春恒例の「桜そば参り」今年も行ってきました 2023.4.6(木)

コクハク編集部
更新日:2023-04-06 07:25
投稿日:2023-04-06 06:00
 桜が満開のピークが過ぎて、場所によっては葉桜も出てきました。すっかり春の様相ですが、私には本格的な春を迎える前に訪れなければいけない場所があります。大学生の頃から通う吉祥寺のお蕎麦屋さんの「桜そば」を食べないことには、春が来た気がしないのです。

お花見シーズンの吉祥寺は人だらけ

「手打ちそば ほさか」は吉祥寺駅の公園口から徒歩30秒ほどのビルの地下にあるお蕎麦屋さん。昭和53年開業の老舗です。

 お店に着いたのは16時、ピーク時を避けたつもりが店内は満席で、すでに1組待っていました。待ちリストに名前を書くと私の後ろにも若いカップルが並び、その後も続々とお客さんが……。井の頭公園のお花見シーズンの吉祥寺、恐るべし。

 入り口の「桜そば」の張り紙に気持ちが高まります。なぜならこの時期だけのお楽しみだから! こちらのお店では「もり」の他に、茶そば、ゴマ、柚子、白雪、梅切りなど季節によって内容が変わる「変わりそば」を展開していて、桜そばは春の限定メニューなんです。

 お客さんが何組かはけたので席に通してもらい、お目当ての変わりそば(920円/税抜き・以下同)と野菜天ぷら(660円)を注文。すると、店員さんが「本日の変わりそば」のホワイトボードから「桜そば」を消しました。どうやら、私が注文した分で一旦終了した様子。間に合ってよかった~!

野菜天ぷらは「ひとりひとつ」で!

 さて、先に運ばれてきた野菜天ぷらをいただきます。、茄子、にんじん、エノキ、しめじ、大葉、さつまいもがお行儀よく並んでいます。

 カリカリ食感のあとにジュワ~とひろがるキノコの旨味。レンコンはホクホク、茄子はジューシー、にんじんは甘い! 野菜嫌いな子も、この天ぷらならぺろっと食べられそうです。

 蕎麦屋で天ぷらを頼む場合、ともすると「ひとつ注文してドラフトで決めようか」となりがちですが、こちらはぜひとも“ひとりでひとつ”をおすすめします。お互いに遠慮したり第一志望を探り合っているうちに、揚げたてのタイミングを逃してしまっては、もったいないですからね!

本日の主役が登場!

 ここで、本日の主役の桜そばが運ばれてきました。ほんのりピンク色に染まったおそばの上に桜の塩漬けがのっています。見た目も春らしくてかわいい。

 一口目はつゆにつけずにそのままいただきます。そばを口に入れると甘い香りがふわっと鼻に抜けました。「そばなのに甘いってどういうこと?」と思うかもしれませんが、桜もちを食べたときのあの香りです。

 実は、あの香りの正体は「クマリン」という芳香成分によるもので、桜の葉をつぶしたり、塩漬けすることで葉の中の糖分と酵素が反応して発生するのだそう。

 確かに、普通に桜の葉や花を嗅いでもあの香りはしないかも。なので、私たちが「桜の香り」と認識しているものは「桜もちの香り」なんですね。

 さて、ここでは「もり」を頼むと、細打ちの「せいろ」と太打ちの「田舎そば」を選べるのですが、桜そばは角が立っているタイプの細麺です。飲み込むとツルっとのどに落ちていきます。

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

フード 新着一覧


「シメサバとイチジクの前菜」切って盛りつけるだけでお洒落
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・渋谷のイタリアン「メリプリンチペッサ 渋谷...
「海苔の佃煮チンジャオロース」具と絡む濃厚なコクと照り
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は大阪・長堀橋「和旬 撫子」の卜部吉恵さんに、意外...
赤提灯メニューを気軽に!「箱シューマイからのエビチリ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・五反田の小料理屋「きになる嫁デラックス」の...
「トンノ・エ・ファジョーリ」ツナ缶と白いんげん豆のサラダ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・門前仲町のイタリアン「トラットリア ブカ・...
「ザンギのアジアン風」パクチーの根っこを捨てずに活用して
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・池之端の創作ビストロ「Cise」の宮武郁弥...
うま味がジュワ~ッとにじみ出る「しじみ出汁巻き卵」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・赤坂の居酒屋「がっしょ出雲」の野津宏太さん...
「仔羊のカレー煮込み 温玉のせ」卵を崩すタイミングに悩む
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・神保町のバル「Bal Marrakech」...
生もと系の酒にぴったり「腐乳拌魚生(マグロの腐乳和え)」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・千歳烏山の台湾料理店「天天厨房」の謝天傑さ...
「豚ひき肉とタケノコのレタス包み」パンチの効いた味と食感
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・築地の和食店「魚菜 まる富」の富成勝さんに...
みかんが香る「鯛のカルパッチョせとか風味のビネグレット」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は兵庫県・加古川のビストロ「ビストロ・エピ」の宮崎...
2つの新食感「生マッシュルームとプチヴェールのサラダ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・吉祥寺のイタリアン「パノラマ キッチン」の...
「カルボナーラ」多めの茹で汁でクリーミーな仕上がりに
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は福岡市・大濠公園近くのフレンチ「TTOAHISU...
「鶏のタコ焼き風」ソースとマヨネーズとかつお節で風味良し
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・江戸川区の立ち飲み居酒屋「カミナリ3ダー」...
【エビマヨとアボカドのパリパリピザ】餃子の皮でお手軽に!
 前回はパクチー餃子をお伝えしましたが、餃子の皮って……余りがちじゃないですか? そういえば冷蔵庫に餃子の皮が余ってたな...
ぐっち夫婦 2020-01-15 15:10 フード
「寅王しいたけのラクレットチーズ焼き」味のポイントは酒盗
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は北海道・札幌の和食店「酒と肴 類」の菊岡正輝さん...
味わいに変化 「チーズの味噌漬け」3日目と7日目を食べ比べ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・築地の創作和食店「やまだや」の高山和慶さん...