「千枚蕪と柿の酢物」シャクシャクとトロッのハーモニー

コクハク編集部
更新日:2019-12-10 06:00
投稿日:2019-12-10 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は福岡・中央区にある「博多料亭 稚加榮」の平山克浩さんに、辛口の冷酒がよく合う「千枚蕪と柿の酢物」のレシピを教えていただきました。

柿がお酒のツマミに化けるなんて!

 和食職人の技を披露するかのような、美しく盛り付けされた蕪と柿。見るだけでも食欲をそそられる一品です。

「蕪を柿と一緒に甘酢に漬け込みました。ある程度の食感を残すために、あまり薄くスライスしない。若干厚めにしています。強めに塩をふることもポイントですね。重しがなければ、まな板を置いて重めのお皿を置くことで代用もできます」

 シャクシャク、シャクッ。しっかりと歯ごたえを残しつつ、柿のトロッとした食感もある。柿がこれほどうまいツマミに化けるとは驚き! ほんのりとしたユズの香りも上品さを増しています。これは辛口の冷酒がよく合うな~。

「合わせる酒は、『大吟醸 喜多屋』です。糸島産(福岡県)の山田錦を使ったしずく搾りで、知る人ぞ知る名酒です」

 芳醇で濃厚なのにスッキリした飲み口で、飲んだ後の余韻も楽しめます。2013年にIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)の日本酒部門で「チャンピオン・サケ」を受賞している酒で、稚加榮でも人気なんですって。

【材料】

・蕪(中サイズ)  1個
・柿     2分の1個
・昆布       5グラム
・鷹の爪      少々
・ユズの皮     少々

※合わせ酢(各分量を火にかけ、沸騰する直前で火を止めて冷ます)

・酢 100㏄
・みりん 100㏄
・塩 少々
・薄口醤油 少々
・水 100㏄
・砂糖 50グラム

【レシピ】

(1)蕪の皮をむき、スライスして強めに塩をふり、一晩重しをしてから、しっかり水分を切る。
(2)柿をスライスする。
(3)昆布、鷹の爪、ユズの皮をスライスして、蕪と柿と一緒に合わせ酢に一晩浸して出来上がり。

本日のダンツマ達人…平山克浩さん

▽ひらやま・かつひろ
 1965年生まれ。18歳で「博多料亭 稚加榮」に入店し、今年で35年目を迎える。繊細な技を必要とするフグさばきの美しさは、多くの美食家をうならせてきた。

▽はかたりょうてい ちかえ
 明太子に代表される博多の食文化を広める名店。福岡店の広大ないけすには九州各地から水揚げされた四季折々の活魚が常時30種類以上。豪快にすくいあげられる海の幸は、客人の舌だけでなく心も満足させている。
福岡市中央区大名2―2―17
℡092・721・4624

(日刊ゲンダイ2019年1月30日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

フード 新着一覧


お米を前菜として食べる 赤ワインに合う「ライスコロッケ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・神田のビストロ「関山米穀店」のオーナーシェ...
これぞツマミ!ハイボールが飲みたくなる「ラー油きゅうり」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座のバー「ロックフィッシュ」店主・間口一...
「旨キャベツ炒め」新鮮なモツと赤ウインナーの懐かしい味
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・お花茶屋にある居酒屋「東邦酒場」の遠藤泰典...
イタリアンおつまみ「ゴーヤのアンチョビマリネ ユッケ風」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・六本木ヒルズにあるイタリアン「オッジ・ダル...
2020-07-15 06:02 フード
20分で完成 うま味とコクたっぷり「鳥ひき肉と豆のカレー」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の和食店「かこい亭」の栫山賢一さんに、...
ひき肉とキャベツと混ぜて焼くだけ「紅ショウガハンバーグ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・大井町にあるテキーラバー「Gatito」の...
6時間待てばプロの味 「アユのコンフィ」は暇な土日の午後に
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・神田のビストロ「関山米穀店」のオーナーシェ...
発酵食品を組み合わせ キムチとチーズで「キムチーズサンド」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座のバー「ロックフィッシュ」店主・間口一...
彩り野菜と「鶏の白ワイン蒸し」スープは締めの一杯に最高
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は兵庫・芦屋のビストロ「Isshiki」の一色幸作...
いろいろ使える自家製「そば味噌」 夏の燗酒には最高の相棒
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・築地の「そば処 築地長生庵」の松本憲明さん...
「厚揚げの麻婆豆腐」揚げにしみ込んだピリ辛がたまらない
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・西荻窪の居酒屋「じんから」の堅谷博さんに、...
「さば缶のリエット」バターと混ぜて冷蔵庫で冷やすだけ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・外苑前のワインビストロ「アミニマ」の阿部真...
締めに食べたい「〆鯖サンドイッチ」 わさびバターで洋風に
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・渋谷にある「小料理 百けん」の松﨑友江さん...
外出自粛で体重が…ヘルシーだけどおいしいスープで調整!
 外出自粛中に運動がなかなかできず、体重が増えて気になる……という方も多いのではないでしょうか? 私たちもみなさんと同じ...
ぐっち夫婦 2020-07-31 11:31 フード
「サーモンのタルタル、グリビッシュソース」中華風の味わい
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・学芸大学のフレンチレストラン「トキヤ」の飯...
ガラス小鉢で涼しげに…「夏野菜のジュレ」で暑さを忘れる
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・築地の「そば処 築地長生庵」の松本憲明さん...