「隣に座ってもいいかな?」ゆきずり不倫沼にハマる女を救った意外な人物 #3

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2025-03-28 06:00
投稿日:2025-03-28 06:00

美や若さへのすさまじい執着に…

 そこからは互いのことを話しました。彼は大学卒業後に上京し、現在はインバウンドを対象とした美容医療の仲介をしているそうです。日々「老い」に怯えていた私に、修二君は意外なことを告げてきました。

――僕はいくつかの美容クリニックを担当しているけれど、最近の女性は、美や若さへの執着がすさまじいね。

――美しさや若さは女性にとって宝物よ。気持ちはわかるわ。

――いやあ、それが度を過ぎてる。『せっかく日本の名医を紹介されたんだから』って、患者たちは望む限りの美容整形をやっていくんだ。

 シワを消すためにヒアルロン酸注射やボトックス注射を射ちまくるのはまだマシなほうで、耳の後ろを切って皮膚を引き上げるフェイスリフト、脂肪吸引、プロテーゼ隆鼻術、エラ削り、人中短縮、唇をふっくらさせるヒアルロン酸注入、埋没法や目頭切開の二重まぶた、涙ぶくろ…僕からしてみれば、『健康的』を通りこして『人工的』で気持ち悪い。

――人工的…?

――ああ、その点、咲子はいい年の取り方をしている。理想的だよ。

――も…もうオバサンよ。

――謙遜しちゃダメだよ。君は昔と変わらずきれいだし、かわいいよ。

――謙遜だなんて…でも、ありがとう。

 褒められたくすぐったさ、そして、コンプレックスから男漁りを続けている自分がとてつもなく惨めになりました。

 しばらくして、

――修二君、結婚は?

 気づけばそうたずねていました。

――ああ、一度したけどダメだったな…バツイチだよ。咲子は?

――バツナシの独身。恥ずかしいわ。田舎で30歳と言ったら、子供が2~3人いてもおかしくない年齢よね。

――そんなの人それぞれだよ。君さえよければ、これからも時々会わない?」

またしても救ってくれた彼とは結婚も視野に

 15年ぶりの再会、そして彼なりの美容医療に対するポリシーを知り、咲子さんはバー通いをやめた。

 彼女は語る。

「実は今、修二君と交際しているんです。13歳の時にイジメから救ってもらって、またしても美や老いに対する恐怖心から救いの言葉をもらった感じ。彼に『そのままの咲子が素敵だ』と言ってもらえることで、自分に自信が持てたんです」

 ゆくゆくは結婚を視野に入れているという2人。運命という言葉は軽々しく使いたくはないが、これはまぎれもなく咲子さんを救った「運命の再会」ではないだろうか。

(了)

蒼井凜花
記事一覧
官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
オフィシャルサイトYouTube

関連キーワード

ラブ 新着一覧


夫は苦悩の日々…“話をすり替えるのが得意”な鬼嫁たちの生態
 鬼嫁の中には、話をすり替えるのが大得意な人も少なくないのだそう。どんな話題も、自分の都合のいいように変えてしまうため、...
並木まき 2020-07-20 06:00 ラブ
気配りだけじゃダメ “真面目女子”に男性がときめかないワケ
 私はズボラでだらしない系の女子なのですが、そんなダメ人間をやっていますと、周りにはしっかりとした「真面目女子」がいるこ...
若林杏樹 2020-07-20 06:00 ラブ
なかなか会えない彼と…楽しくLINEを続ける5つのテクニック
 新型コロナウイルスの感染者数が再び増えています。第二波に備えて、一人ひとりの予防意識が問われていますね。こんな状況では...
ミクニシオリ 2020-07-19 06:00 ラブ
夫から三行半…メロンパンがとどめで離婚された美人妻の事例
 男女問題研究家の山崎世美子(せみこ)です。昨今は男性から離婚を言い渡されるケースも珍しくなくなりました。生涯を共にする...
山崎世美子 2020-07-18 06:00 ラブ
どういうつもり? 恋人に2年間も結婚を先延ばしされている女
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2020-07-18 07:49 ラブ
2年間にわたって結婚への踏ん切りがつかない男が抱える不安
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2020-07-18 06:00 ラブ
優しかった夫が突然別人に!?パートナーが豹変する理由
 結婚や出産といった環境の変化をきっかけに夫がモラハラに豹変した――そんな話をよく耳にします。長い結婚生活を送るとなると...
七味さや 2020-07-17 06:00 ラブ
告白なしで付き合う5つの男性心理&遊びかどうかの見極め方
 大人になると、人間関係が複雑になってきます。恋愛においても、微妙な関係、グレーな関係になることもあるでしょう。「これっ...
恋バナ調査隊 2020-07-17 06:00 ラブ
コロナ禍で失われたイケメンとの濃厚接触について考える
 新型コロナウイルス拡大防止のためにソーシャルディスタンスが取られるようになってから、もう3ヶ月以上が経ちます。緊急事態...
内藤みか 2020-07-16 06:00 ラブ
LINEで告白♡ 成功させるポイント5つ&気を付けたい注意点
 せっかく告白をするなら、誰だって「OK」をもらいたいものでしょう。告白に成功するためには、どんな伝え方をするかも重要。...
恋バナ調査隊 2020-07-15 06:00 ラブ
アラサーだけど…「結婚できない女」のあるあるな考え方3つ
 コロナによる経済不安や自粛による寂しさから、恋愛や結婚に関心の高まっている人も増えているのではないでしょうか。しかし、...
ミクニシオリ 2020-07-15 06:00 ラブ
30代シングルファザーがコロナ再婚に踏み切ったワケとは?
 日本の生涯未婚率が上昇傾向にある一方で、「3組に1組が離婚している」と言われる昨今。新型コロナウィルスによる自粛期間に...
田中絵音 2020-07-14 06:00 ラブ
浮気されやすい女性の10の特徴!男性の思考を知って対策を
「彼氏を大事にしているはずなのに、なぜか浮気されやすい……」そんなお悩みはありませんか? 今回は、そんな女性に共通する特...
リタ・トーコ 2020-07-14 06:00 ラブ
モテる女性はやっている!「モテ仕草」の計算された共通点
 職場でもパーティーでも気になるカレに対しても、男性から魅力的に見られたいですよね。「この人、なんか素敵かも」と思わせる...
若林杏樹 2020-07-13 06:00 ラブ
尽くす女性は重い?特徴や男性の本音&尽くし上手になる方法
「尽くす女性」は、一昔前までは「いい女」の象徴のような言葉だったと思います。しかし、現在では「重そう」「恋愛が下手そう」...
孔井嘉乃 2020-07-13 22:49 ラブ
彼と喧嘩⇔仲直りの地獄∞ループ メス力的5カ条で楽に解決!
 ど本命の彼とのお付き合いを3年間続けています。ですが、つい先日、不安からくるど本命クラッシャー(※)をしてしまいました...
神崎メリ 2020-07-12 06:00 ラブ