43歳の既婚男性が“女装”に目覚めたワケ。疑似レズビアンの沼にハマり…#2

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2025-05-23 11:15
投稿日:2025-05-23 06:00

彼に会うたび惹かれていって…

 その後、直樹さんは月に3回ほど来店するようになったという。

「出会いから2ヶ月、私は彼に会うたび惹かれていって…アフターでは食事や女装バーに行くこともありました。ある夜、スワンで女装をし、カラオケで美声を披露する彼が化粧室に立ったとき、『今がチャンス!』と私は彼の背中にそっと寄り添ったんです。

――直樹さん…あ、店ではナンシーね。ナンシーのこと、好きになっちゃった。結婚していても、好き…。

――私も菜々美ちゃんが好きよ。だから、あなたの店に通ってるの。

 彼はオネエ言葉で返してきました。

――今夜、遅くなっても大丈夫?

――ええ、かまわないわ。

 こうして、私たちは新宿のラブホテルに向かいました」

不思議な感覚に恍惚

 菜々美さんは語る。

「驚いたんですが、直樹さんは『ナンシーとして、関係を持ちたい』と提案してきたんです。

 つまり、女性同士…レズビアンいう意味です。

 でも、体は男性ですから、フィニッシュだけは男女のそれとなります」

 ドレスを脱ぐと、直樹さんは女性もののランジェリーを身につけていた。

 そして、順番にシャワーを浴びて、事に及んだという。

「不思議な感覚でした。体は明らかに男性ですが肌はすべらかで体毛も薄い。艶のある低音ボイスで『菜々美、可愛いわ』などとオネエ口調で囁かれると、もうとろけそうで…。触れているだけでも幸せ。

 本来は直樹さんと愛し合っているのですが、目をつむると、ナンシーという女性が脳裏に浮かび、女同士の触れ合いに恍惚となったんです」

 デートを重ねるにつれ、菜々美さんは自宅マンションにも彼を呼ぶようになったという。完全に沼ってしまった彼女は――?

 続きは次回。

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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