皇室と週刊誌の“不幸な関係”はどんどん進む…悪いのはどっちなのか?

更新日:2024-06-09 17:03
投稿日:2024-06-09 17:00

 この国の皇室とメディアは以前から不幸な関係にあるが、それが最近さらに悪化してきているように思う。それを感じさせたのは週刊新潮(5月30日号)の報道だった。

 政府の有識者会議は2022年1月、皇位継承策として「女性皇族が婚姻後も皇室に残る」「旧宮家の男系男子を養子縁組で迎える」の2案を国会に提出した。だが、報告書を受け取った当時の細田博之衆院議長は、保守派への配慮もあってこの議論を避け続けた。

 それが昨年10月に議長が額賀福志郎に代わったとたん、意欲を見せ“前のめり”になったというのである。その理由をさる宮内庁関係者がこう明かしている。

「額賀議長は就任後、上皇ご夫妻に謁見する機会があり、その際に上皇后さまから『(皇位継承に関する議論を)よろしく進めてくださいね』というご趣旨のお声がけを賜っているのです」

 その真偽を確かめようと新潮が額賀に、「上皇后さまのご意向があったと聞きましたが」と尋ねると、「それまでの饒舌がうそのように突然沈黙。しばし静寂ののち、一方的に電話は切れてしまったのだった」(新潮)と報じたのである。

 上皇后が政治に関与したとなれば憲法に抵触する恐れがある由々しき事態である。宮内庁は早速、5月23日に西村泰彦宮内庁長官が定例会見で報道を否定した。

 だが、朝日新聞Digital(5月23日15時49分)によれば、「西村氏は『我々の回答に一切触れていないというのはちょっとアンフェア』とも述べた」という程度らしい。

 危機感がないというより、週刊誌報道なんかまともに相手にするかという底意が、私には感じられる。

 秋篠宮家の次女・佳子さまのお相手報道も過熱してきている。急浮上してきたのが、旧華族の中でも名門といわれる島津家の、佳子さまより1歳年上のメガバンクの男性である。

 4月13日に開かれた島津家の私的会合に、上皇夫妻、秋篠宮夫妻と共に佳子さまも参加したというのが根拠である。ここでも上皇后の意向があると一部週刊誌に報じられている。

 ハイエナのごとき週刊誌は、くだんの男性を追いかけ、待ち伏せして直撃するが、「よくわかりません」と丁寧に答えるだけだ。だが、彼が「当確」となったら凄まじい取材合戦にさらされることは明らかである。宮内庁はどう対処するのだろう。

 やはり秋篠宮家の長男・悠仁さまの大学進学問題もヤマ場である。週刊文春(6月6日号)では筑付高の同級生のA君が、「ひーくん(悠仁さんの愛称=筆者注)が東大の学校推薦に選ばれたとしても、別に驚きません」「学内でも成果をプレゼンし合う発表会がありますが、誰の研究のレベルが高いかというのは聞いていたら分かる。彼の発表のレベルが高いのは皆分かったと思います」と言っている。

 にもかかわらず文春は、トンボの記録を継続するということを6歳で思い立つとは思えない。両親に言われ、秋篠宮家の職員たちが手を貸した「上げ底」ではないか。「一般入試で合格するほどの学力とも伝わってきていません」(秋篠宮家関係者)と、“いいがかり”のような記事作りである。

 国民は皇室情報の多くを新聞、テレビからではなく週刊誌から知るのである。小室眞子さんのケースのように週刊誌が世論を形成していくのだ。今のような皇室(宮内庁)と週刊誌が、お互いを無視か敵対したままの状態は、国民にとって不幸だといわざるを得ない。(文中敬称略)

(元木昌彦/「週刊現代」「フライデー」元編集長)

