性交時のアソコのひきつれは膣の乾きが原因?【専門家監修】

コクハク編集部
更新日:2023-04-13 06:00
投稿日:2023-04-13 06:00

4. 膣のひきつれには漢方薬もおすすめ

 膣のひきつれに伴う違和感や痛みといった症状には、漢方薬でからだの内側からアプローチするのもおすすめです。

 更年期の不調は、漢方薬が得意とする分野で、婦人科などでも処方されています。

 膣の痛みや違和感の原因は、ホルモンバランスの乱れや膣の粘膜への血流不足などと考えられています。

 デリケートゾーンの痛みや違和感に対しては、

・女性ホルモンのバランスを整える
・水分の循環をよくして膣にうるおいを与える
・血流をよくして膣に栄養を届け、膣粘膜の働きを回復させる

 といった働きのある生薬を含む漢方薬を選び、根本改善を目指します。

 漢方薬は自然由来の生薬の組み合わせによって、血流を改善し、膣に栄養や酸素を運ぶことで機能を回復することを得意としています。

 意識した食事や日々の膣ケアを毎日続けるのは苦手という方も、症状や体質に合った漢方薬を毎日飲むだけなので、手間なく気軽に継続できます。

 それでは、膣のひきつれをはじめとする膣のトラブルに悩む女性におすすめの漢方薬をご紹介します。

<膣のトラブルに悩む女性におすすめの漢方薬>

・当帰飲子(とうきいんし):体力中等度以下で、冷え症の方にかゆみを抑える生薬や、うるおいを保つ生薬などの成分で構成され、更年期に不足しがちな「血(けつ)」(栄養)を補います。乾燥による湿疹や皮膚炎などにも使われます。

・八味地黄丸(はちみじおうがん):体力中等度以下で、疲れやすい方にからだを温め、うるおいを補う生薬で構成され、主に加齢による下半身の機能低下を改善します。冷えや泌尿器系のトラブルにも使われます。

・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):体力虚弱で、からだが冷えやすい方に「血(けつ)」の不足を補い、血行をよくして水分代謝を整えることで膣に栄養を届け、バランスを整えます。

 ただし、漢方薬を選ぶ際には自分の体質に合ったものを選ぶことが大切です。体質に合っていない場合は、効果が出ないだけでなく、副作用が起きることもあります。

 購入時には、できる限り漢方に精通した医師、薬剤師等にご相談ください。

5. 膣トラブルは我慢しない!

 必死にメモを取るまどかさんを見つめながら、えりのボスはつけ加えます。

「不規則な生活、無理なダイエット、ストレスといった、乱れた生活習慣からでもホルモンバランスは影響を受けるのよ」

「そうなんですね……。年齢のせいにせず、セルフケアや日々の心がけで解決できることはありそうです」

「定期的に健診を受けることも忘れずに」

「はい!」

 明るく頷き、笑顔でサロンを後にしたまどかさん。

「また気になることがあったら、サロンへいらっしゃい」

 えりのボスは、笑顔のまどかさんに優しく手を振りました。

★サロン「コクハク」のオーナー えりの

 顔と口調は若いものの、年齢不詳。タヌキか妖怪の噂も囁かれる謎めいた主人だが、ココロやカラダ、健康に関する知識はズバ抜けており、何気にハイスペック。ムスメ時代に苦労してるため、自分より“後輩”の女にはしあわせになって欲しいと願っている。愛称は、えりのボス。

(漫画/腹肉ツヤ子

  ◇  ◇  ◇

<この記事の監修者>

あんしん漢方薬剤師 中田 早苗(なかだ・さなえ)

 デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-youtubeチャンネルでは、お薬最適化薬剤師として「無駄な服薬はお財布と体の敵!」をモットーに薬の最適な選び方を解説する動画を公開中。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

「あんしん漢方」を詳しく見てみる

YouTube「Medical Health CH」

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

ビューティー 新着一覧


1週間で効果を実感!? 禁酒ダイエットに無理なく取り組むコツ
 ダイエットといえば、食事制限や運動などが一般的ですが、今「禁酒ダイエット」が話題なのをご存知ですか? もし毎晩お酒を飲...
【2022年アツかった記事】アラフォーの性交痛 相性悪いから濡れない?(薬剤師監修)
【えりのボスの「あと半歩で幸せ」】 (2022年7月に公開したものを一部変更し、再掲した記事となります)  ※ ...
膣から湯が漏れる!女力を取り戻す膣トレ講座【専門家監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
隈取になってない!? “メイク下手”アラフォーあるあるを再現
 年齢を重ねていくにつれてシミやシワ、くすみが気になるのは普通のこと。でも、コンプレックスなどを隠すためにメイクをしたの...
ピルの「オンライン処方」ってどうなのよ? PMSと生理痛に悩むコクハク編集部員が“不安あるある”の疑問をぶつけてみた
 東京・中央区にあるコクハク編集部。「あー寒い、寒い」とひざを突き合わせ、ああだこうだと談議するのは、『ピルのオンライン...
40代のすっぴん外出を考えてみた! 距離、手抜きNGパーツは
 コロナ禍でマスク生活が長引く中、「これを機に美肌を目指そう!」とすっぴん生活を送る人は増えているようです。ただ、世間の...
デリケートゾーン洗うとしみるんですけど!2022.12.26(月)
 私のデリケートゾーン(外陰部)に起きた“異変”は、ある日突然、何の前触れもなくやってきました。  いつものように...
安っぽいクシ&ブラシから卒業! 買って大正解だった3タイプ
 ショートカットにしてから、クシがスタイリングの必須アイテムになりました。アホ毛や髪の絡まりなどを整え、スムーズな手触り...
カシミヤは自宅で洗濯できる? お手入れ方法や洗い方のコツ
 軽くて暖かくて着心地の良いカシミヤは、マフラーやセーターなど冬にとても重宝する素材ですよね!  でも気になるのがお...
3,030円の努力!健康ランドを朝に晩に美容的に活用してみた
 書店員として本を売りながら、踊り子として舞台に立つ。エッセイも書く。“三足の草鞋をガチで履く”新井見枝香さんの月イチ連...
ついに下の毛にも白髪が! 4つの原因と今すぐやりたい対策法
 年齢を重ねていくと生えてくる白髪。女性は老けて見られないように抜いたり染めたり、さまざまな対策をしているでしょう。でも...
性交痛の原因は膣の乾燥?レスを防ぐ保湿方法【専門家監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
痩せる気はある! ダイエット言い訳あるあるを封印する方法
 これまで、あらゆる種類のダイエット方法を試してきたけれど、長続きしなかった人は多いですよね。痩せたいと思っているのにつ...
20代が残念に思う アラフォーの「残念チーク」を画像で解説
 チークは、アラフォーになったら絶対に使ったほうがいいコスメだと、筆者は自信をもって宣言します!  顔の血色を上げ...
「タバコくさっ」飲み会後にも役立つ! 服の臭いを消す方法
 どんなにおしゃれで素敵な女性でも、すれ違った時にいい香りがするのとタバコ臭いがするのとでは印象が大違いですよね! でも...
月経カップはいつ捨てる? 素朴な疑問からお手入れ方法まで
 生理の時期って、ナプキンの交換や経血の漏れが気になってリラックスできませんよね。最近では「月経カップ」というアイテムが...