下準備は塩を振るだけ
低温調理は肉本来の味を引き出す調理法だとコルビさん。下準備は塩を振るだけ。塩コショウをすると焼いたときに焦げ臭さが出てしまうため、コショウは別添え。仕上げにサッと焦がしバターをまとわせる感覚で焼きます。
小さなフレンチの店でも1日にキロ単位のバターを消費、1回のフルコースでバター1箱弱使用していることもあるそうですが、「そうなると1年に1回で十分になってしまいます。毎月、毎週食べたい料理にはならないので、うちではバターは必要なところだけ使います。最近話題のエシレバターなどは高いですから。パンに塗って食べるときで十分だと思いますよ。それよりフレンチは丁寧に作っているソースを味わっていただきたいですね」。
合う酒は純米吟醸の搾りたて生酒、福島・郡山の「穏(おだやか)」。
「白ワインのようなしっかりした味で肉に負けない強さのある日本酒です」(コルビさん)
【材料】
・豚の塊肉 1片
・フォンドボー 大さじ1
・塩 少々
・バター 小さじ1
・黒コショウ 少々
・飾り野菜(カリフローレ、豆苗、ベビーリーフ、サツマイモのマッシュポテト)
【レシピ】
(1)豚肉を厚さ3センチほどに切り、表面に塩をふる。
(2)1を耐熱性のビニール袋に入れ、空気を抜き真空に近い状態にして、58~62度(ぬるめのお茶程度)に入れて1時間放置する。
(3)2をバターで軽く焼く(ソテー)。
(4)皿に3、フォンドボー、黒コショウ、飾り野菜を盛り付ける。
本日のダンツマ達人…ドミニク・コルビさん
▽ドミニク・コルビ
1965年、パリ生まれ。1582年創業のパリの名店「ラ・トゥール・ダルジャン」副料理長、「ホテルニューオータニ大阪」総料理長、「ル・コルドン・ブルー日本校」校長を歴任。フランス農事功労章シュバリエ受章など日仏で功績を称えられ、現在、鹿児島県霧島市の食を広める霧島ガストロノミーブランドアンバサダーなどを務める。
▽フレンチ割烹ドミニク・コルビ
2015年に日本の食材を積極的に使用、バターやクリーム、小麦粉を極力使わない“フレンチ割烹”を四谷・荒木町にオープン、19年に新橋に移転。国内外から予約が殺到、頻繁に来店するリピート客が多いのも特徴。
東京都港区新橋2-15-13 エレガンス新橋ビル5階
(日刊ゲンダイ2020年4月18日付記事を再編集)
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