驚愕! 恋焦がれた「毒親育ち」の彼はリストカッター?#2

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2022-03-03 22:36
投稿日:2022-01-28 06:00

これから彼に抱かれるという緊張と喜び

ーー続けてください。

「女性なら理解できると思いますが、セックスをする前にシャワーを浴びるときって、緊張と喜びが入り混じって、ドキドキが止まらないんです。特に『初めての男性』ならなおさら。

 私は丹念にヴァギナやワキなどをボディソープで洗いましたね。これから彼に抱かれると思うと、本当に呼吸さえもが苦しくなる。もちろん……幸せな苦しさですが(笑)。

 私がバスルームからバスローブをまとって出るのと入れ替わるように、彼もバスルームに行きました。待っている間、私は部屋をほの暗くし、BGMをスローなジャズにしたんです。ベッドで布団にくるまっていると、彼がバスローブ姿で出てきました」

傷跡に衝撃、さらに思いもよらない行動に…

――続けてください。

「私は恥じ入るように、彼に背を向けました。

 自分の中のシナリオでは、ここで彼がベッドに入り、後ろから抱きしめてくれて、もう一度キス、たっぷり愛撫を受けて、クンニリングス……場合によってはフェラチオやシックスナイン……そして十分潤ったところで挿入――こんな流れを思い描いていたんです。

 でも彼は予想外の行動に出ました。

 私を仰向けにさせると、いきなりバスローブを脱いで裸になったんです。

 淡いライトに照らされたペニスは隆々と勃起して、天を衝くほどの逞(たくま)しさです。

 でも、それ以上に驚いたのは、彼の両手首から腕へと続く無数のためらいキズの跡でした。

 それも、手首から二の腕あたりまでぎっしり。ひとつ一つの傷は1~1.5センチと小さなものですが、それがミミズ腫れになって、ちょうど予防接種をするあたりの二の腕まで続いていて――。

 明らかにカッターなどの刃物で切り、その傷跡が盛りあがったのだと分かりました。それが両腕にあるんです」

――そんな……リストカットということですか?

「おそらくそうです。長袖の洋服姿しか見たことがなかったので、まったく分からなかったのですが、もう驚いてしまって……。

 頬を引きつらせる私を横目に、彼は両ひざを私の顔の両側につきました。

 私の顔をまたいで勃起を支え持つと、無理やりペニスを口にねじこんできたんです」

 続きは続きは次回

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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