長瀬智也退所 TOKIOとライバル?SMAPとの相違と功績を述懐

こじらぶ ライター
更新日:2021-04-03 06:00
投稿日:2021-04-03 06:00

ジャニーズを牽引し続けた2つのグループ

先月ジャニーズを退所した長瀬(左)。TOKIOと2大グループであったSMAP(写真画像はリーダーだった中居、右)との相違から彼の功績を振り返る/(C)日刊ゲンダイ
先月ジャニーズを退所した長瀬(左)。TOKIOと2大グループであったSMAP(写真画像はリーダーだった中居、右)との相違から彼の功績を振り返る /(C)日刊ゲンダイ

 3月31日をもってジャニーズ事務所を退所し、TOKIOから巣立った長瀬智也(42)。今月1日からは残されたメンバー、城島茂(50)、国分太一(46)、松岡昌宏(44)の3人で株式会社TOKIOを立ち上げ、「世界に発信する(株)TOKIO」を目指すという。

 ここで改めて、1990年代以降のジャニーズ事務所を引っ張り、国民的人気を博してきたSMAPとTOKIOの相違点を振り返りたい。そうすることで、TOKIOのグループとしての性質と、退所した長瀬の功績が浮き彫りになると思うからだ。

 SMAPは、80年代後半にジャニーズで隆盛を誇った光GENJIの後発グループとして91年に「Can’t Stop!! -Loving-」でCDデビュー。しかし、その頃はすでに光GENJI自体が勢いを失っており、同じ歌って踊るアイドルだったSMAPはデビュー曲も売上15万枚(オリコン調べ、以下同)で1位を取れず苦戦した。

 2年目には早くもシングル売上9万枚台と一桁にまで落ちるなどブレイクには時間がかかったが、それまでのアイドルの常識を覆し、バラエティー番組で積極的に身体を張るなど着実に人気を得て、93年の「$10」で31万枚のスマッシュヒットを記録。以降もそれ以上のヒットを連発した。

「LOVE YOU ONLY」で鮮烈デビュー

 94年9月上旬にSMAPが「がんばりましょう」で当時の自己最多記録であった72万枚を売り上げた同月下旬、後輩のTOKIOはその恩恵を受け、大注目を浴びる中で「LOVE YOU ONLY」でアイドルバンドとしてデビュー。いきなり52万枚のヒットを記録する。SMAPも木村拓哉(48)がドラマで大ブレイクを果たしていたが、TOKIOもバンドのフロントマンであった長瀬がビジュアル面でグループを牽引した。

 当時の長瀬は16歳。今のワイルドなイメージとは対極にあり、高身長ではあるが華奢で、同じサラサラショートヘアの女性アイドルだった内田有紀(45)にも似ていると言われるほど美しい少年だった。膝丈で切られたパンツを履き、細長いおみ足を惜しげもなく披露していたあたりにも中世的な雰囲気が漂っていた。

“ジャニーズのバンドは大成しない”ジンクス

若かりし頃、似ていると話題になった長瀬(左)と内田(右)/(C)日刊ゲンダイ(左)、(C)共同通信社(右)
若かりし頃、似ていると話題になった長瀬(左)と内田(右) /(C)日刊ゲンダイ(左)、(C)共同通信社(右)

 TOKIOもSMAPにならって95年開始の「鉄腕!DASH‼」(日本テレビ系、98年ゴールデン帯昇格以降「ザ!鉄腕!DASH‼」)などバラエティー番組にも注力し人気者となっていった。しかし、デビュー当初からいわれていた「ジャニーズのバンドは大成しない」とのジンクスにTOKIOも苦しむことになる。

 最初の3年こそ20万枚前後の売り上げをキープしていたが、97年以降は6万枚台など1桁をしばしば記録しはじめるのだ。

 一方SMAPは一度ブレイクしてからは60~80万枚台のヒットを続け、98年には「夜空ノムコウ」が162万枚を売り上げて初のミリオンを達成。以降も、2000年の「らいおんハート」がミリオン、2003年「世界に一つだけの花(シングル・ヴァージョン)」が年間でダブルミリオン(累計でトリプルミリオン)を記録するなど、音楽面でも国民的人気を得た。

 大衆がCDを手に取ったのは歌って踊る正統派アイドルか、あるいは本格派のバンドで、どちらかといえば中途半端な立ち位置のアイドルバンドであったTOKIOの楽曲は、ファン向けのものになっていった。

「DASH村」からのV字回復と新機軸

 しかし、バラエティー番組では勢いは衰えず、「ザ!鉄腕!DASH‼」は2000年の「DASH村」企画開始以降、テレビ離れが加速した10年代を過ぎても15%前後を推移、20%台もしばしば記録した。日曜夜という時間帯も手伝って、老若男女問わずお茶の間からメンバー全員が親しまれた。

 SMAPは当時のアイドルの常識を超えた全力コントなど笑いの道を開拓したが、TOKIOは“アイドルの枠を超える”という意味ではそれをさらに凌駕した。農業、漁業や製造業など力仕事を黙々とこなし、本人達も「マイクを持つより鍬を持つ時間が多くなった」と自認するまでになった。

