姉に勝利! 同居する義兄を待ち伏せし復讐ガレージ不倫愛 #5

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2022-07-29 11:29
投稿日:2022-07-22 06:00

これまでのあらすじ

 幼少期から2歳上の姉と比べられて育ってきたH子さん(27歳クラブホステス/独身)。

 彼女はロングヘアの似合うスタイル抜群のエキゾチック美女だが、周囲は品行方正で才色兼備な姉ばかりをほめたたえるという、つらい子供時代を送った。

 音大を卒業した姉は、自宅でピアノ教室を開いた。

 H子さんは学生時代から続けていたモデル業を継続。しかし、「さほど売れないモデル」だった彼女は、ごく自然に水商売の道へと進む。銀座のクラブのホステスとなり、常にトップ5に入る売れっ子ぶりだ。

 H子さんはモデルをやめ、24歳の頃には専業ホステスになった。

 そんな折、モデル仲間から合コンの誘いがあり、そこで出会ったのが、のちに姉の夫となるRさん(32歳IT/当時は独身)だ。切れ長の目に長身のスタイルが韓流スターを思わせるイケメンで、2人は意気投合。その日のうちに男女の関係になった。

 セックスの相性は抜群だった。

 彼とは10日に一度、逢瀬を重ねた。抱かれるたび体が馴染み、敏感に反応していく。女の悦びに満たされた甘い日々が続いた。これからも続くはずだった。

最悪の事態に涙

 しかし半年後、H子さんは思わぬ不運に見舞われた。

 彼女が勤めるクラブのママのバースデーの予定日に、Rさんが「出会って半年目の記念デート」に誘ってくれたのだ。

 心の中では「出会った日を覚えてくれていた」という喜びとともに、H子さんは究極の選択を迫られる。

 彼にはホステスの件は話していない。あくまでも「モデル」として付き合っている。イケメンエリートの彼との結婚を視野に入れているだけに、水商売であることを正直に話すのはためらわれた。

 だからといって、店を休むこともできない。ママの誕生日は、1年でもっとも稼ぎ時である重要な日なのだ。

 不審がる彼とのデートをなんとか翌日に延ばし、クラブの仕事に徹したものの、デート時の体調は最悪だった。

 前夜に飲んだ酒のせいで体がだるく、出された料理には全く手を付けられない状態だ。あげく30分もトイレにこもって吐き続けた。

 いくぶんか体調がよくなった彼女が席に戻った時には、冷めた料理と仏頂面のRさんがおり、このあと行くであろうホテルもキャンセルされるという最悪の事態が待っていた。

「タクシーまで送る」と冷たく告げた彼に抵抗などできず、H子さんは帰宅。涙もこぼれないほど悲しみに暮れる結果となってしまった。

新しい男性の存在

 以来、Rさんからの連絡はない。元々、モデル業に不信感を抱いていた彼のことだ。出会って半年記念のデートの失敗が、大失恋への決定打となった。

 どん底に突き落とされたH子さんだが、そこはガッツの持ち主。

 数日後にはクラブに出勤し、失恋などなかったかのように気丈にふるまい、接客し続けた。お客さまのありがたさも身に沁みた。「H子が休んでいると聞いて心配していたぞ」「H子の笑顔を見るとホッとする」との言葉に、どれだけ励まされただろう。

 笑顔で仕事に徹することで、Rさんとの思い出は消え去っていくのを実感した。

 同時に、太客であるWさん(40歳会社経営/既婚)とも男女の仲になった。以前からH子さんを指名し、口説いていた客だ。口説きといっても紳士的な彼である。失恋の傷をいやすためにも、他の男性に抱かれることが必要だった。

 何よりもセックスに飢えていた。

まさか、姉の婚約者が…

 Wさんとの関係が1年ほど続いた頃、母に「お姉ちゃんの婚約者が挨拶に来るから、日曜日は家にいてね」との話があり、H子さんは驚いた。

 ピアノ教師になってもお嬢様気質の姉に、まさか付き合っている男性がいたなんて――。

 当日、玄関先で挨拶をするスーツ姿の男性を見て、H子さんは息をのんだ。

 かつて付き合っていたRさんではないか。なぜ? どうして? という疑問とともに、H子さんは姉への復讐を誓ったのだった。

 前回までの話はコチラ→第1回目第2回目第3回目第4回目
 

蒼井凜花
記事一覧
官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
オフィシャルサイトYouTube

