「いまだに目に見えない恐怖が…」渡邊渚を悩ませる“フラッシュバック”はいつまで続くのか
フジテレビの元アナウンサーで、現在フリーとして活動中の渡邊渚(28)が自身のインスタグラムで、4月13日に28歳の誕生日を迎えたことを報告。さらに現在の状態についてこう綴っている。
《いまだにフラッシュバックしたり、目に見えない恐怖に苛まれたり、心がザワザワする日もたくさんあります》
《『透明を満たす』でも書きましたが、そんな毎日の中で私が生きていられるのは、たまたま適切な治療や信頼できる人に出会えたからです。ですが、これが“たまたま”であってはいけないと思います。『しょうがない』『そういうものだ』と言って、社会の犠牲になっていい人なんていません》
そして書き込みの最後は、以下の前向きな文面で締められている。
《未来を過去に規定されず、楽しいと思えることにチャレンジする一年にします!》
2024年8月末にフジテレビを退社。その後、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を患っていたことを明かしたが、退社後に出版した『透明を満たす』(講談社)では発症の経緯について、「心が殺された日」という章の中でこう綴っていた。
「2023年6月のある雨の日、私の心は殺された。」
その後の描写はこう続く。
「あの瞬間、恐怖で身体が動かなくなって、『助けて』が届かない絶望感と大好きな人たちの顔が頭に浮かんだ。どんどん自分の身体と心が乖離していって、幽体離脱のような感じだった。真っ暗で冷たい井戸に落とされたように、どれだけもがいても救われることはなくて、意識はあるのに死んでいく。何が起こっているのか、よくわからなかった。」
自らの体験を包み隠さず綴った同書は大ヒット。この春からはYouTube番組「モデルプレス×REAL VALUE インタビュー」のMCに就任するなど、復活を遂げつつある。
■記憶自体は消せない
しかし、そんな彼女を悩ませる「フラッシュバック」はいつまで続くのか。精神科クリニックで25年以上の臨床経験を持つある臨床心理士は「あくまで一般論ですが」とした上でこう話す。
「PTSDはトラウマ体験後、すぐ発症する『急性PTSD』と、3カ月〜6カ月で発症する『慢性PTSD』、6カ月以上過ぎてから発症する『遅発性PTSD』という分け方がありますが、何かのきっかけでフラッシュバックすることはよくあることです。その出来事に関連した気候、食べ物、人物、場所など、何でもきっかけになります」
それでは、彼女はいつまで「フラッシュバック」に悩まされなくてはならないのか。
「フラッシュバックがどのくらい続くかについては、その出来事の性質や受けた本人の精神的な強さにもよるので何とも言えません。“平均”というのもありません。心は複雑で、抑圧したり否認したりして閉ざして無かったことにしてしまう場合もあり、それも防衛機制の一つですが、後から症状が出る場合もある。次第に症状は和らいでいきますが、記憶自体は消せないので、何かの拍子に揺り戻されることもあります。ですから、“完治”という言い方はできないと思います」(前同)
きちんとした対応をせずに過ごすと、「ずっとすっきりしない状態が続く可能性もある」(前同)というから、適宜、適切な診療を受けながら、《未来を過去に規定されず、楽しいと思えることにチャレンジ》して、笑顔を見せ続けてくれることを望むばかりだ。
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病からのカムバックにかける渡邊渚については、【関連記事】をご覧ください。
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