 ここから“自給自足やサバイバルができる技能や精神力、人徳などの能力を総合した力”を意味する「TOKIO力」という言葉も生まれたほどだ。それによりTOKIOの熱い男性支持層拡大へと繋がった。

こじらぶ
記事一覧
ライター
ジャニーズ、秋元康系女性アイドル、ローカル、地下アイドル等数々の現場を経験。Xでもご意見を募集しております。

エンタメ 新着一覧


原作は4コマ漫画! 名作“ぎぼむす”のイケメントリオを味わい尽くそう
 新年あけましておめでとうございます。  例年であれば、大晦日は「ジャニーズカウントダウンライブ」で年越しするので...
特攻隊の前で「別れのブルース」、過去の“淡谷のり子物語”と異なる描き方
 1945年、日本の戦況はますます悪くなっていた。富山に慰問に来ているスズ子(趣里)は、女中の静枝(曽我廼家いろは)の話...
桧山珠美 2024-01-05 14:00 エンタメ
制作費の都合?「夜来香ラプソディ」音楽会シーンなしは残念すぎる
 上海の羽鳥善一(草彅剛)は、音楽会の準備を進めていた。羽鳥は、黎錦光(浩歌)が作曲した「夜来香」にブギを取り入れた音楽...
桧山珠美 2024-01-04 17:50 エンタメ
【2023年人気記事】マッチ様は逃げ上手と無責任のプロだった
【「残念プロフェッショナル」の流儀】  2023年も「コクハク」をご覧いただき、誠にありがとうございました。反響の大き...
堺屋大地 2024-01-02 11:44 エンタメ
辻希美&杉浦太陽はニベアのCM…仲良しラブラブ芸能人夫婦はお金を生む
 元モーニング娘。のなかで1番の勝ち組は、やっぱり辻ちゃん(辻希美)でしょう。  先日も元モー娘。の中澤裕子、保田...
スズ子と愛助の無償の愛、平和ボケの今とは違って生きるも愛するも命がけ
 東京に戻ったスズ子(趣里)は、空襲で一面ががれきになっている惨状を目の当たりにする。  スズ子が三鷹の家に戻ると...
桧山珠美 2023-12-28 14:10 エンタメ
東京大空襲、愛し合うスズ子と愛助の運命は…金曜放送回を前におさらい
 トミ(小雪)の許しが出て、山下(近藤芳正)が正式に楽団のマネージャーとして加わることになった。  スズ子(趣里)...
桧山珠美 2023-12-27 17:40 エンタメ
コワモテ黒田の起用は大正解! スズ子派に寝返り、顔芸と手振りが秀逸
 結核が再発した愛助(水上恒司)の看病を、三鷹の家で続けることになったスズ子(趣里)は、日々愛助のために身を尽くしていた...
桧山珠美 2023-12-26 15:50 エンタメ
藤井風「いちすき」で見せた弾き語りに惚れ惚れ、黒髪に代わってホッ
 21日、木曜劇場「いちばんすきな花」(フジテレビ系)が最終回を迎えました。  昨年、社会現象を巻き起こした目黒蓮...
平野・神宮寺・岸のNumber_iデビュー間近 24年は注目多数の群雄割拠
 滝沢秀明氏創設のTOBEに合流し、本格始動が待たれている元King & Princeの平野紫耀(26)・神宮寺勇太(2...
こじらぶ 2024-02-16 10:40 エンタメ
朝ドラでは珍しい正面からの接吻!愛助ママ(小雪)来襲で“恋の炎”燃ゆる
 愛助(水上恒司)は母・トミ(小雪)に呼び出される。トミからは、スズ子(趣里)に会うのはやめるように言われ、山下(近藤芳...
桧山珠美 2023-12-22 14:40 エンタメ
北川景子に長澤まさみ…SNS離れの深層、イメージ戦略には逆効果?
 12月16日、女優の北川景子(37)の写真集『『「37」 20th anniversary』公式アカウントがInsta...
東京コミコン2023は大盛況 ひときわ異彩を放った“大衆演劇”
 千葉・幕張メッセにて、12月8日(金)~10日(日)に開催されたポップカルチャーの祭典「東京コミックコンベンション20...
熊田曜子のSNSが放つ鋼のメンタル ハレンチ不倫疑惑もよき母アピール
 プロデューサーとの不倫疑惑と元夫とのドロ沼離婚裁判を経て、離婚成立後はSNSでたびたびセクシーな姿を披露している熊田曜...
堺屋大地 2023-12-20 06:00 エンタメ
恋はつらいものよ…愛助への想いが募るスズ子に麻里(市川実和子)の名言
 スズ子(趣里)と愛助(水上恒司)の仲はすぐに広まり、羽鳥善一(草彅剛)や麻里(市川実和子)にもうわさについて追求される...
桧山珠美 2023-12-22 14:23 エンタメ
スズ子と愛助の恋路を妨害! メッセンジャー黒田のメッセンジャーぶり
 愛助(水上恒司)と坂口(黒田有)の話を聞いたスズ子(趣里)は、耐えきれずに部屋に押し入る。  ここで話をつけよう...
桧山珠美 2023-12-18 14:45 エンタメ