チョコに合うワインは赤じゃない!?甘口のマデイラが正解です

市野瀬瞳 フリーアナウンサー
更新日:2023-02-08 06:00
投稿日:2023-02-08 06:00
 もうすぐバレンタイン♪ いつも頑張っているご褒美として「自分チョコ」を買う人も少なくないのでは!? 今回は、チョコレートと、まずは一度でいいからぜひ合わせてほしい(!)気分まで甘~くなれる意外な1本をご紹介します♪

「チョコ×赤ワイン」の落とし穴

「チョコに合わせるワイン」ってなあに? 赤ワインをチョイスする方がほとんどだと思います。絵的にもなんとなくハマって良さげな感じがしますし(笑)、女性に人気の組み合わせ。かくゆう私も少し前までは、赤ワインを飲みながらチョコをよくつまんでいたものです。

 ですが、「チョコ×赤ワイン」のペアリングの相性って、実は良くないんですよ! 理由は、チョコの強い甘味がワインの果実風味を隠してしまい、酸味や渋みを強調させてしまうから。

 チョコと一緒に赤ワインを飲むと「なんか酸っぱいかも?」と感じた時、ありませんでしたか? さまざまなワイン資格試験の勉強をする中で、『ペアリングの法則(甘い料理には同等の甘いワインを合わせて同調させる)』を学んでからというもの、チョコ×甘口ワイン派ですっ!(ドヤ顔!笑)

 甘口ワインといっても多種多様ある上に、高かったりするんですよね(泣)。ですが! なんと!! 本連載のテーマでもある1000円台で買えて、かつ一口飲んだら絶対ハマるであろう、最強の“神旨”甘口ワインがあるんですー!

チョコレートに「マデイラ」を合わせる!

『MADERE CRUZ(クルーズ マデイラ)』。私が購入した成城石井では、1484円(税込み)でした。

「マデイラ」とは、ポルトガルのマデイラ島で造られた酒精強化ワイン(※)のこと。「世界三大酒精強化ワイン」のうちの一つでもあるんですよ。

 レストランで「マデイラソースとともに」みたいなメニュー名、見たことありませんか? アレです! 食前酒やデザートワインとして飲まれるだけでなく、甘味のアクセントとしてさまざまなお料理にも使われるんですね。

 酒精強化ワインは冷却設備のない大航海時代、アルコールを強めてボリューム感を出し、保存性を高める目的で造られました。マデイラ島で積み込まれた「マデイラ」の場合は赤道を横切る航海を終えると……あら不思議、独特の風味(キャラメル風味や酸化臭)がついていい感じに♡ 次第に“赤道を通る酒”として広がっていったわけですが、う~ん、歴史を知ると余計においしく感じるハズ(笑)。

※「酒精強化ワイン」とは:ワイン発酵中or発酵前に、高アルコールのブランデーを加えてアルコール度数を強め、発酵を途中で停止させて残糖を残したワインのこと。そのほとんどが甘口タイプ。

香りも大好き

 マデイラを注いだグラスを少し回したのち、グラス内側の壁面に垂れてくるワインの雫(「涙」や「脚」と呼んだりします)を見ると、トロっとゆっく~りと時間をかけて落ちていきます。スローな雫は、ワインの粘性が強い=アルコール度数が高い証しで、実際、この1本は17度もあるんですよ!

 すぐにキャラメルのような甘い香りが立ちのぼり、鼻をグラスに近づけると煎ったコーヒー豆に加え、レーズン、プルーン、イチジクなど凝縮したドライフルーツの香りも♡(私はこの香りが大好きで、鼻をずっとグラスにつけておきたくなります・笑)

 少し口に含むと、とろみのある滑らかなテクスチャーで、口中がキャラメル風味と心地よい穏やかな酸味に包まれます。からの、のどを通した後は熟したブドウの柔らかい余韻――。

市野瀬的イチ押しチョコレートは…

 そのままでも十分楽しめちゃう甘口ワインなので、どんな種類のチョコでも合うと思いますが、市野瀬的には、カカオ含有量が多めのほろ苦いチョコレートがより合うと思います♪ チョコのほのかな苦味とワインの甘味がそれぞれを引き立たせてくれるハズ♪

