ヌード写真付きCD騒動で思い出した…八代亜紀さんは「スッピン顔」を見せてくれた
【城下尊之 芸能界ぶっちゃけトーク】
結局、故・八代亜紀さんの私的なヌード写真を特典として付けたアルバムが発売された。本人不在でプライベートな写真を付けることに関しては「ヒドイ」という声を中心に大きな反響を呼んでいる。また、八代さんの最後の所属事務所は、彼女の権利関係の管理をしているとし、今回のアルバム発売に「遺族の意向を尊重して法的に対応する」としている。
本来なら発売される前に販売差し止めの仮処分を申請し、発売させずに本裁判で争うべきだが、何しろ多額の担保金も必要だし、間に合わなかったのだろう。正式に損害賠償請求の裁判を起こしてシロクロをはっきりさせるのが一番いい。
ただ僕は、あえて斜めからみると、この騒動で八代さんのことを思い出し、「あの歌声を聴きたい」「カラオケで歌いたい」という人がたくさん出てきたことは良いことだと思っている。
もちろん、ヌードはやり過ぎだが、故人にとって、特に芸能人にとって「忘れずに覚えていてくれる」ことが最大の供養だと思っているからだ。
僕自身、八代さんとはいい思い出ばかりだ。八代さんが43歳の時にマネジャーの男性と結婚したが、そのハワイ挙式を同行取材した。その後も彼女が描いた油絵の取材で自宅へうかがい、ずうずうしくも“ミニお宅拝見”まで行った。そこであろうことか、厚化粧と言われた八代さんにそのことを尋ね、化粧を落としたスッピン顔まで収録させてもらったのだ。
スッピンを見られるのは裸を見られるより恥ずかしい――。そういう人もいるので、断るのが当然。しかし、八代さんはすでに評価が完成された大物歌手で、何も恐れることがなく、機嫌もすこぶる良かった(?)のでスッピンになってくれたのだろう。
大物と言われる女性歌手や女優は自分に自信があるからこそ、こういうことが時々ある。
多岐川裕美(74)は若い頃、メークに時間がかかるので予定の2時間以上前から控室を用意し、カメラの撮影する角度にも“決まり”があった。ところが、ベテランになったある日、夜遅く自宅へうかがって取材した際は、「化粧直しの時間、いくらでも待ちます」と言ったのに、「もういいわ」とそのまま答えてくれた。
一方、十朱幸代(82)に「いつまでもきれいでいる秘訣を教えてください」と聞いたところ、「何もしてないのよ」とサラリ。インタビューが終わって僕が「何もしないでそれは凄い」と持ち上げると、十朱は「ありとあらゆることをやっているわよ」と言って大笑いだった。
今回の八代さんの騒動で、大物たちの豪快エピソードをちょっとだけ思い出した。
(城下尊之/芸能ジャーナリスト)
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