冷蔵庫にあるものでちゃちゃっと
関山さんの「おつまみ哲学」とは何でしょうか?
「家にあるもの、冷蔵庫にあるもので飲んでるうちにできちゃうものかな?」
この哲学を見事に具現化したのがこのメニューです。ジャガイモ、キャベツならば、冷蔵庫にありそう。ザクザク切って、ベーコン、ニンニクのスライスと20分間茹でるだけです。
「これをザルでこすのですが、茹で汁は捨てません。ものすごく、おいしいスープになるからです。茹で汁は別にとっておく。あとで味噌汁にしてもいい。こしたらマッシュする。それを平べったくまとめて、オリーブオイルで焼き色をつける。これだけです」
素朴な味。しかし、野菜の甘味、豚の塩気がマッチして奥深いです。スペインの北の方の料理だといいます。スッキリとした白ワインが進みます。
「これは普通のベーコンですか?」
思わず聞くと、こんな答えが。
「自家製ですが簡単です。ばら肉にベッタリ塩をつけて3日間冷蔵庫へ。1時間くらい水をかけて塩抜きしたら、冷蔵庫でひと晩、ラップもかけず、乾燥させる。翌日、アルミホイルをかけて、10分間くらいスモークするんです」
だから、ほとんど生肉。なるほどうまいダシが出るはずですが、この手間暇もダンツマの楽しみです。
【材料】(2人分)
・メークイン 150グラム
・キャベツ 150グラム
・ベーコン 40グラム
・ニンニク 1片
・塩 適量
【作り方】
1. 野菜は乱切り、ニンニクはみじん切り、ベーコンは粗みじん切り
2. 鍋に水を入れて材料をすべて煮込んだ後、こしてマッシュポテトのように潰して塩を振る
3. 円盤状の形にして、両面をこんがり焼く
本日のダンツマ達人…関山真平さん
▽せきやま・しんぺい
いまや、予約が取れない名店として有名な関山米穀店のオーナーシェフ。米屋みたいな名前だが、ワインを飲ませる名店だ。店は10人くらいでいっぱいになる。カウンターの中はオープンキッチン。そこで1人で腕を振るう。鮮やかな手つきと手際の良さは見ているだけで楽しくなる。
▼関山米穀店
祖父から続いた米屋を関山さんがレストランに。東京都千代田区神田小川町3―9 ℡03・5244・5446
(日刊ゲンダイ2017年7月12日付記事を再編集)
フード 新着一覧