 特別な気分でいただく「自分チョコ」とともに、今年のバレンタインにはぜひマデイラを! 今までとはチョコっと違う贅沢な時間を過ごしてみてください♡

 ※本文内のワイン価格等は著者購入時のデータとなります。

市野瀬瞳
記事一覧
フリーアナウンサー
1984年12月25日新潟県生まれ。横浜国立大学在学中、女子大生リポーターとしてテレビデビュー。大学卒業後、NST新潟総合テレビの局アナになり、2012年に中京テレビに移籍。2020年にフリーアナウンサーになる。ラジオのレギュラー出演をはじめ、2021年には日本テレビ「踊る!さんま御殿!」に出演し話題となった。

2021年10月にJ.S.A.認定ワインエキスパートの資格を取得。2022年7月にはワイン国際資格であるWSET(Wine & Spirit Education Trust)Level 3に合格。2021年11月、日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会認定の「唎酒師」、2022年10月、ドイツワインケナー、日本酒と焼酎の知識に特化した「J.S.A.認定SAKE DIPLOMA」、2023年1月に「NAPA VALLEY WINE EXPERT」、2023年2月「J.S.A.ワイン検定認定講師」、2023年4月「日本ワインアドバイザー」を取得。

現在、東海ラジオ「Saturday Flavor」、MBSラジオ「クリス松村のザ・ヒットスタジオ」のレギュラー、テレビCM「みどり法務事務所」に出演中。

XInstagramYouTubeオフィシャルブログ事務所HP

関連キーワード

フード 新着一覧


「叩き長芋と酒盗の磯辺巻き」日本酒好きにはたまらない!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・築地の和食店「魚菜 まる富」の富成勝さんに...
刺し身を使った簡単アレンジ「カツオとウドのなめろう」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・学芸大学の居酒屋「件」の川辺輝明さんに、居...
「つぶしなます」盛りつけ前に指でギューッとつぶすのがコツ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・品川の「あじろ定置網」の西潟正人さんに、ウ...
ホクッとプリプリ「そら豆とエビのクリームチーズ和え」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・外苑前の「ごはんやパロル」の桜井莞子さんに...
白ワインと一緒に「ソーセージとクレソンのペペロンチーニ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は山形・鶴岡のイタリアン「アル・ケッチァーノ」の奥...
「イワシのリングアータ」脂の乗った身をサッパリといただく
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・渋谷の隠れ家イタリアン「ピノサリーチェ」の...
自家製の万能ダレが食欲をそそる「手羽先の甘だれ炒め煮」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は兵庫県・加古川のビストロ「ビストロ・エピ」の宮崎...
「アジのパクチーなめろう」和の肴とパクチーの意外な好相性
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・神宮前のカレーバー「ヘンドリクス」の若林剛...
春の味覚「ホタルイカとカブのマリネ」はひと手間でプロの味
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は横浜・野毛のビストロ「ジィーロ」の市川路朗さんに...
使う食材は2つだけ「菜の花のからし和え」は春らしさ満開!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の老舗和食店「はち巻岡田」の岡田幸造さ...
「イカ海鮮水餃子」出汁たっぷりの卵と海鮮の甘さがピッタリ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・神宮前の中華料理店「チャイナサーカス」の劉...
スパイシーさが新しい「カツオと山芋のスパイスオイル和え」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・神宮前のカレーバー「ヘンドリクス」の若林剛...
「カキのワイン蒸しトマトサルサ添え」濃厚なのにサッパリ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は横浜・野毛のビストロ「ジィーロ」の市川路朗さんに...
あっさり「ベーコンと玉ネギの和え物」は箸休めにうれしい
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・末広町の和食店「神田明神下みやび本店 」の...
新潟の伝統調味料がいい仕事する「タコとかんずりベーコン」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は山形・鶴岡のイタリアン「アル・ケッチァーノ」の奥...
「菜の花の昆布締め」染み込んだ出汁とほんのりした苦み
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・渋谷の居酒屋「酒井商会」の酒井英彰さんに、...