ツナとほうれん草のダブル使い
本場フランスのビストロでよく見かける平たいオムレツをマスターしましょう。お店では〈ほうれん草〉と数種類のキノコを使った〈キノコ〉の2種類のオムレツを出していますが、ツナとほうれん草のダブル使いにすることでボリュームの増すレシピを提案してくれました。
「ツナの代わりにベーコンを合わせてもいいんだけれど、切るひと手間が増えるから、ツナ!」とは、田口シェフ。ズボラな飲み助の気持ちをよ~く分かっていらっしゃる。ほうれん草だって、茹でずに生のまま調理します。
「卵液も混ぜすぎるとコシがなくなり、成形しづらくなるから、あくまでざっくりと混ぜれば十分ですよ」
シュレッドチーズとは細かく刻んだナチュラルチーズで、ピザ用のミックスチーズが一般的ですね。自宅の冷蔵庫に無塩バターが入っていなかった記者。田口シェフのアドバイスどおり、有塩バターを代用する代わりに塩を入れずに作りましたが、ワインが進む絶品の一枚ができました。
レモンはぜひ添えたいもの。途中で搾ると酸味が加わり、また違った味わいになります。
【材料】
・卵 2個
・生クリーム 大さじ1
・ペコリーノロマーノ(グリュイエールチーズやシュレッドチーズでも可) 大さじ2
・ツナ(缶詰) 1缶(小)
・ほうれん草 2株
・無塩バター、オリーブオイル、塩 各適量
【レシピ】
1. ほうれん草を5センチ幅のざく切りにする。
2. フライパンに無塩バターを溶かし、1を入れて炒める。軽めに塩をふり、下味をつける。
3. ボウルに卵、生クリーム、ペコリーノロマーノを入れて混ぜ合わせる。
4. 3の中に2とツナを入れ、軽く混ぜ合わせる。
5. 中火で熱したフライパンにオリーブオイルを入れ、4を流し入れて焼く。蓋をして弱火で3分ほど蒸し焼きし、裏返してひと息ついたら、ヘラで取り、2等分にカットして皿に盛る。葉野菜やレモン(分量外)を添えて出来上がり。
本日のダンツマ達人…田口昌徳さん
▽たぐち・まさのり
広島出身のカープファン。今はなき東京・本郷の一軒家フレンチ「ル・リス・ダン・ラ・バレ」などで修業したのち、31歳で独立。95年に同じ西浅草エリアでフランス料理店「ラ・シェーブル」を開業して以降、2000年には焼き鳥店「萬鳥」をオープン。当時は珍しかった焼き鳥にワインを合わせるスタイルを提供した先駆けだ。現在は一本化し、これまでの集大成ともいえる気軽でおいしいワインと料理を出す食堂スタイルで、オープンキッチンで熟練の腕前を振るう。特に鳥料理はシェフの真骨頂、「ひな鳥の半身揚げ」は必ずオーダーしたい。
▽ガンゲット・ラ・シェーブル
国際通りから一本入った下町情緒ある区画にあるワイン好きのグルマンたちが集う店。信頼するインポーターから仕入れるワインは充実のラインアップ。グラス、カラフェ、ボトルで楽しめる。東京都台東区西浅草2―2―13。
(日刊ゲンダイ2018年7月20日付記事を再編集)
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