蜜月編<2>言いまつがい【滑舌悪いVS耳遠い】頂上決戦

小悪魔ドルチェ寿司 編集者
更新日:2019-07-28 18:22
投稿日:2019-07-12 06:00
 わたしとひろし(非仮名w)の48歳差の激しすぎる恋――男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものなのか。ホットなイットボーイというより、じわじわ低温やけどさせる引退系男子。そんな男を好いて惚れ尽くしたわたしとひろし、今回こそ(!)滑舌悪いVS耳遠いふたりの頂上決戦の話をしたいと思います。

言いまつがいに聞きまつがいの上塗り

【vol.21】

 初期蜜月期である恋人同士というのはとにかくお互いのいままでの経験を話して話して話しまくって、共有するのが醍醐味であったりします。

 よく「81歳と付き合っているって、どんな話をするの?」と聞かれるのですが、その点は、ほかの恋人同士と同じで出逢うまでの時間を埋めるようにひたすら喋って喋って喋り倒します。

 ただ、ほかの恋人同士と違うのは……“言いまつがい”や“聞きまつがい”が頻繁に起こるんです。

 わたしは滑舌が悪いし、ひろしはたまに耳が遠いので、【滑舌悪いVS耳遠い】ふたりの頂上決戦の様相を呈してきます。前回お話していたようなこと、です。

 例えば「多才すぎてヤバい」って言ったら「社会主義でヤバイ?」って聞き返してくるし、突然ゴルフ中にひろしへの愛が爆発して「いますぐ犯したい」って囁いたら「イノシシ買いたい? あぁ、ここら辺なら売ってくれるかも知れんで」と返してきたり、わたしはそれだけで白飯3杯はイケるくらい笑い倒して、81歳と愛し合う“妙”に興じていたのです。

 とにかく女好きのひろしなので隠し子もふたり……。

 でも「隠し子ふたり」とわたしが言うと滅多に怒らないひろしが「隠してないわい!!」と激怒したのは然るべきだし、そこのところの価値観が同じで安心しました。

 とはいえ、「そこかい!!」って突っ込みたくなるのはヤマヤマヤマ……。女の恨みをたくさん買ってきたんでしょ、と言うつもりで「生き霊ついてますよ」と言えば、

「イチロー? あぁ、やっぱりカリスマにはカリスマやな」

 とひとりごちて悦に入る。

 またあるときにはわたしが料理が大好き過ぎた結果、こじらせ系ゆがんだ偏屈さで「男って、やっぱり肉じゃが好きなんですか?」と昭和の肉じゃが風潮を引きずって尋ねると、

「ミック・ジャガーは誰でも好きやろ。73歳で8人目の子供やで。わしらも作るで!!」と俄然張り切り、ズボンを脱ぎ始めるひろし。

ノリとツッコミの狂騒

 こんなこともありました。

「ひろしにとって、わたしってfemme fataleですね」
(※ファムファタル:仏語で宿命・運命の女。男の運命を変える女。悪い意味で使う方が多いけど、わたしは単純に運命の女という意味で使ったのですが……)

「海ほたる? ハハッ、よう分かっとるやないけ。カネ食い虫ちゅーことやろ」

 清貧の思想で生きているわたしにひどい言いがかりですが、運転免許を持っていなかったわたしに免許を取らせ、ゴルフを週一でラウンドしてツーサムで教えてくれているので「ぎゃふん」と言うしかなく(ぎゃふんと言った初めての人類よろしく)。

 わたしが外を見ながら「雨は(降るかな)? 梅雨?」と聞くと、

「アムウェイ? to you? なんやお前ネットワークビジネスか」と警戒するそぶりを見せたり。

 ある日はひろしが相当疲れ切っている様子だったので「癒してあげるね❤️」って子泣き爺のように抱きついたら、

「ヤラしてあげるね? お前もほんまイヤらしいオンナやな!」と嬉しげにわたしの手を股間に誘導したり。

「マッサージして欲しい?」って聞いたら、

「ワサビ? なんや! わしは寿司か!!」とうまくないノリツッコミを披露したり……。

「おっぱい」の破壊力

 ノリツッコミといえば、

「寝る子は?」と聞くと、
「育つ」と答え、
「寝る年寄りは?」と聞くと、
「ボケる」と答え、

 あるとき、ひどい喧嘩をしたらひろしがずっと黙っているので、不安になって「なに考えているの」と聞いたら、

「おっぱい」

 ひとことの破壊力。

 とまぁ、我々はひたすら頂上決戦ですが、蜜月期の恋人同士はどんなに時間があっても話し足りないわけです。心の凹凸を充足するために言葉で埋め、その話し足りないなかでセックスをし身体の凹凸を埋め合う。身体の凹凸を埋め合う欲求は根源的なもの。【エロス】と古代のギリシア哲学ではそう表現されていました。

 ということで、とても大切な身体の凹凸を埋めるお話。次回(7/19公開予定)はジェロントフィリアにも通じる、プラトンのmissing halfの話をさせていただきたいと思います!

