「ばけばけ」しめこ汁に“朝から残酷”の声もあるけど…ピーターラビットの話を思い出す

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2025-10-02 15:48
投稿日:2025-10-02 15:48

「ピーターラビット」を思い出す

 朝から“残酷過ぎる”との声もあるようですが、それで思い出したのが、「ピーターラビットのおはなし」です。

 その冒頭で、ピーターのおかあさんが子どもたちに「マグレガーおじさんの畑にだけは、行ってはだめですよ。お父さんはね、マグレガーおばさんに、パイにされてしまったのですからね」と話す場面がありました。

 で、おとうさんのイラストは、うさぎではなくパイなのです。

 子どもの時は気づきませんでしたが、大人になってある時、「ピーターラビット展」で、ピーターの家系図のお父さんのところがパイになっていて仰天しました。

 イギリスがパイなら、日本はしめこ汁。どう転んでもうさぎは食べられてしまうってことで。

 トキはうらめしいことがあると怪談をせがむ設定。こうして、たくさんの怪談がフミからトキへそして、ヘブンへと継承されていくということなのですね。

 と、思ったら場面は切り替わり、アメリカのヘブンが出てきました。新聞記者の職を失い、世をはかなみ、ピストル自殺しようとしたものの、銃弾もない…というこちらもかなりのうらめしぶりです。

 最後に「二人が出会うまで5612日」とテロップが出ました。たしかに、国も年齢も違う二人がどういうかたちで結ばれることになるのか、興味がそそられます。カウントダウンの数字にも注目していきましょう。

桧山珠美
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TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

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