エンタメ 新着一覧


NHKさん、経費削減のあおりですか?スズ子の米公演シーンは写真だけ
 アメリカ行きを決めたスズ子(趣里)だったが、愛子(小野美音)は置いていかれることにすねてしまう。  旅立ちの直前...
桧山珠美 2024-03-05 15:35 エンタメ
“電撃婚”大谷翔平の心を射止めた妻はプロ中のプロ彼女。目標はダル夫婦?
 2月29日16時42分のことでした。NHKで衆院政治倫理審査会(政倫審)の中継を見ていたら、<大リーグ・大谷翔平選手 ...
【台湾ルポ】台湾人の祈り方「拜拜」が酔狂的でエキセントリックすぎる!
 日本からのアクセスも良く、週末や連休を利用して旅行が楽しめる海外として人気の「台湾」。台湾グルメを満喫したり、観光スポ...
2024-03-07 18:24 エンタメ
「買い物ブギ」圧巻のステージ!“キングカズ長男”覚醒、スズ子の虜に
 ワンマンショーに向けて稽古や衣装合わせが続く中、スズ子(趣里)は新しいマネージャーのタケシ(三浦獠太)の様子を見て不安...
桧山珠美 2024-03-01 14:30 エンタメ
タナケン「業界」発言に違和感 喜劇界でも演劇界でもないワードチョイス
 タナケン(生瀬勝久)が入院したと聞き、山下(近藤芳正)とスズ子(趣里)は、タナケンの見舞いに行くことにする。  ...
桧山珠美 2024-02-27 15:05 エンタメ
NHKさん、スーパー家政婦・大野さんのレシピ本出版のご予定は?
 大野(木野花)が家政婦としてスズ子(趣里)の家に来て半年、愛子(小野美音)はニンジンを食べられずにスズ子を困らせていた...
桧山珠美 2024-02-26 16:00 エンタメ
芦田愛菜が少し嫌いになりそう…「さよならマエストロ」本筋以外が楽しみ
 イケメンの息子はやっぱりイケメンです。TBS日曜劇場「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」を見ながら、確信...
恐るべし、大野さん! おてんば愛子を“瞬殺教育”、白い割烹着は信頼の証
 茨田りつ子(菊地凛子)の紹介で、大野晶子(木野花)がスズ子(趣里)の家政婦として働くことになる。  この日のスズ...
桧山珠美 2024-02-24 13:55 エンタメ
錦戸亮“主演抹消過去”もバネに復活!山ピー、平野ら民放地上波で続々躍動
 2月23日、「不適切にもほどがある!」(TBS系、以下「ふてほど」)に錦戸亮(39)がゲストで登場し、大反響を巻き起こ...
こじらぶ 2024-02-24 16:04 エンタメ
痛快すぎるりつ子のひと言、“眼鏡会計ババア”でざわつかせた女優登場!
 スズ子(趣里)は、羽鳥善一(草彅剛)に新曲にはブギの歌を書いてほしいとお願いする。  はじめは、ブギが続けば面白...
桧山珠美 2024-02-22 15:05 エンタメ
デカッ!急成長を遂げた2歳の愛子にびっくり、愛助さん似?
「東京ブギウギ」に続き、「ジャングル・ブギー」もヒットさせたスズ子(趣里)は、仕事に育児に大忙しの日々を送っている。 ...
桧山珠美 2024-02-19 17:00 エンタメ
「ふてほど」磯村隼斗の白ブリ姿がマッチ! 錦戸亮出演にアノ人も続く?
 あれからムッチ先輩の白ブリーフ姿が頭から離れません(笑)。ほどよく均整の取れたムッチ先輩の細マッチョな肉体に清潔感あふ...
中島健人まさかの大炎上 熱愛報道時の“友人の1人”発言が矛盾ではない訳
 Sexy Zoneからの卒業を発表している中島健人に熱愛スキャンダルが発覚し、彼の発言の矛盾を指摘する声が相次いでいま...
堺屋大地 2024-02-24 14:24 エンタメ
「キターーーー!」で思い出す目薬のCM、趣里の細体型が映えたヒョウ柄
 スズ子(趣里)は、タイ子(藤間爽子)と語り合う。夢を叶えたスズ子と、どん底にいる自分を比べると惨めで恥ずかしいというタ...
桧山珠美 2024-02-16 15:43 エンタメ
“昨日の敵は今日の友”というけれど…NHKさん、展開についていけません
 スズ子(趣里)は靴磨きの少年・達彦(蒼昴)に会いに行く。達彦にタイ子(藤間爽子)との思い出話をし、達彦からは、タイ子の...
桧山珠美 2024-02-15 16:25 エンタメ
偶然が過ぎる親友との再会、「やさぐれタイ子の8年間の謎」が気になる
 昭和23年、羽鳥善一(草彅剛)がスズ子(趣里)に送った「東京ブギウギ」は、明るいブギのリズムが人々の心をつかみ、空前の...
桧山珠美 2024-02-12 14:30 エンタメ