お肌のシミはなぜできる?【美容外科医が解説】薬局で購入可能なおすすめの薬と美容クリニックの威力

増田えりか 医師(形成外科・美容外科・美容皮膚科)
更新日:2025-02-17 06:00
投稿日:2025-02-17 06:00
 この連載では美容医療“若葉マーク”の方々に向けて、テッパンの不安や疑問を分かりやすく“一発回答”。美容医療11年目の美容外科医・増田えりかが「お肌のシミ」について解説いたします。

お肌のシミはなぜできるの?

 年齢を重ねてもファッションやメイクを楽しむには、綺麗なお肌とお化粧のしやすさは必須ですよね。今回は、加齢に伴い増えてゆくお肌のシミとの向き合い方や、治療の一助となるようなアドバイスをしていきます。

  ◇  ◇  ◇

 お肌のシミはなぜできるのか。日光の紫外線は、体内にある大事な栄養素・ビタミンDを活性化させる一方で、浴びすぎると私たちのお肌の構造の老化を進行させる原因になってしまいます。

 紫外線には様々な種類の光が含まれますが、地上に届くのはUVAとUVBの2種類があり、波長の短いUVBは、エネルギーが強く、お肌に急激な刺激を与えます。肌表面の細胞を傷つけて炎症を起こすため、長時間の日光浴でお肌が赤くなったり、水膨れができたりするので、日常的に日焼け止めを塗る、日傘を使用するなどして少しでも防御することが重要となります。

 シミはメラニン細胞(メラノサイト)の活性が高まったことによるメラニン色素の増殖であり、紫外線により活性が高められてしまいます。いつまでもシミの少ないお肌でいるためには、防御するだけでなく、メラニン細胞が活性化しないような徹底した予防が大切なんですね。

 では、どんな予防が得策か。まず、メラニン色素の生成を抑えるトラネキサム酸が効果的だといわれています。最近では身近な薬局でも購入できる第一三共さんの「トランシーノ®」は、美容クリニックの一般的なシミ治療の際の処方量の半量ではあるものの、予防では十分に効果を発揮してくれますよ。


【こちらもどうぞ】眼瞼下垂を治したい! 美容外科界隈で「世紀の大発明」と呼ばれる手術とは?【目元の美容専門医師が解説】

「老人性色素斑」と「肝斑」の違い

 続いて基本のキとして、日光による「老人性色素斑」や、ホルモンバランスや摩擦によってできる「肝斑」という少々厄介なシミを理解していきましょう。

1. 老人性色素斑

 老人性色素斑はUVBによりシミの原因となるメラニン細胞が色素を増殖させていった結果です。一度発症してしまうと自然に薄くなることはほとんどないため、出来てしまったら、メラニン細胞の機嫌を取りながら(トラネキサム酸の内服をしながら)、医療機関でのみ取り扱いのある基礎化粧品や、塗り薬、光治療やレーザーで正しく治療するのが吉です。

【写真A】は65歳女性の患者様のお肌ですが、1回のシミ取りレーザーで2年後も綺麗な状態を保っています。治療費の目安は、直径1cmほどのシミで1つあたり10,000円~15,000円程度。施術後1週間は、軟膏の塗布とテーピングが必要となります。

 個人差がありますが、施術後1カ月ほどでシミが濃くなる場合(炎症後色素沈着)がありますが、3カ月ほどで徐々に薄くなりますのでご安心ください。

 炎症後色素沈着を軽くするには、トラネキサム酸の内服と遮光は続けましょう。

増田えりか
記事一覧
医師(形成外科・美容外科・美容皮膚科)
「イートップクリニック」院長。2013年日本大学医学部卒業後、東京臨海病院、昭和大学病院、千葉こども病院などの形成外科で経験を積む。湘南美容クリニック高田馬場院長を経て、2021年に赤坂見附にイートップクリニックを開設。目周りの手術では業界トップクラスの症例数。『360度美人』を目指して! 美容医療だけではなく、広くお悩み解決に携われるよう、婦人科専門医による婦人科外来、泌尿器科専門医による男性美容外来、美容師とのコラボレーションで頭皮・髪質治療も展開中。

病院HPYouTubeInstagram

関連キーワード

ビューティー 新着一覧


入学式のママコーデ失敗談5つ 黒スーツ×黒ストッキングでまさかの赤っ恥
 今年も、たくさんの子供たちが入学式で新たな門出を迎えました。でも、華やかでおめでたい舞台の裏では、ママたちがどんな入学...
40女、ヒアルロン酸で若返る?12万円をほうれい線治療にブッ込んだら…
 40代の深いほうれい線を改善するために、美容クリニックを受診。カウンセリングで勧められたのは「ヒアルロン酸注入」でした...
その失敗、バレてます! 残念アイメイク&即席お直し術3選
 目元を彩るはずのアイメイクが、たまに「おや?」と思ってしまうような失敗メイクをしている方も…。 「このくらいなら...
生理じゃないのに乳房痛い…乳がんの可能性は?【専門家監修】原因と対処
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
肉と納豆とキムチ常備! 空腹よりめんどいが勝つズボラダイエットの極意
「毎日の運動もストレッチもめんどくさい! ズボラでダイエットが続かない」と悩んでいる女性、必見! 今回は、ズボラさんだか...
40女、深いほうれい線とおさらば希望! 東大卒含む美容医療3軒はしご
 加齢が気になる40代、ほうれい線を改善するために美容クリニックの門を叩きました。人生初の美容医療、ヒアルロン酸を注入す...
中国発の大バズり「メイラードメイク」を徹底攻略、誰でも10分で完成!
「メイラードメイク」をご存知ですか?  食べ物に含まれる糖とタンパク質が加熱されることで褐色に色づく“メイラード反応”...
40代女性の「おじさん化」を食い止めたい! 今すぐ見直したい5つの習慣
 せっかく女性に生まれたのだから、「いつまでも女性らしくありたい」と思っている女性は多いもの。その一方で、「40代になっ...
令和ロマンが美容男子枠に殴り込み!VOCE付録よりお笑いを取った結果…
 VOCE5月号は『通常版と増刊版とSpecial Edition版』の3種類がありました。  本屋に行く前までは...
完全再現5選!わざわざ「デカ顔」に見せるメイクをしていませんか
 少しでも顔を小さく見せようと、メイクを工夫している人も多いのでは? ですが、せっかく小顔に見せようと頑張ったの...
美容師さんの失礼すぎる言動4選と対処法 もう二度と行かないからー涙
 素敵な髪型にしてもらいたくて、ウキウキした気持ちで行く美容院で美容師に失礼な言動をされたら気分も台無しですよね。  ...
夜のベッドで足がつる!【専門家監修】改善→安眠するにはどうする?
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
KEYUCAのバズった「ストッキング靴下」パンプス履いたら何これー!
 話題のコスメや、広告でよく見かける化粧品や日用品。 「webでよく見るあの商品、本当にイイの?」 「買ってみた...
40代赤ちゃん肌は無謀?いいえ、ベイビーフェイステクとアイテムで叶う
 赤ちゃんのようにみんなから愛されるベイビーフェイスになりたい人は多いですよね!  実は少しのメイクテクニックで、...
痩せ希望!「L-カルニチン」って何?【専門家監修】脂肪燃焼効果を解説
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
アラフォーは美脚の前に「美足」を目指す!<後>靴選びのテッパン3カ条
 春めいてきた今日この頃。厚手の靴下や80デニール以上のタイツを履き、足元の防寒対策に気が抜けない季節とは、ようやくおさ...