揚げ焼きで野菜の食感を残す「シュリンプ・ラタトゥイユ」

コクハク編集部
更新日:2019-05-30 04:35
投稿日:2019-05-03 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は横浜・野毛のビストロ「ジィーロ 」の市川路朗さんに、野菜もたくさん摂れておかずにもなる「シュリンプ・ラタトゥイユ」のレシピを教えていただきました。
合うお酒=赤ワイン(C)コクハク
合うお酒=赤ワイン (C)コクハク

 フランス料理の定番ラタトゥイユは、店や家庭によってさまざまなバリエーションがあります。今回は、玉ネギとパプリカ、ズッキーニ、ナスの定番4食材をアッサリと仕上げるスタイルです。

「ラタトゥイユは、応用が利きやすい料理で、鶏肉を加えるとメインのおかずになります。それだけに、基本はアッサリ仕上げを覚えておく方が、味つけをアレンジしやすいのです」

 最初に玉ネギを炒めるのは甘味の抽出のため。ハンバーグやカレーなどでもおなじみで、簡単です。ポイントは3番目の行程とのこと。

「パプリカは加熱すると甘味が増しますが、炒め過ぎは食感を失います。ナスとズッキーニは、油を吸いやすく、これも炒め過ぎは禁物。この3つは、多めのオリーブオイルで揚げ焼きする感覚で手早く仕上げるのが、味も食感も見た目もよくする秘訣です。フライパンに3つを入れたら、塩を2つまみ程度加えて、食材から少し水分が出てきて軽くしんなりするくらいが目安。強火でサッと、です。煮込みますから」 

 そこさえクリアできれば、煮込みもエビのソテーもハードルは低めです。

「仕上げのオリーブオイルは、エキストラバージンがベターです」

 なぜエビ? と思っていたのですが、食べて納得。食感を意識して火を加えた野菜は、プニッとしたエビの食感に近いのです。口の中で噛みしめるたびにエビのウマ味と野菜の甘味がひとつにまとまって、エキストラバージンオリーブオイルが、深みを加えています。まるで和食のような繊細さ。大人のラタトゥイユをご自宅でもどうぞ。

【材料】

・玉ネギ       1個
・パプリカ赤・黄  各1個
・ズッキーニ     2本
・ナス        3本
・ニンニク      1片
・ローズマリー    1枚
・ローリエ      1枚
・塩         適量
・こしょう      適量
・オリーブオイル   少々
・むきエビ      10尾
・トマト缶      1缶

【レシピ】

 

1. 玉ネギ、パプリカ、ズッキーニ、ナスは2センチ角に切っておく。
2. 鍋にオリーブオイルとニンニクを入れる。弱火でニンニクの香りを出したら、玉ネギを加えて透明になるまで炒め、塩を少々振る。
3. フライパンに多めのオリーブオイルを入れて強火にかけ、パプリカ、ズッキーニ、ナスを手早く揚げ焼きし、塩を少々。
4. 3を2の鍋に入れ、トマト缶、ローズマリー、ローリエを加えて10分ほど煮込む。粗熱を取ったら、冷蔵庫で冷やす。
5. フライパンでむきエビをソテー。塩とこしょうを加えたら、これも粗熱を取る。
6. 4と5を混ぜて、器に盛りつけたら、オリーブオイルをかけて出来上がり。

今日のダンツマ達人…市川路朗さん

▽いちかわ・じろう
 ハイアットリージェンシー東京のホテルで修業を積んで横浜へ。シェラトンとロイヤルパークで料理長を務める。4年前に独立し横浜・野毛に店を構える。

▼ジィーロ
 ホテル並みの食材と料理をカジュアルな雰囲気の中、リーズナブルな価格で提供するビストロ。各地の猟師と提携してシカやイノシシなどのジビエも人気。
横浜市中区野毛町1―29
℡045・315・6924

(日刊ゲンダイ2018年3月23日付記事を再編集)

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