スペインの「飲むサラダ」
トキヤの特徴は素材を羅列したメニューが多く、見た目が鮮やかで美しいこと。美大出身の感性が存分に発揮されています。
「食材を切って、ソースをかけるだけの簡単料理。忙しくて時間がない人向けのツマミです。ガスパッチョはスペインの郷土料理。山形県の“だし”のような存在で『飲むサラダ』ともいわれています。体にいいので、猛暑で食欲がない人にもオススメですね」
存在感たっぷりの分厚く切られたカツオは、硬くならないように、焼きすぎないのがコツ。これだけ多くの素材を使うと喧嘩しそうですが、不思議なことに、しば漬けが全体のバランスをまとめています。
料理に果物がまざっているのが苦手の人もいるかもしれませんが、スイカが甘い野菜のように感じ、先入観なく食べられます。
【材料】
・カツオ 100グラム
・しば漬け 適量
・ビーツ水煮 適量
・スイカ 8分の1玉
・生ハム 適量
・梅干し 1個
・オリーブオイル 少量
・ゆずコショウ 少々
・塩 少々
【レシピ】
(1)15秒ずつカツオの両面を焼く。
(2)しば漬け、ビーツ、スイカ(少し残しておく)、生ハムを好みの大きさにスライス。
(3)残りのスイカと梅干しとオリーブオイルとゆずコショウをミキサーにかけてガスパッチョに。
(4)カツオに塩をかけ、2を盛り付けて、3を回しかけて完成。
本日のダンツマ達人…飯村藤太郎さん
▽いいむら・とうたろう
1976年、東京都生まれ。武蔵野美術大学卒業後、内装業で働く傍ら絵を描き続け美術家を志す。32歳の時に、母親が経営していた家庭料理店を引き継ぎ、フレンチへ変更。料理は独学ながら、ソムリエの資格も持つ異色の料理人。絵の具を食材に替え「見た目と味のギャップを楽しむ」をモットーに料理を提供している。
▽トキヤ
2008年にオープンしたフレンチレストラン。最寄り駅から少し離れ、住宅街にポツンと店を構える隠れ家風の有名店。人気メニューは「さんま、バナナ、ゴルゴンゾーラ、ハーブのタルティーヌ」「メルゲーズ、迷彩柄のシート」。常時40種類以上ある白、赤、泡のナチュラルワインもお薦め。東京都目黒区五本木2―53―12。
(日刊ゲンダイ2019年8月27日付記事を再編集)
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