救急箱の中身、チェックしてる? 「いざ」の時に役立つ“常備薬”の選び方【薬剤師が解説】

コクハク編集部
更新日:2025-05-01 06:00
投稿日:2025-05-01 06:00

3. 薬剤師が解説!常備したい薬は?

 前述の通り、家族構成やライフスタイルによって常備しておきたい薬は異なります。ここからは、とくに使用頻度が高い薬や成分を紹介するので、救急箱を整理する際の参考にしてください。

3-1. 解熱鎮痛剤

 頭痛や歯痛、生理痛のときに飲む解熱鎮痛剤は常備しておくと便利な薬です。とくに、アセトアミノフェンは子どもでも服用しやすい成分として知られているので、子どもがいる家庭では常備しておくといいでしょう。

 アセトアミノフェンと同じく解熱鎮痛剤に含まれるイブプロフェンという成分は15歳未満の子どもが飲むのはおすすめできません。同様に、ロキソプロフェンも15歳未満の子どもへの安全性は確立されていないので注意してください。

3-2. 口腔咽喉薬・咳止め

 喉が痛いときに飲む口腔咽喉薬も常備しておきましょう。トラネキサム酸やカンゾウという成分は喉の炎症を抑える効果があります。

 ただし、トラネキサム酸も6歳未満の子どもが服用する際には注意が必要です。

 咳がひどいときには、ジヒドロコデインリン酸塩やコデインリン酸塩が含まれる鎮咳薬(ちんがいやく)、痰が絡んでつらいときにはブロムヘキシン塩酸塩が含まれる去痰薬の服用おすすめです。

3-3. 胃腸薬・整腸薬

 おなかが痛くなったときのために、胃腸薬や整腸薬を常備しておくと便利です。

 食べ過ぎが原因でおなかが痛い場合は、消化を促すタカヂアスターゼやリパーゼなどの成分が入っている胃腸薬を選んでください。胃もたれや胸やけがある場合は、ファモチジンが含まれる胃腸薬がおすすめです。ただし、15歳未満は服用できないので注意してください。

 便秘や下痢など、消化器の不調がある場合はビフィズス菌やラクトミンが配合されている整腸薬の服用がおすすめです。

3-4. 漢方薬

 常備薬としては、漢方薬の服用もおすすめです。漢方薬は子どもでも服用しやすいうえに、ここまで紹介した西洋薬と比べて副作用が出にくいという特徴があります。

 常備薬として選ぶなら、風邪の初期症状や肩こりの改善が期待できる「葛根湯(かっこんとう)」、二日酔いや乗り物酔いを改善する「五苓散(ごれいさん)」、鼻水や花粉症の症状を抑える「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」などがおすすめです。

 スマホで気軽に専門家に相談できるオンライン個別相談も話題です。スマホで完結できるので、対面では話しづらいことも気軽に相談が可能。お手頃価格で不調を改善したい方は、医薬品の漢方をチェックしてみましょう。

4. 救急箱を整理して、急な不調に備えよう!

「いろいろと教えてくださって、ありがとうございます! 早速、今日の帰りにメモした成分をドラッグストアで探してみますね」

「ぜひ探してちょうだい。ただ、薬のなかには長期的に服用すると依存性が出る恐れがあるものもあるから注意してね。2週間くらい服用しても症状が治まらない場合は、病院を受診するのよ」

「わかりました。あくまで突発的な不調へのセルフケア、って感じですね。家族とも、どんな薬があると安心なのかを話し合ってみます」

「また気になることがあったら、いつでもサロンへいらっしゃい」

 スッキリとした表情でサロンを去っていくナギサさんを、えりのボスは笑顔で送り出しました。

★サロン「コクハク」のオーナー えりの

 顔と口調は若いものの、年齢不詳。タヌキか妖怪の噂も囁かれる謎めいた主人だが、ココロやカラダ、健康に関する知識はズバ抜けており、何気にハイスペック。ムスメ時代に苦労してるため、自分より“後輩”の女にはしあわせになって欲しいと願っている。愛称は、えりのボス。

(漫画/腹肉ツヤ子

  ◇  ◇  ◇

<この記事の監修者>

あんしん漢方薬剤師 中田 早苗(なかだ・さなえ)

 デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-youtubeチャンネルでは、お薬最適化薬剤師として「無駄な服薬はお財布と体の敵!」をモットーに薬の最適な選び方を解説する動画を公開中。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

「あんしん漢方」を詳しく見てみる

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

ビューティー 新着一覧


腰痛でお悩みの女性必見! オフィスで出来るストレッチ3選
 デスクワークや家事など、気づかないうちに負担がかかっているのが腰。腰痛や腰の重さ・だるさ等でお悩みの方も多いのではない...
花粉シーズンの肌荒れに負けない! 今すぐできる5つの対策
 ポカポカとした日差しが嬉しい春。でも、この時期の肌荒れに悩まされる方は少なくありません。実は、春は冬の乾燥や花粉の影響...
ハンドクリームが苦手…感染症対策でガサガサの手を潤す方法
 新型肺炎やインフルエンザ対策で、ふだんより入念な手洗いと手の消毒をしていると、気づけば手がガサガサ! なんてことも起こ...
顔のテカリを徹底排除!原因や対処法を知ってサラサラ肌に♪
 メイクしたてはサラサラ肌なのに、時間が経つと顔がテカリ始める……こんなお悩みありませんか? 顔のテカリはある程度仕方が...
新型肺炎で白マスク不足…女子が使っても見た目OKなマスクは
 新型肺炎の原因となる「コロナウイルス」の影響で「マスク不足」の報道が相次いでいます。定番の白いマスクから売り切れている...
満腹なのに食べてしまう…爆食いに歯止めをかける3つの方法
 お腹が空いていないのについお菓子に手が伸びる、口寂しさを感じてコンビニに行ってしまう……。そんな食べ方を「エモーショナ...
七海 2020-02-09 06:10 ビューティー
チャイボーグメイクってどうやってするの?パーツ別に紹介!
 最近はやりの中華美人風メイク。“チャイボーグメイク”とも呼ばれています。韓国風のオルチャンメイクがはやっていましたが、...
七海 2020-02-08 06:08 ビューティー
透明感のあるお肌を作るには?スキンケアの5つのポイント!
 誰もが憧れる透明感のある素肌美人は、スキンケアをとっても大切にしています。そこで今回は、美しいお肌を手に入れるために必...
スチーマーの使いすぎは乾燥のもと?美肌になる正しい使用法
「美顔スチーマーを毎日使っていると女子力が上がった!美意識を高くするのは大事だな~」  最近流行っている“美顏”のため...
七海 2020-02-21 14:22 ビューティー
ニキビに乳液をつけたらダメ?悪化させない選び方&使い方!
 ニキビができている時って、普段以上にスキンケアに気を遣ってしまうものですよね。そんな中でも一番の悩みどころは「油分を含...
下着にこだわって女子力アップ♡得られるメリットや選び方
 突然ですが、今、あなたはどんな下着を着けていますか?って、ド変態のような質問からで失礼しました。(笑)今日お話ししたい...
白い歯を保ち続ける新習慣 毎日のアイテムを変えてみよう
 歯を白くしたくて、歯医者で行うホワイトニングや自宅で行うホームホワイトニングをしていました。しかしお金と時間がかかるの...
栄養士が伝授! 食べすぎボディに1週間「デトックススープ」
 冬は何かとイベント続きで、外食の機会も増えやすい季節。ついつい食べすぎてしまい、気がつけば体が重くなっていませんか? ...
今すぐ簡単にできる! バストアップに効果的なヨガポーズ3選
 世界中で女性たちに人気のヨガですが、体の柔軟性を高めて歪みを整えるだけでなく、心のリラクゼーション、ホルモンのバランス...
節約のため“セルフネイル派”へ 便利なおすすめアイテム厳選
 爪は清潔感があると印象が良く、キレイなネイルアートにも目を惹かれます。剥がれていたり、手入れが行き届いていないネイルは...
あなたは男顔?女顔? 簡単診断で特徴をメイクに活かそう♡
 最近話題の「男顔・女顔」。「女性なのに、男顔と言われても……」とあまり良い気がしないという方もいるかもしれませんが、こ...