現代と違う? 15年前の“パパ活”マンガを読み直してみました

内藤みか 作家
更新日:2019-05-05 23:11
投稿日:2019-05-02 06:00
 先日、15年前のちょっと過激な少女漫画『娼婦ハルミン物語』を読み直してみました。援助交際をする10代の女の子が主人公なのですが、まだ「パパ活」という言葉がなかった時代と、現代のパパ活事情とを比べてみると、いろいろなことが見えてきたのでした。

お値段は今のほうが高騰気味?

『娼婦ハルミン物語』は、漫画家の水槻れんさんが描き、2003年に講談社コミックスデザートから刊行された作品です。ハルミンと呼ばれる女の子は、男性から呼び出されると1回3万円という明朗会計でベッドを共にします。「もうすぐ20歳」と言っているので、おそらく19歳なのでしょう。彼女を呼び出した男たちは皆「すごく可愛いね」と喜ぶので、相当な顔のレベルのようです。時にはチップだよと言われて1万円多い4万円をゲットし、ラッキーと喜んでいます。

 一方、現代に蔓延しているとも言われるパパ活女子はどんな感じなのでしょう。彼女らも可愛い子は1回3万円はもらえるという話です。けれど、パパ活女子がするのはお食事だけ。ハルミンのように身体を張らなくても同額がもらえてしまうのだから、随分と価格が高騰したようにも感じてしまいます。逆に言えば、身体の関係なしで3万円出してしまうパパたちが、だいぶ草食化してしまったのかもしれません。

描かれているのは性感染症の恐怖

 この漫画では、恐ろしいことが描かれています。ハルミンは援助交際を始めた最初のころは、不特定多数と性交渉を持ち、いろいろな病気を移されてしまうのです。それに懲りた彼女は途中から避妊具をつけて商売するようになるのですが、その不安は完全に消えたわけではありません。キスなどの粘膜での接触があれば、感染するおそれがあるからです。

 それでは現代はどうでしょう。パパ活でしているのはお食事だけのはずですから、感染の問題は全く関係ないと思われます。けれどデータを見ると不思議なことに、梅毒の感染者がかなりの勢いで増えており、東京と大阪がとくに数が多く、大阪市では平成27年以降女性の感染者が急増しているというデータを公開しています。なかでも全女性のうち10代から30代の感染が8割にもなっているのだとか(大阪市調べ)。これはいったいどういうことなのでしょうか。

不特定多数というおそろしさ

 性感染症の増加には、外国人男性との性交渉を原因とする説もあり、パパ活だけが原因であるとは思えません。もちろん一部には食事以上の行為をしているパパ活女子もいるのでしょう。けれどそれだけでなく、いわゆる不特定多数の男性と性交渉をしてしまう女性が増加していることもあると私は感じています。

 世の中にはマッチングサイトという名前の出会い系サイトがどんどん増えています。どんどん増えている理由はそれだけ利用者が多く、業者が儲かるということ。大抵は女性は料金無料なので、業者は男性から月々の利用料やマッチングの謝礼を受け取り利益を得ているのです。男性からすればパパ活女子にお金を払うよりも安い料金で女性と出会えて、しかもうまくいけばエッチもできるのですから、おトクで、だからニーズもあるのでしょう。

複数恋愛が性感染症を呼ぶ

 私の周りには恋人がいるのにこうしたサイトを利用して浮気相手を探す女性が何人もいます。アプリを通して女性が知らない男性と出会い、その時に病気に感染したら、今度は彼氏にも感染させてしまうかもしれません。実際そんな事態に陥り、一気に修羅場となった人がいます。その女性も彼氏も病院に行かなくてはならなくなってしまったので大変でした。結局浮気を許してもらえず、結局彼氏とは別れてしまいました。

 最近はポリアモリーなどと言われる複数恋愛がもてはやされています。複数の異性と性的に関係してもいい、と考える人がいるのです。けれど、そうした関係は、感染とも背中合わせで、パートナーにも迷惑をかけてしまう可能性があるという覚悟は必要かもしれません。

本当の愛を知った時に後悔しないために

 結局、娼婦ハルミンはどうなったかというと、ある日、とても好みの男性と知り合います。彼とは体の関係もまだなのに、一緒にいるだけで、なんだかとても幸せな気持ちを味わえるのです。本当の恋を知り、大切な彼と結ばれたくなった瞬間、彼女は性感染症かもしれない自分のリスキーな身体に初めて衝撃を受けたのでした。読んでいてとてもせつなくなるお話です。

