ずっと会っていない「昔の友達の誕生日」が忘れられない

小原玲 動物写真家
更新日:2023-11-09 06:00
投稿日:2023-11-09 06:00
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナガの写真とともに、勉強に仕事に恋愛に、毎日をがんばる私たちの背中を押してくれる、きょうのシマエナガちゃんの“ひとこと”です。

 学生時代の友達、すっかり疎遠になった相手なのに誕生日だけは覚えている。

 当時は誰かの誕生日にはなけなしのお小遣いで文房具を買った。何人か集まると少しだけいいものが買えて、大人になったみたいで楽しかった。

 1年に1回だからって、30回も40回も経験すればそろそろ新鮮味も薄れてくる。私たちもずいぶんと遠くまで来たもんだ。

 なぜかスマホに昔の友達の写真が表示された。

「久しぶり、誕生日おめでとう」とか送ろうかなと一瞬思ったけど、その後に続く言葉が思いつかなくて画面をそっと閉じる。突然そんなメッセージをもらった側も困るだろう。

 来年のきょうも、また同じことを繰り返している気がする。

小原玲
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動物写真家
1961年、東京都生まれ。茨城大人文学部卒。写真誌「フライデー」の専属カメラマンを経て報道写真家として国内外の雑誌での活動後、動物写真家に転身。近著に写真集「シマエナガちゃんの日々 - ぼくはここにいるよ -」(ワニブックス)や「Kiss!」(小学館)や「アザラシの赤ちゃん かわいいのヒミツ」(講談社)などがある。2021年11月、永眠。
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