アプリで会ったラテン系外国人の男は「天動説」を語り出した

深志美由紀 官能作家
更新日:2019-10-30 17:00
投稿日:2019-10-30 17:00

彼は嫌われようとしているの?

「君にだけ教えてあげるけど、地球が丸いって、そんなわけないだろう!? だって海の水はどうなるんだ! 地球は本当は平らなんだよ、地動説はウソ。宇宙の方が地球を中心に回ってるんだ。地球が丸くて太陽の周りをまわってるっていうのはNASAとイルミナティの陰謀だ!」

 彼はとうとうと天動説(調べたところによるとフラットアース説?というもので一定数の信奉者がいらっしゃる学説だそうな)を語り出します。曰く、星というものは存在せず、天には穴が開いていて、宇宙の光が漏れてきているのが星に見えているとか……ええい、どうでもええわい。

 私は思いました。もしかして彼は私のことが好みじゃなかったのかしら。だから、嫌われようとしてこんなことを……? いや、それにしては妙にアツい。目が本気だ。

 曖昧な笑みを浮かべる私に自説を語りご機嫌になった彼とはしっかり帰りにセックスをしましたが、後日のお誘いには残念ながらお断りのメールをさせて頂きました。

 だって、それでも地球は回っているのですもの……。

深志美由紀
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官能作家
集英社ノベル大賞佳作受賞にてデビュー。2010年「花鳥籠」
で第一回団鬼六賞優秀作受賞、同作13年映画化。新聞や電子書籍など、男性のみならず女性にも受け入れられる官能小説を多方面で執筆。著書に「ゆっくり破って」(イーストプレス)「美食の報酬」(講談社文庫)など。自他ともに認めるダメ男好きで、自らの体験を活かしたエッセイ漫画なども配信中。

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