タイで男性初体験、脳イキも取得したM系セラピスト「性の軌跡」#2

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2023-06-09 14:39
投稿日:2023-06-02 06:00

全身をぐるぐる巻きにされる「マミフィケーション」

――聞くほどに凄いです。続けてください。

「ヒスイさんとは、マミフィケーションというプレイもよくやりました。欧米で人気の拘束(緊縛)プレイですが、エジプトのミイラのように、全身をテープでぐるぐる巻きにされるんです。

 呼吸ができるよう鼻先だけは出していますが、基本的には頭からつま先まで。視界も聴覚も遮られ、皮膚を圧迫されるため、ある意味危険なプレイですね。

 ポーズは仰向けの時もありましたし、四つん這いになる『人犬マミフィケーション』もあったでしょうか。この状態でいたぶられたり、時には長時間放置されたり……。

 体はもちろん、精神的にも苦痛ですが、プロの女王様だけあって、その匙加減は見事なものです。限界ギリギリのタイミングで、ちゃんと解放してくれるんです。

2人の関係に変化が…

 プレイの一環としては、ペニスを踏まれたり、バイブを押しつけられたりもありますが、決してケガを負うようなことはなかった。このSM体験が、のちにセラピストに大いに役立ちました。

 ヒスイさんとは一年半ほど『女王様とM男』の関係でいましたが、ある日、その関係が壊れたんです。というのも、僕はM男の分際でヒスイさんとセックスしたいと願うようになっていたんですね。

 それをずっと彼女に拒まれていたのが、ある日、ヒスイさんのほうから『抱いてほしい』と言ってきたんです」

すれ違いが原因で破局

――えっ、女王様自らが性行為を望んだ、と。

「はい……。普通ならセックスに応じるのが男だと思うのですが、ちょうどタイミングが悪く、僕は新しい仕事に向けて進み始めていたんです。

 ダンスや陸上をやり、それらを通じて良い人脈に恵まれた僕でしたが、正社員として働いたことがなかったんです。ヒスイさんが求めてきたのは、僕が就活に奔走する真っただ中でした。

 いわゆる『すれ違い』ですが、何度も彼女を拒み続けたことで、ヒスイさんは傷つき、結果的に別れました

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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