、口...
眉毛の形、古いです! 20代女が思うアラフォー女の老け見え残念眉メイク
 眉毛メイクは時代によって流行が変わりやすいですよね。当時は流行していて老け見えを感じさせないメイクでも、今だと...
バレッタで留めてたのに鏡見たら、落ち武者!落ちない方法とアレンジテク
 最近、ヘアアクセサリーでバレッタを使うアレンジが流行していますね。でも、実際にバレッタを使ってみると、すぐに落ちてきた...
目尻のシワは隠しすな!隠れたモテポイント♡男性が「可愛い」と思うワケ
 女性の肌悩みの一つ、目尻のシワ。でも、実は目尻のシワは意外と男性ウケがいいのをご存知でしたか?  今回は目尻のシワが...
美的3月号“完売ポーチ”実力は?コスメデコルテの美容液はありがたすぎる
 3月号の美容雑誌は豪華付録だらけ。  MAQUIA3月号通常版は現品サイズの「リリミュウ 春色リップパピーレッド...
「髪の毛の分け目」どっちにする問題 意外と知らない似合うほうの決め方
 毎朝、髪の毛をスタイリングする時に「左右、どっちの分け目にしたらいいんだろう?」と困ることがありますよね。実際には、な...
美肌の40女性に聞いた!加齢の鼻の周りの赤み対策に“ちょい足し”3品
 年齢サインが出るのは鼻の周りの赤みだよねーー。20歳の頃にアルバイト先のお姉様にそう言われてから、早10年。鼻の周りの...
おなかが鳴るの恥ずかしい!【専門家監修】ギュルギュル音を止める対策
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...