ばぁば料理で育つ息子…息子に“手抜き認定”されたママ料理

孔井嘉乃 作詞作曲家・ライター
更新日:2021-12-28 06:00
投稿日:2021-12-28 06:00
 はじめまして。シングルマザー3年目の孔井嘉乃です。私には、6歳になる息子がいます。
 家庭の事情はそれぞれあって、離婚に至った経緯なんて誰とも分かり合えません。でも、「シングルマザー」になった女性に共通する思いは、きっとあると思います。
 まだまだシンママ歴が浅い私ですが、日々の中で感じていること、自分の中で消化したこと、解決していないこと、そんなことをこの連載「シングルマザーもいいじゃない」で、綴りたいと思います。

天才的に料理が上手な母

 私の母は天才的に料理が上手です。母方のおばあちゃんもそれはそれは料理上手な人でしたが、その味を丸ごとコピーする“絶対味覚”のような人で、とにかくハズレなしの料理を作ります。

 私は子供の頃から、そんな母の愛情たっぷりの手作り料理を食べて育ってきました。「死ぬ前に食べたいものは?」と聞かれて思い浮かぶものは、やっぱり「母の手料理」。中でも、卵焼きとお味噌汁は逸品です。何気ない料理も美味しいのです。でも、私が死ぬ頃に母はきっとこの世にいないことに最近気づいたのですが。

 と、思い切り母を立てるところからはじまったのは、今回は懺悔的な話だからです(笑)。

当たり前のように家族全員分の食事を作りはじめた母

 2年ほど前、離婚をして息子を連れて実家に出戻ってきた私。これから毎日のご飯をどのようにしていこうか?と、内心、悩んでいました。私と息子の2人分の材料を買ってきて作るのも、なんだか“これみよがし”な感じだし、かといって、家族全員分はお金も時間も手間もかかるし……。

 そんな私の心配をよそに、母はその日から当たり前のように家族全員分の食事を作りはじめました。しかも、息子が食べられるように、薄味だったりスパイスを抜いたりしながら。

 私は、そこにちゃっかり乗っかって過ごしているわけです……食事の時間にやることといったら、お皿の準備&洗い物くらいでしょうか。

 さらに、毎朝「晩ご飯、何食べたい?」と聞かれて、「お好み焼き!」「ハンバーグ!」「唐揚げ!」「ミートソース!」「鍋!」などなど、まるで小学生のような回答をしている始末です。

 それに対して、「あ〜よかったわ! 今日の献立が決まって♪」と、嬉しそうに言う母。どこまでも天然記念物のような人です。

ばぁば料理で舌が肥えてきた息子

 そんな母の料理は、とにかく手が込んでいます。たかが「カレー」にしたって、牛すじ肉を何時間も煮込んでみたり、チャーシューの味を完成させたいからと大鍋で煮汁を作って毎週豚バラブロックを買ってきたり、新レシピを開拓したりと勉強熱心。

 息子も、もちろん大好きなばぁば料理。中でも、一番の大好物で唸りながら食べているのが、「手ごねハンバーグ」。外食でハンバーグが出てきたら「ばぁばのほうが美味しい……」と、食が進まないほど、舌が肥えてきている様子。

 それに対して、黙々と料理を食べるだけで、“上げ膳据え膳は当たり前”のスタンスの九州男児で寡黙な父。騒がしい娘と口やかましい孫は「うーん! 美味しすぎる!」「最高!」「じいちゃん! 美味しいの? ちゃんとばぁばに言わないと!」なんて、茶々を入れまくります。

 なんだかんだで食卓はにぎやかになっていて、母も作り甲斐があるようです。

「ママの料理の中ではパスタがいちばん美味しい!」

 家族が外出している時など、息子と2人きりの時には私も作ります。ちゃちゃっと作れる手抜き料理を……。

 たとえば、「パスタを茹でて、レトルトをかけただけ」「納豆&しらすおやきを作って海苔で巻いただけ」「『なんでもプレート』と称して、卵焼きや冷蔵庫のおかずをプレートに乗せただけ」などなど。

 そんな2人の食事時間はすごく楽しく、テレビを見ながら食べたり(食事時にはテレビ禁止の実家)、全部「あーん」をして食べさせたり、ご飯と同じプレートにプリンを載せたりと、なかなか自由な満喫時間ではあるのですが……。

 しかし、ある日、「ママの料理の中ではパスタが一番美味しい!」と、息子が家族に話しているのを聞いてしまいました。これは、レトルトたらこをかけただけのパスタのこと。「ガーン」とした気持ちになりました。

