人妻探偵ついにザーメン入手!依頼人が語った苦しい胸の内#5

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2023-04-07 06:00
投稿日:2023-04-07 06:00

女の執念が招いた驚愕の結末

――まさか、同じ会社の……Xさんにフラれた女性が依頼人だったとは驚きです。

「私もです。事情を知ってしばらく呆然としました。マッチングアプリから始まり、尾行、デート、そしてセックス動画にザーメンを手にするまで、かなりの金額を払っているはずです。愛情というよりも執念を感じました」

――その後、Xさんとはどうなりました?

「まずはA社長に、依頼人にデータを渡したことを伝えると、『T子さんの任務はここまでだ。あとは別の者にバトンタッチする』任務終了を告げられました。ひとつの案件を数人でやるのがA社長のやり方なんですね。

 私の前後に、どんな調査員や工作員がどのように関わったかはいっさい教えてくれません。Xさんとも、もう二度と会うことはないと思います」

惚れた弱み? 今日も新たなミッションに

――セックスまでしたXさんに、情はうつりませんか?

「それが全くありません。女は一度セックスしたら相手を好きになるって言われがちですが、ソープ嬢をしていた私からすると、『一丁上がり』という感じです。事実、翌日から別な案件の尾行が始まりましたし、今日もこのあと、張り込みの仕事があります。

 今はA社長にもっと認められたい、A社長の力になりたいという気持ちのほうが強いですね。もちろん、惚れた弱みもありますから(笑)。

 時間はかかるかもしれませんが、いつかA社長を振り向かせてやると意気込んでいるんです。

 そうそう、今度は男性工作員とペアを組んで、対象者の人妻とセックスさせる仕込みをするんですよ。依頼人は、離婚して子供の親権を取られた夫なんです。元妻と工作員の男性をセックスさせて、『育児放棄』の場面を盗撮するんです。セックスするのは男性工作員ですが、面白い話になったらお知らせしますね」

 実にあっけらかんとした感じで、T子さんはその場を去っていった。

  ◇  ◇  ◇

 今回、T子さんが依頼されたのは「壊し屋」の依頼ではなかったが、世の中には恐ろしい依頼が多々あるのだと思い知らされた。

 それにしても、自分をフッた男性のセックス動画とザーメンを入手した女性は、どんな思いで動画を見るのだろう。いや、ザーメンをどうするのか――。

 あまりにも重い内容だが、あっけらかんと取材に応じるT子さんの明るい笑顔が、筆者にはせめてもの救いだった。

(了)

蒼井凜花
記事一覧
官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
オフィシャルサイトYouTube

エロコク 新着一覧


男女に聞いた「女性のアンダーヘア事情」どこまで処理する?
 女性のみなさん、アンダーヘア、つまり陰毛の処理はどのようになさっているでしょうか。  10年くらい前まではみんな...
アブノーマルプレイ初心者へ…細いボディーが優秀な相棒に
 コスメブランドが1シーズンに数種類のカラーの口紅を出すように、ラブグッズの世界にもシリーズ展開しているブランドがありま...
桃子 2019-11-12 04:43 エロコク
3Aを求める他力本願な自己実現女が騙される救世主男子よ
 わたしとひろしの48歳差の激しすぎる恋――男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものなのか。ホットなイッ...
“ママ活”マンガ 男性用と女性用を読み比べたら全然違った
「ママ活」という言葉が盛んに使われるようになったのは、2018年後半頃から。そこから半年ほどを経て、いよいよ「ママ活」を...
内藤みか 2020-05-20 11:23 エロコク
女性器リノベに投資する女たち#2…小陰唇縮小術の費用と中身
 日々鏡で顔を見ない女性はほとんどいないと思いますが、「自分のアソコを毎日見てチェックしている」という女性もまたほとんど...
内蔵されている“舌”が高速で…あっという間に昇天してしまう
 今年一番、勢いのあるメーカーといわれているのが「P×P×P」。ポップなデザイン&パッケージとお手軽価格とで、ネットショ...
桃子 2019-11-12 04:43 エロコク
全SNS利用者が読むべき太宰治に学ぶ【恥】リスクヘッジとは?
 48歳差の激しすぎる恋――男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものなのか。ホットなイットボーイというよ...
女性器リノベに投資する女たち#1…最も多い“小陰唇”の悩み
 20~40代のOLのうち60%近くの女性が、自分の性器の形状にコンプレックスを感じている、という出版社の調査がありまし...
じんわり穏やかな快感…欧米で流行の“あてがう系”ローター
 一見するとPC用品? 昨今のラブグッズは“いかにも”なものがどんどん減っていますが、これはその中でも群を抜いてグッズら...
桃子 2019-11-12 04:42 エロコク
プラトンで分かる 2500年ぶりに令和に蘇った【エロス】とは
 わたしとひろしの48歳差の激しすぎる恋。男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものなのか。ホットなイット...
男心の大事なポイントは「アダルトビデオ」が教えてくれます
 映画観放題の動画配信サービスはいくつもありますが、実はアダルトビデオ観放題の配信サービスも存在しています。なかには月額...
内藤みか 2019-07-18 06:00 エロコク
“セックスをすると綺麗になる”は本当か? 理学療法士が検証
「セックスをすると綺麗になる」そんな話を耳にしたことはないでしょうか。実際のところどうなのか、なぜ綺麗になるといわれるの...
山本茜 2019-08-14 16:06 エロコク
気づけば奥にまで…初めての女性にもオススメな“植物的”形状
 ずっと以前に読んだ官能小説で、女性主人公が常夏の異国で出会った年下男性の“彼自身”について、「細長くて、植物のような」...
桃子 2019-11-12 04:42 エロコク
蜜月編<2>言いまつがい【滑舌悪いVS耳遠い】頂上決戦
 わたしとひろし(非仮名w)の48歳差の激しすぎる恋――男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものなのか。...
自意識を吹き飛ばす シャイな女性が目覚めた“見られる”快感
 あなたは、どういった性の願望を抱いていて、ひそかに何をしたい/されたいと願っていますか。自分の性癖の形を知れば、もっと...
大泉りか 2019-07-11 18:00 エロコク
彼を恋の虜に…男性を100%本気にさせる「スンドメ」の美学
 皆さん、今少し気になっている男性はいらっしゃいますか? 願わくば、気になっている男性に振り向いて欲しいと思うのが女心だ...