関連キーワード

エロコク 新着一覧


ミスターセラピストコンテスト 栄冠に輝いた男性の特徴は?
 先日、おそらく日本で初めての「ミスターセラピストコンテスト」が開催されました。セラピストとは、性感付きのマッサージ業の...
内藤みか 2019-04-29 06:00 エロコク
主婦レズビアンの告白#2…同性ならではの甘美さに溺れて
 夫とのセックスレスに悩む主婦・Y子さん(35歳・薬剤師)が恋に落ちてしまったのは、女性・Dさん(37歳・独身、映像関係...
蒼井凜花 2019-04-28 06:00 エロコク
L字形バイブに仕込まれたボールでセルフ前戯も挿入も堪能
 バイブレーターを1人で使う時でも、挿入前にはしっかりと下準備が必要です。濡れて、開かないと痛いですもんね。私はこれを“...
桃子 2019-11-12 04:38 エロコク
<閲覧注意>浮気男で胃潰瘍になった恋のフェーズとは!?
 わたしとひろし(非仮名w)の48歳差の激しすぎる恋――男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものか。ホッ...
恋人のいる女性も…レンタル彼氏にお金を払ってしまう理由
 最近は、レンタル彼氏(出張ホスト)を呼ぶ女性が増えてきているようです。けれど多くの人たちは、レンタル彼氏を呼ぶ女性たち...
内藤みか 2019-04-25 06:00 エロコク
ローション風呂でイチャイチャ…お互いの肌の感触が新鮮に
 男女の秘め事は、ベッドの上だけで行われるわけではありません。2人きりのお食事も前戯、そこで交わされる会話も前戯になり得...
桃子 2019-11-12 04:37 エロコク
セックス編<4>レタスから学ぶ“パターンのない女”になりなさい
 わたしとひろし(非仮名w)の48歳差の激しすぎる恋――男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものか。ホッ...
主婦レズビアンの告白#1…欲望を埋めてくれた同性パートナー
 年々、増加傾向にあるセックスレス夫婦。夫に「拒まれ続けた」妻たちが、誰かに愛されることを実感したい切なる思いから婚外恋...
蒼井凜花 2019-04-25 17:26 エロコク
あなたの避妊は一回いくら?#3…海外より選択肢が少ない日本
 3月23日に開かれた『第1回 大人の性教育勉強会』(後援:コクハク)。NPO法人ピルコン理事長・染矢明日香さんから最先...
目移りして選べない ホストクラブで指名を迷わず決める方法
 初めてホストクラブに行くと、大勢のホストがテーブルに挨拶に訪れ、名刺を置いていってくれます。これは「自分を指名してくだ...
内藤みか 2019-04-16 06:00 エロコク
欲望を赤裸々に…あなたは何にエロティシズムを感じますか?
 あなたは何にエロティシズムを感じ、興奮しますか。どういう性の願望を抱き、ひそかに何をしたい/されたいと願っていますか。...
大泉りか 2019-04-14 15:48 エロコク
マッサージ感覚で肌にあてると身も心もゆるんで快感アップ
 春ですね。お花見は楽しまれましたか? ラブグッズの世界も春らんまん、今週は「イロハ ハナミドリ なでしこ色」を紹介しま...
桃子 2019-11-12 04:36 エロコク
セックス編<3>お持ち帰りセックスからの初デート(順番よ…)
 わたしとひろし(非仮名w)の48歳差の激しすぎる恋――男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものか。ホッ...
長期セックスレス…「セカンドバージン」からの準備体操とは
 例えば、前の彼氏と別れて何年もセックスしていない……。  そんな風に、性交経験はあるけれど長い期間セックスレス、...
世界中で大ブーム “吸引系グッズ”をカップルで楽んでみる
 クリトリスを吸い上げながら振動刺激を与える“吸引系グッズ”は、強烈な快感を引き出すという理由で、世界中で大ブームとなっ...
桃子 2019-11-12 04:36 エロコク
セックス編<2>男を悦ばせる喘ぎセリフを研究してみたアハン
 わたしとひろし(非仮名w)の48歳差の激しすぎる恋――男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものか。ホッ...