玉味噌の風味とナスが溶け合う「米ナスの田楽牛肉添え」

コクハク編集部
更新日:2019-12-04 06:00
投稿日:2019-12-04 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は千葉県・流山市の老舗割烹「割烹柳家」の青柳宏幸さんに、玉味噌の風味がたまらない「米ナスの田楽牛肉添え」のレシピを教えていただきました。

口の中でトロトロ

 柳家の玄関戸をガラガラと開けると、まるで別世界に迷い込んだよう……。純和風の空間に心が落ち着きます。縁側からは、風情のある庭を眺めることができ、池にはコイが優雅に泳いでいます。

 そんな場所で味わうおつまみは、また格別。

「この料理のポイントは玉味噌を使っているところですね」

 玉味噌とは、豆腐やこんにゃく、焼き物などにかかっている、あの金色に光っているお味噌です。

「白味噌に卵黄と酒とみりんを入れてかき混ぜて、火にかけて練っていきます。水分が少し蒸発して硬さが出てくるのですが、まだたぷたぷと水分が残っている状態で鍋を火から下ろしてください。冷めてくると固まってきます。ナスは、揚げた後に串で打って、味噌をつけてから軽くあぶっています」

 油と相性がいいナスが口の中でトロトロと溶けていきます。玉味噌も絶妙に絡み合い、ピリッと辛口の地酒がぴったりです。

 おいしくいただいた最後には、流山発祥という白みりんをおちょこでいただきました。

 この甘味や飲み方は、まるでポートワインのようでしたよ。

【材料】

・米ナス  1個
・牛肉(脂が細かく、少なめの部位)
・玉味噌(こし白味噌1キロ、卵黄3個分、酒225㏄、砂糖200グラム、みりん225㏄を鍋で合わせ、弱火で20分ぐらい練って冷ましておく)

【レシピ】

1. 米ナスを輪切りで3等分する。大きければ、さらに半分に切り、油で素揚げする。
2. 1のナスをグリルに並べ、酒で少し温めた玉味噌を塗り、軽く焼き目がつくまで焼く。
3. 牛肉を2~3ミリの薄さでスライスし、軽く塩を振り、さっとあぶってから、ナス田楽の上に添えたら完成。

本日のダンツマ達人…青柳宏幸さん

▽あおやぎ・ひろゆき
 大正6年創業の日本料理「柳家」の4代目主人。もともと「小島屋」という名前の旅館から始まり、創業100年を迎えた。大学卒業後に会社員を経て京料亭「わらびの里」、京料理「あと村」で研さんを積み、実家の老舗を継ぐ。
千葉県流山市流山1―252
℡04・7158・1078

(日刊ゲンダイ2018年12月22日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

フード 新着一覧


「車麩と谷口屋の油揚げ 福地鶏のピリ辛煮」ダシがしみしみ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・神楽坂の「そば・郷土料理 九頭龍蕎麦本店」...
「爆速ドリア」で料理上手な女になった? 2022.11.26(土)
 絶対に作りたい。  記事を読んだ瞬間、そう心に誓った料理がある。爆速クリエイターおよねさんが教えてくれた「革命的...
「イカの雲丹醤油つぶつぶ和え」ここぞという日の贅沢おつまみ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・神楽坂の「そば・郷土料理 九頭龍蕎麦本店」...
「ハタハタの唐揚げ 山椒あんかけ」あんかけで和食上級者に
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・神楽坂の「そば・郷土料理 九頭龍蕎麦本店」...
「革命的シーフードドリア」片栗粉でホワイトソースを作る!
「爆速レシピクリエイター」およねさんが考案する《ひとり分の分量で》《最小限の工程で》《最低限の洗い物で》作れちゃうレシピ...
およね 2022-11-21 06:00 フード
「福井ポーク、上庄里芋の黒糖炒め」黒糖で野菜をおいしく
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・神楽坂の「そば・郷土料理 九頭龍蕎麦本店」...
「アペロ」って知ってる?成城石井で買うお手軽1本はこれ!
 フリーアナウンサーの市野瀬瞳です。ワイン好きが高じて猛勉強の末、ワインエキスパートと世界共通のワインの国際資格である「...
市野瀬瞳 2022-11-16 06:00 フード
「油あげのお袋煮」なんでも詰めちゃう“おばあちゃん”の味
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新橋の「あやとり」の西野太一さんに、懐かし...
「豆苗のベビースター和え」ふりかけ感覚で簡単&クセになる
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新橋の「あやとり」の西野太一さんに、1分で...
脳がバグる「カップヌードル 餃子 ビッグ」2022.11.10(木)
「すいませーん、ラーメンと餃子ください」  40年ちょい生きてきて過去何回、このセリフを言ったことでしょう。ラーメンと...
「『大芽園』風焼きそば」麺とモヤシ! 今はなき“名店”の味
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新宿の「papa’s dream」の五十嵐...
爆速「オートミールお好み焼き」フライパンでまぜて焼く!
「爆速レシピクリエイター」およねさんが考案する《ひとり分の分量で》《最小限の工程で》《最低限の洗い物で》作れちゃうレシピ...
およね 2022-11-07 06:00 フード
つまみになるご飯!「納豆チャーハン」をパラパラに作るコツ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新宿の「papa’s dream」の五十嵐...
「タコとジャガイモのエスカルゴバター」魚介類との相性抜群
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新宿の「papa’s dream」の五十嵐...
覚王山フルーツ大福「弁才天」実食レポ! 2022.11.3(木)
 いま流行りのフルーツ大福。大行列で話題の覚王山フルーツ大福「弁才天」に行って参りました。  朝から並ばないと売り切れ...
ブームの「ノンアルワイン」ぶっちゃけ、本当においしいの?
 フリーアナウンサーの市野瀬瞳です。ワイン好きが高じて猛勉強の末、ワインエキスパートと世界共通のワインの国際資格である「...
市野瀬瞳 2022-11-02 06:00 フード