「毒親育ち」の彼の強引なフェラチオと甘美な愛撫に溺れて#3

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2022-03-03 22:34
投稿日:2022-02-04 06:00
「毒親育ちの会」で長身の美青年と知り合ったC子さん(28歳公務員/独身)。意気投合した二人は毎日LINEで連絡を取るようになり、十日後にデートする流れに……。
 久しぶりに味わうトキメキに、C子さんはすっかり舞い上がってしまった。そして、デートのあと、二人は新宿のラブホテルへ。
 幸せだったのも束の間、裸になった彼の両腕には、無数のリストカットの跡があった。驚愕した直後、彼はC子さんの顔にまたがり、無理やりペニスを口にねじ込んできて――。

前回までの話はコチラ→第1話第2話

サディスティックな行為でも寄り添いたいと…

妙な安堵感のワケは(写真:iStock)
妙な安堵感のワケは (写真:iStock)

ーー衝撃です。続きをお話ください。

「本当にショックでした。彼・Gさん(34歳カメラマン助手/独身)は温和な印象が強く、話し方も穏やかでした。彫りの深い美しい顔立ちに惹かれてしまったのも事実です。

 でも、無数のリストカットの跡だけでも衝撃的なのに、強引に私の顔にまたがって、強制的なフェラチオをさせるなんて……。

『毒親育ちの会』という苦しい育ちだからこそ互いを支え合い、愛情深く付き合えればいいと思っていたのに……ショックで一瞬、頭が真っ白になりました。

 でも、口内に突き入れられた勃起に、私は無意識に舌を絡めていたんです。

 強引な行為にもかかわらず、私は、彼が『こんなサディスティックなフェラチオを求めるなら、彼の意志に寄り添いたい』と、懸命にしゃぶりました。

 彼の勃起はさらに私の口の中で膨張して、硬さを増していって、苦しさと同時に、私……妙な安堵感がありました」

「必要とされている」という安堵感

自分には価値があるんだと思いたかった(写真:iStock)
自分には価値があるんだと思いたかった (写真:iStock)

ーー安堵感、ですか?

「はい、以前話したように、私は恋人がいてもしばらく付き合うとフラれることが多く、自然消滅も少なくありません……。だから強引な形でも『私を必要としてくれる』『私は彼のために役立っている』と変な認識をしてしまうんです。

 これは、毒親育ちだからこその自己肯定感の低さからくるものかもしれません。

 常に親の顔色を見ながら育ちました。親には『他人に迷惑をかけるな』『我が家の恥になるような言動はするな』『礼儀正しく、優秀であれ』と言われ続けました。

 親に褒められたことはほとんどありません。減点法で育てられ、自分は価値がない人間だと何度思ったかしれません。

 だから、恋焦がれるGさんから暴虐的な行為を受けても『Gさんを失いたくない。彼に捨てられないよう、彼に気に入られなくちゃ』という意識が働いていたんです」

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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