焦がしバターが香る「サバのムニエル ブールノワゼット」

コクハク編集部
更新日:2020-08-21 06:00
投稿日:2020-08-21 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新橋のフレンチ「ボワ ヴェール」の川口かずのりさんに、フランス料理と青森の郷土料理が出会った「サバのムニエル ブールノワゼット」のレシピを教えていただきました。

バターソースの仕上げに加えたのは…

「ボワ ヴェール」は開店当時のオーナーの出身地からインスピレーションを受けて、青森料理を主軸に置きました。後に店を買い取り「現代青森料理とワインの店」を店名の前に付けるように。そんな川口シェフが「いつか郷土料理を出したい」と思ったのは、青森の魅力にはまるずっと前、フランスでの修業時代でした。

 それまでヌーベル・キュイジーヌ(従来のフランス料理とは違う、新しいフランス料理の傾向)が流行していましたが、一転して、郷土料理を出すシェフが増えてきたそう。

「各地の“おばあちゃん料理”をたくさん見るうち、帰国したら日本の地方の郷土色を出したフランス料理を出したいと考えるようになったんです。当時はそれがどこかは決まっていなかったんですが……」

 青森との出合いは、必然だったのかもしれません。

 今回の「ブールノワゼット」とは、焦がしバターソースの意味。川口シェフらしく、仕上げに青森の漬物を加えます。「フランス料理+青森の郷土料理の手法」で完成した一皿。その技の妙をぜひ楽しんでください。

【材料】

・サバ
・小麦粉
・バター
・玉ネギ
・たくあん
・キュウリの漬物
・ベッタラ
・レモン
・醤油
・パセリ
・ジャガイモ
・生クリーム
・塩こしょう

【レシピ】

(1)サバに塩こしょうをし、均一に小麦粉を振った後、オリーブオイルで皮がパリッとなるように焼く。火を入れ過ぎると身がパサつくので注意。
(2)茹でたジャガイモをつぶし、生クリームを混ぜる。それを皿に敷き、上にサバをのせる。
(3)フライパンにバターを溶かし、刻んだ玉ネギ、たくあんなどの漬物類を炒める。最後に醤油少々を落とし、レモンを振り掛ける。
(4)バターソースを2にかけ、パセリを散らす。

本日のダンツマ達人…川口かずのりさん

▽かわぐち・かずのり
 1974年大阪府堺市生まれ。大阪あべのエコールキュリネール辻フランス料理専門カレッジ卒業後、フランス・ブルゴーニュ「ル・ベナトン」へ。帰国後は、勝どき「クラブNYX」、西麻布「クリニャンクール」でフランス料理シェフの宮本雅彦氏に師事。帝国ホテルの「レ・セゾン」、日比谷三信ビルの「ラ・プロムナード」などを経て、「現代青森料理とワインの店ボワ ヴェール」のオーナーに。

▽ボワ ヴェール
 青森の食材にこだわった料理を提供。テーブル席がほとんど青森県出身者や青森ファンで埋まる、ということも。この店でプロポーズをし、新婚旅行は青森、そこでできた子供と一緒に食べにくる客もいる。ぜひ一度は食べてほしいのが、「本日の前菜盛り合わせ」。青森各地の旬の野菜を、シンプルな調理法でいただける。東京都港区西新橋1―13―4 B1。

(日刊ゲンダイ2018年8月2日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

フード 新着一覧


年越し蕎麦はワインで決まり!「辛口カヴァ」が超絶合うワケ
 フリーアナウンサーの市野瀬瞳です。ワイン好きが高じて猛勉強の末、ワインエキスパートと世界共通のワインの国際資格である「...
市野瀬瞳 2022-12-28 06:00 フード
団子が焼ける! コメダ和喫茶おかげ庵ルポ 2022.12.27(火)
 みなさま、コメダ珈琲店でお好きなメニューは何ですか? クリームたっぷりの看板メニューシロノワール? それともメニューよ...
クリスマスイブにぴったり! ラム酒を利かせた「生チョコ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は京都・梅小路京都西の「西洋茶屋 山本」の山本智弘...
「焼きカチョカバロと洋ナシ」洋ナシのコンポートに七味の妙!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は京都・梅小路京都西の「西洋茶屋 山本」の山本智弘...
新大久保で流行りの屋台グルメを食べ歩き 2022.12.20(火)
 いまや渋谷や原宿と並んで、流行の最先端の街といわれる新大久保。コロナ禍もあって、食べ歩きがなかなかできていなかったので...
ゾンビのように疲れた日に「レンジであったかチゲうどん」
 2022年も残すところ2週間弱。世間はクリスマスモード一色だけどさ……。今年中に納めなくちゃいけない仕事はまだまだある...
およね 2023-05-31 14:56 フード
山口下関「大衆酒場 三枡」で旬のふくを!2022.12.17(土)
 山口県の下関といえば、やっぱり「ふぐ」(※)。今が旬の高級魚を求めて、東京駅始発の「のぞみ」に飛び乗りました。 ...
「マッシュルームのひと皿」生と焼きで味も食感も全然ちがう
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・中目黒の「Bar à Vin ムッシュヨー...
寒い夜には「おでん」と“ベストマリアージュ”の白ワイン!
 フリーアナウンサーの市野瀬瞳です。ワイン好きが高じて猛勉強の末、ワインエキスパートと世界共通のワインの国際資格である「...
市野瀬瞳 2022-12-14 06:00 フード
「鶏手羽のエーグルドゥース」つやつやの手羽中がホロリ!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・中目黒の「Bar à Vin ムッシュヨー...
脱・惰性ランチ!卵かけご飯をチンして「即席チャーハン」に
「爆速レシピクリエイター」およねさんが考案する《ひとり分の分量で》《最小限の工程で》《最低限の洗い物で》作れちゃうレシピ...
およね 2022-12-05 06:00 フード
泡に合う! きゅうりとみょうがのピクルス 柚子こしょう風味
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・中目黒の「Bar à Vin ムッシュヨー...
会員制パフェバー「Remake easy」がすごい!2022.12.1(木)
 みなさん、今どきの若者はどこでデートしているか知っていますか? コロナの影響で、飲食店や居酒屋などは閉店時間がめっぽう...
価格2倍のボージョレは無理!感動級“山梨ヌーボー”はいかが
 フリーアナウンサーの市野瀬瞳です。ワイン好きが高じて猛勉強の末、ワインエキスパートと世界共通のワインの国際資格である「...
市野瀬瞳 2022-11-30 06:00 フード
新食感! ファミマ新作スイーツ実食ルポ 2022.11.29(火)
 11月も残すところあと1日。冬の気配が近づいています。寒くなると甘いものが欲しくなりません? つめたーい風にこわばった...
「へしこあぶり梅干しの大根サラダ」白ワインと一緒にどうぞ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・神楽坂の「そば・郷土料理 九頭龍蕎麦本店」...