小悪魔ドルチェ寿司
記事一覧
編集者
出版社で勤務のかたわら、現場主義のスケベライフを送っている最中に81歳と恋に落ち同棲生活開始。

関連キーワード

エロコク 新着一覧


憧れの有名女優の夫を寝取った女性の“驚きの理由”とは…#1
 人の数だけドラマがあり、同時に嫉妬も憎しみも、それ以上の愛や執着もあるのだとしみじみ感じます。前回の「主婦レズビアン」...
蒼井凜花 2019-08-26 12:22 エロコク
男女に聞いた「女性のアンダーヘア事情」どこまで処理する?
 女性のみなさん、アンダーヘア、つまり陰毛の処理はどのようになさっているでしょうか。  10年くらい前まではみんな...
アブノーマルプレイ初心者へ…細いボディーが優秀な相棒に
 コスメブランドが1シーズンに数種類のカラーの口紅を出すように、ラブグッズの世界にもシリーズ展開しているブランドがありま...
桃子 2019-11-12 04:43 エロコク
3Aを求める他力本願な自己実現女が騙される救世主男子よ
 わたしとひろしの48歳差の激しすぎる恋――男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものなのか。ホットなイッ...
“ママ活”マンガ 男性用と女性用を読み比べたら全然違った
「ママ活」という言葉が盛んに使われるようになったのは、2018年後半頃から。そこから半年ほどを経て、いよいよ「ママ活」を...
内藤みか 2020-05-20 11:23 エロコク
女性器リノベに投資する女たち#2…小陰唇縮小術の費用と中身
 日々鏡で顔を見ない女性はほとんどいないと思いますが、「自分のアソコを毎日見てチェックしている」という女性もまたほとんど...
内蔵されている“舌”が高速で…あっという間に昇天してしまう
 今年一番、勢いのあるメーカーといわれているのが「P×P×P」。ポップなデザイン&パッケージとお手軽価格とで、ネットショ...
桃子 2019-11-12 04:43 エロコク
全SNS利用者が読むべき太宰治に学ぶ【恥】リスクヘッジとは?
 48歳差の激しすぎる恋――男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものなのか。ホットなイットボーイというよ...
女性器リノベに投資する女たち#1…最も多い“小陰唇”の悩み
 20~40代のOLのうち60%近くの女性が、自分の性器の形状にコンプレックスを感じている、という出版社の調査がありまし...
じんわり穏やかな快感…欧米で流行の“あてがう系”ローター
 一見するとPC用品? 昨今のラブグッズは“いかにも”なものがどんどん減っていますが、これはその中でも群を抜いてグッズら...
桃子 2019-11-12 04:42 エロコク
プラトンで分かる 2500年ぶりに令和に蘇った【エロス】とは
 わたしとひろしの48歳差の激しすぎる恋。男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものなのか。ホットなイット...
男心の大事なポイントは「アダルトビデオ」が教えてくれます
 映画観放題の動画配信サービスはいくつもありますが、実はアダルトビデオ観放題の配信サービスも存在しています。なかには月額...
内藤みか 2019-07-18 06:00 エロコク
“セックスをすると綺麗になる”は本当か? 理学療法士が検証
「セックスをすると綺麗になる」そんな話を耳にしたことはないでしょうか。実際のところどうなのか、なぜ綺麗になるといわれるの...
山本茜 2019-08-14 16:06 エロコク
気づけば奥にまで…初めての女性にもオススメな“植物的”形状
 ずっと以前に読んだ官能小説で、女性主人公が常夏の異国で出会った年下男性の“彼自身”について、「細長くて、植物のような」...
桃子 2019-11-12 04:42 エロコク
自意識を吹き飛ばす シャイな女性が目覚めた“見られる”快感
 あなたは、どういった性の願望を抱いていて、ひそかに何をしたい/されたいと願っていますか。自分の性癖の形を知れば、もっと...
大泉りか 2019-07-11 18:00 エロコク
彼を恋の虜に…男性を100%本気にさせる「スンドメ」の美学
 皆さん、今少し気になっている男性はいらっしゃいますか? 願わくば、気になっている男性に振り向いて欲しいと思うのが女心だ...