冷製で食べる方がおいしい
ワンタンや餃子は、町中華で不動の人気を誇るビールのツマミ。その餡が豚肉から魚に替わると、日本酒や焼酎との相性がグンとよくなります。
「これは、老舗割烹宮本の板前さんに教わりました。僕が習ったときはイシモチでしたが、白身魚なら何でもおいしい。きょうは刺し身用にタイを仕入れたので、その剥き身を使っています」
夜の日替わりメニューに並ぶ刺し身の3点盛りは早い者勝ちの人気メニュー。その中には白身魚が入ることが多く、三枚におろした際の中骨の周りや刺し身では提供できない部分を集めて、ワンタンの餡にするそう。ワンタンのために魚を購入するのではなく、ほかの料理で余った部分の有効活用です。
「ワンタン5個分で、タイの剥き身は30グラム。この時季なら、鍋用のタラを応用してもいいですね」
茹でたてをいただきましたが、「本当は氷水で締めて、冷製で食べる方がおいしい」というので、自宅で試してみると、なるほど、冷製の方があっさりとした白身の良さが生きます。ポン酢や薬味のゆず胡椒は、ちょっとでOK。好みの日本酒と合わせて楽しみたいですね。
材料
・白身魚 30グラム
・長ネギ 10グラム
・ショウガ 2グラム
・ワンタンの皮 5枚
・片栗粉 少々
・醤油 少々
・ゴマ油 少々
・ポン酢 適量
・ゆず胡椒 適量
レシピ
(1)長ネギをみじん切りにする。
(2)白身魚を包丁で叩く。
(3)1と2を合わせておろしショウガを加える。
(4)3に醤油とゴマ油をそれぞれ少々垂らし、片栗粉を加えたら、よく混ぜ合わせる。
「塩は不要。醤油もほんの少しで十分です。そうしないと、白身魚の良さが失われてしまいます。ショウガのほのかな香りを生かすイメージです」
(5)ワンタンの皮に4をのせて包む。
「接着が不十分でお湯が餡に入ってしまうと、味がぼやけるので、接着はとにかくしっかりと」
(6)5を1分30秒ほど茹でて盛りつけたら出来上がり。彩りで万能ネギを振ってもよし。
本日のダンツマ達人…水谷大輔さん
▽水谷大輔(みずたに・だいすけ)
近所の老舗割烹の板前さんに秘伝のレシピを教わるという愛されキャラ。学生時代にサッカーで鍛えた体力を生かし、自転車をこいで豊洲市場や食肉市場に通い、魚介や精肉、モツなど新鮮食材を仕入れている。
▽都映(みやこうつし)
定番メニューも日替わりメニューも、多くはワンコイン。東京タワーのお膝元・芝大門という都心にあって、良心的な価格でありながら、魚も肉も野菜も厳選素材を仕入れ、丁寧な仕込みで常連客が絶えない。東京都港区芝大門1―11―9。
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