孔井嘉乃
記事一覧
作詞作曲家・ライター
3歳からピアノを始め、現在は作詞作曲家&シンガーソングライターとして活動中。2014年からウェブライターとしての活動を開始。得意ジャンルは美容、恋愛、ライフスタイル。コスメコンシェルジュ、日本化粧品検定1級、ベビーマッサージ資格、乳児心理+児童心理資格取得。
2016年、ママユニット「mamakanon」を結成。活動5年目にして、YouTube再生回数1,200万回達成。2020年、フレンチシンガーバイオリニストソングライターとのDuo「ellipsis」を結成。両者の絶対音感を活かしてカバー演奏などを行う。
1児のママ。特技は早起き。ウィスキーが好き。

◇孔井嘉乃公式サイトmamakanon公式 YouTubeチャンネルellipsis公式 YouTubeチャンネル

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


今日の議題はにゃに? 夕暮れの猫集会でポロリ“にゃんたま”
 猫の島、日暮れ近くに猫の集会にお邪魔しました。  おのおの一定の距離を保って、茶白、黒白、サビ、三毛、キジ、サバ...
“生活習慣病”も予防して! 介護は認知症だけじゃないんです
 日本は長寿大国です。誰しも安心して生涯を全うできるとしたら、高齢であることはとても素敵なこと。しかし、介護士でもある筆...
月吹友香さん<前> 私がR-18文学賞で高齢者の性を描いた真意
 読書の秋到来。直木賞や芥川賞、日本推理作家協会賞に本屋大賞……国内には数多の文学賞がある中で、「R-18文学賞」(※)...
犬でなく人間だったらと思うと…モラ気質なワンコの実態3選
 モラハラ気質は、人間だけに限ったお話ではないのかもしれません。「うちの犬が人間だったら、モラ男(モラ女)に違いない…」...
子宮全摘だけでもつらいのに…腸閉塞で長さ190㎝の管を挿入
 私は42歳で子宮頸部腺がんステージ1Bを宣告された未婚女性、がんサバイバー2年生です(進級しました!)。がん告知はひと...
お日様パワーでモテにゃんに…ぽかぽか日光浴“にゃんたま”
 きょうのにゃんたまωは、雨上がりの日光浴。  濡れた毛を乾かして、お日様パワーでぽかぽかリラックス♪  気...
魔法の鍋! 自動調理鍋の購入でキッチンはどう変わったか?
 最近話題の自動調理鍋。材料を入れてスイッチを押すだけで、料理ができてしまうという優れもののようです。少しでもラクをした...
癒し系の彼女になって? 恋愛はそういうサービスじゃない!
 あなたには理想の恋人っていますか? 「優しい人がいい♡」「背が高くて色白がいい♡」「お金持ちがいい♡」  好きなタ...
共感されないけど…子どもを欲しいと思わない女の4つの理由
「子どもが欲しいと思わない」――。女性がポツリともらすと、男女問わず「どうして!?」「なんでほしくないの?」と質問責めに...
人はなぜ死者に花を手向けるのか? 古代から続く花のチカラ
 お花屋さんという御商売は、本当にさまざまなお客様のいらっしゃる場所でございます。ワタクシのお店は神奈川でもちょっぴりカ...
都会男子にスナックがブーム?おしゃれな20代男子が集うワケ
 スナックといえば従来は、場末な雰囲気でおじさんが多くて、煙たいイメージが強かったかもしれません。しかし、今そんなスナッ...
レディーファーストは常識!成熟“にゃんたま”デートに密着
 にゃんたマニアのみなさんこんにちは。  きょうは、にゃんたまωデートを後ろから大接近!  猫の写真週刊誌が...
なぜ内縁の夫や再婚夫はシングルマザーの連れ子を虐待する?
 女性の連れ子を虐待する内縁の夫や再婚夫の事件があとを絶ちません。一体どうしたら彼らの凶行を防げるのでしょうか。虐待する...
「親族が認知症かも?」と思ったらチェックすべき5つのこと
 自分の親や親戚が“高齢者”と呼ばれる年齢になると、些細なもの忘れに「認知症かも?」と思うことはありませんか。どんな人も...
子宮全摘手術からパン食まで回復も「腸閉塞」疑惑がぼっ発
 私は42歳で子宮頸部腺がんステージ1Bを宣告された未婚女性、がんサバイバー2年生です(進級しました!)。がん告知はひと...
ホストクラブではどんな時にシャンパンコールを行うのか?
 ホストクラブで夜な夜な飛び交うシャンパンコール。大勢のホストに囲まれてワッショイされるなんて、女子にとって夢のような時...