 アプリで簡単にその夜にベッドを共にできる異性と出会えてしまう現在の世の中で、不特定多数の男性と関係を持っている女性たちも、真実好きな人に出会ったときに後悔をすることがないように、慎重な行動をすることが必要なのかもしれません。

内藤みか
記事一覧
作家
著書80冊以上。大学時代に作家デビューし、一貫して年下男性との恋愛小説を書き綴る。ケータイ小説でも話題に。近年は電子媒体を中心に活動。著書に「あなたに抱かれたいだけなのに」など。イケメン評論家として、ホストや出張ホストなどにも詳しい。
XInstagram

エロコク 新着一覧


女性向け風俗のコスパ#3…官能のテーマパークでスリル体験
「お金を払って本番ナシだなんて、女はそれで満足できるの?」「AV男優になる自信はないけど風俗でなら働きたい」――。この連...
敏感なところに適切な振動を送ってくれる新作「イロハ」
 好きなコスメブランドから新作が出ると何度でもワクワクできる……。女性のみなさんには共感してもらえるかな。  新...
桃子 2019-11-12 04:40 エロコク
浮気編<1>浮気男のLINE公開処刑!ゼンメイが泣いた一件とは
 わたしとひろし(非仮名w)の48歳差の激しすぎる恋――男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものか。ホッ...
女性向け風俗のコスパ#2…買ったのはイケる体と女の自信
 女性用風俗は彼氏がいない人だけが利用しているわけではありません。でもそれって彼氏を裏切っていることになるんじゃない? ...
男性は基本的に女性の「おっぱい」と「顔」しか見ていません
 このコラムは、あくまで私の経験上の話です。男は基本的に「おっぱい」と「顔」しか見ていないというは、到達したひとつの結果...
理想のご主人様と思ったら…あまりの体毛に舌と唇がKO負け
 深志美由紀の実録出逢い系体験談、第3回です。  いつの間にか、普通のセックスでは興奮できない――SM系のプレイにハマ...
初心者から中級者までオススメ 細やかな振動の美ローター
 ラブグッズを買う時に気にしてほしいのが“素材”です。女性の体で最もデリケートなところに使うのですから、それによってかぶ...
桃子 2019-11-12 04:40 エロコク
結局は若さだけ? 20年後の令和女子を狙い始めた独身男子
 たとえ女性のあなたがいくら文句を言っても、SNSに愚痴を書き込んだとしても、男性の大多数は何だかんだ言って「若い女子が...
同棲編<4>【女の力量】男の腐った嘘を信じてあげる愛(試し)
 わたしとひろし(非仮名w)の48歳差の激しすぎる恋――男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものか。ホッ...
コスパ至上主義男子の見分け方 彼らが重視するCPSって何?
 最近「コスパ男子」という言葉をよく耳にしませんか?  コスパは、コストパフォーマンスの略であり、「コスパ男子」は...
「また遊ばれた」愚痴る女性は同性に嫌われ男から喜ばれる
 今回は、世の女性陣に注意喚起をするためのコラムを書かせてもらいます。少しでも恋愛がうまくいくよう、そして女性同士の仲を...
マッサージされている男性を眺めるだけ 女性向け動画が人気
 女性エステティシャンの指が、若い男性の身体全体を数十分間に渡り、ひたすら撫で回す。男性はうっとりと至福の表情を浮かべ…...
内藤みか 2019-05-27 06:00 エロコク
3本の足でクリをモミモミ…あの手この手で攻めたい貴女へ
 現在、クリトリスを“吸引”するローターが世界中を席巻しています。でも女性の性感帯の中で最も敏感なクリトリスなのだから、...
桃子 2019-11-12 04:39 エロコク
生え際フェチ、密接距離侵入…オリジナルプレイで得る快感
 あなたは、どういった性の願望を抱いていて、ひそかに何をしたい/されたいと願っていますか。自分の性癖の形を知れば、もっと...
大泉りか 2019-06-15 15:30 エロコク
同棲編<3>恋愛に妥協できない男の、最も長く続く愛とは?
 わたしとひろし(非仮名w)の48歳差の激しすぎる恋――男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものか。ホッ...
女性向け風俗のコスパ#1…彼氏とは違う“プロの技”の料金は?
 女性だって「最近、性欲がたまっているな~」と思うことはありますよね!   そんな時に、必ずしも彼氏がいるとはかぎ...